パールハーバーの海底映像

今日は12月8日で真珠湾攻撃から75周年にあたります。ABCがパールハーバーの海底映像を配信しているのを、今、なんとなく見ています。日本海軍が発射したであろう水雷が錆びた状態で沈んでいたりする映像が流れていますが、実はあまり関心が湧きません。そばに比較的最近に沈んで来たであろうジュースの缶も映っていますので「そりゃ、いかんだろう」と、むしろそっちの方に関心が向いてしまいます。

パールハーバー記念館はアメリカ人は列をなして見学に行きますが、私が訪れたときは日本人はほとんど見かけることはなく、関心の向く方向の違いというものがけっこうはっきりと現れるものだなあという印象を得たことがあります。パールハーバーは狭い上に深さも知れていますので、前々からどこに何が沈んでいるかは分かっているわけですし、戦争中に結構引き上げられて修理されて戦線に出たりしていますので、そんなに珍しいということもないのではという気もします。

武蔵や大和の映像であれば、深海に沈んでいますし、広い太平洋の中で見つけなくてはいけないので、映像を撮るというのもなかなか大変な作業だとおもいます。また、我々の物語の一部のようにも思えて、もうちょっと関心が湧くのですが、やはり、「古跡」の映像は自分がどういう物語の世界に生きているかによって関心が湧いたり湧かなかったりするものだということが言えるのだろうなあと思えます。私の祖父が武蔵に乗っていて、幸い生還したのですが、私の心中に、そういうのもあって、武蔵や大和には関心を持てるのかも知れません。

安倍首相がパールハーバーを訪問するとのことですが、謝罪しないそうです。戦争した相手同士で謝罪するしないをいつまでも言っていても前に進むことができませんので、どうしても謝罪しなくてはいけないとは思いませんが、訪問して哀悼の言葉を述べることには意義があるのではないかと思います。

オバマ大統領も広島に訪問し、哀悼の主旨のことを述べていましたが、謝罪はありませんでした。ただ、それでも、アメリカの大統領が広島で献花する姿はやはり心に触れるものがあり、感動的な場面だったと思います。安倍首相がパールハーバーを訪問する映像も同様に心に触れるものになってくれればいいと思います。

私は個人的には双方の首相と大統領が毎年太平洋戦争の激戦地で会談し、「和解サミット」みたいなことを恒例化するのも悪くないのではないかと思っています。一年目はパールハーバー、二年目はミッドウェー島、三年目はガダルカナル、その後、全ての島を訪問するのもちょっと大変な気がするので、サイパン、硫黄島、沖縄のような感じで10年くらいかけて訪問し、謝罪するしないを議論がおかしくなっていくので、そういうのは抜きにして、哀悼の言葉を述べるということをすれば、双方の心の中に何となく今も抜き去りがたく残っている傷のようなものが和らいでいく、癒されていくということがあり得るのではないかと思わなくもありません。フィリピンも激戦地でしたが、デュテルテさんがどういう反応を示すのか分からないので、とりあえずフィリピンに関しては触らぬ神に祟りなしということにし、パラオは多分、双方の訪問を歓迎してくれるでしょうから、パラオには行く、みたいな感じでやればいいのではないかと思います。

沖縄の訪問はいろいろと議論を呼ぶことでしょうけれど、一度はサミットもやっているわけですから、次は哀悼の言葉を述べることを主目的とした訪問をすることはもちろん不可能ではないはずです。まあ、でも、やりたがりませんかね…。

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