過去に起きた冤罪で一番酷いと思われるものにどんなものがありますか?

「過去に起きた冤罪で一番酷いと思われるものにどんなものがありますか?」とのquoraでの質問に対する私の回答です。

袴田事件ですかね。捜査関係者も途中から袴田さんは犯人ではないと気づいていたように私は思うんですね。にもかかわらず、メンツにかかわるから、或いは人事に影響するからという理由でこのまま押し切ろうとしたわけですから非常に醜悪です。たかが組織内の出世のために無実の袴田さんが死刑になってもいいと思いそのように謀議したということになるわけですから、繰り返しますけど醜悪で悪質です。袴田さんの事件を担当した裁判官の方は、袴田さんに有罪判決を出すことに納得できなくて裁判官やめて大学の先生になったと『BOX』という映画でやってましたけど、その裁判官の方はえらいとは思うけれど、自分が引退する年齢になって、当時の裁判長も年老いて亡くなってからカミングアウトするって遅すぎると思うのです。その方は「実はあの時…私は無罪だと思ってたんです。裁判所一体の原則があるから、裁判長及び二人の裁判官が合意して決めたってことになってますけど、実は多数決で、私は無罪に投票したんですけど、他の二人は有罪に投票したものですから、死刑判決が出たんです」という趣旨の発言をされて、裁判所一体の原則が崩れた、合議・合意前提の裁判官たちが実は多数決で決めていたということが分かったことが袴田さんの刑の執行を停止するという判断につながったわけですから、その裁判官の方はよく言ったと、日本の慣習と戦ってよく話してくれたとは思いますけど、やっぱり遅すぎますよね。無実なのに40年間も死刑囚をさせられたのです。容認できません。