先日、エコールドパリの展覧会を見るために横浜美術館へ行った際、ランドマークプラザで昼食をとろうと思い立ち寄った。横浜でも最もおしゃれで楽しい集客力のあるエリアであるため、いろいろなお店が入っているのだが、以前から気になっていたラーメン店であるAFURIに入ってみることにした。そして、このお店が新感覚のラーメン店であるということに気づいた。
どのように新感覚なのかというと、まずはフレンチカフェバーかと目を疑いたくなるような白を基調とした明るい店内が挙げられる。ラーメン店といえば普通はやや薄暗く、いい意味でぎとぎと感があり、その雰囲気が客を誘うというようなものだが、このAFURIはそれを拒否しているということが私にはよく分かった。新感覚の何かを消費者に提供しようとしているし、お店としては、それが理解できる人にだけ来てほしいという思いもあるのだろうし、今後はそうお客が増えるという確信も持っているに違いないとすら私には思えた。メニューには、ビーガン向けのラーメンもあり、私は食べなかったので、上手に想像することができないのだが、ビーガン向けのラーメンが現実問題として可能なのだろうかという大きな疑問が生まれてくるとともに、自信を持ってメニューに載せている以上、それは実現したのだろうし、そのことについて私は驚嘆した。私もいずれはビーガンになりたいと最近思い始めているので、これは重要な要素なのだ。何年かかけてビーガンになると思う。とてもすぐには無理ではあるが。
厨房には女性のスタッフが目立った。ラーメン店は通常、男の世界だ。体育会系のちょっとこわもてなお兄さんが元気よく声を出してラーメンを作ってくれるのがラーメン店の醍醐味みたいなところがあって、客はお兄さんの指示に全面的に従うという、ややマゾ的要素が強いのがラーメン店である。個人的な信念としては、成功する人間にはある程度マゾ的要素が必要だと思っているので、ここで述べていることは誉め言葉なのだが、AFURIはそこからも脱却しようとしている。カフェレストランみたいな感覚で、ビーガンも安心して入れる新感覚のラーメン店を彼らは目指しているのだ。
さて、おいしいかどうかは重要な問題なのだが、ちょっとぬるかった…そして、やや麺が伸びていた…。ラーメンを食べに入って、ラーメンがぬるくて麺が伸びている時の心理的ショックはかなりのものだ。厨房であたふたしている様子が見て取れたので、もしかするとたまたま私のラーメンだけそうだったのであって、他のお客さんのラーメンはそうではないのかも知れない。ならば偶然なので、仕方がないが、もしいつもそうなのだとすれば、改善できるポイントなのではないかと思う。いずれにせよ、これからの新感覚ラーメン店なのだから、見守りたい。