勝てた可能性はあると思います。日独同盟がむすばれた時、日本では多くの人がヨーロッパの戦争でドイツが絶対に勝つと考えられていましたが、それはソ連と戦争していなかったからですね。で、ソ連とも戦争を始めたと知り、これでヒトラーは敗けたと嘆いた人がいたそうです。それくらいソ連との戦争は潮目を変える出来事であったと思います。二正面戦争をしながらアメリカ軍までやってきて、それでも3年持ちこたえたわけですから、如何にドイツ軍が凄かったかということだとは思います。
当時、ポール・アインチヒという経済記者みたいな人がいて、彼はドイツは必ず敗けると予言していました。なぜなら、資本力のある方が勝つのが近代戦争だからだと。で、当時のイギリスは世界一の金持ちですから、ドイツがどれほど素晴らしい戦術と技術力で攻めてこようとも最終的には金の力で幾らでも戦車や飛行機を準備できるイギリスが勝つであろうと述べていたわけです。
但し、当時の状況を考えるに、イギリスの富の源泉である植民地は日本軍に侵攻に脅かされていて、実際、しばらくしたら怒涛の勢いで日本が取って行ったわけです。
ですので、仮にドイツが本当に対英戦争だけに集中していた場合、1942年、43年あたりでドイツがようやくイギリス上陸ロンドン占領みたいなことはあり得たと思います。
それをヒトラーが待ちきれなかったのが枢軸国滅亡の要因ではないかなと思います。