2018年が終わろうとしている。クリスマスイブも過ぎて世の中は一機に年末モードに突入である。さて、この年を振り返って個人的に最も印象深く感じたのは、まるで狙い撃ちでもされたかのように、ソフトバンクグループが携帯子会社のソフトバンク社を上場させる直前になって同グループにとってマイナスになるできごとがこれでもかというほどに頻発して起きたということだ。
ソフトバンクグループと協力関係にあった人々から次々とおかしな話が立ち上がったのは、運勢とはこういうものを指すのではないかと考えたくなるようなもので、立志伝中の中国の起業家であるジャック・マー氏の引退、ファーウェイのCFOの逮捕、サウジアラビアの皇太子が殺人命令を出したという噂もあり、ダメ押しするように肝腎の携帯電話がつながらなくなるという不具合まで起きた。ソフトバンクは親子ともども株価がだだ下がりしており、世界的な株安局面が悪い意味で追い風になってソフトバンクグループの株価は二カ月で三分の二まで落ちた。
ソフトバンクグループに対して快く思わない人はそれみたことかと、やんややんやと騒いでいる。私は停滞気味な日本社会で、思い切ったことをやってみよう、挑戦してみよう、新しい時代を作ってみようと取り組みを続ける会社がやっぱり存在することは大事なことだし、日本にソフトバンクがあって良かったとも個人的には思っている。グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンのいわゆるGAFAに連なる日本資本が存在し得るとすれば間違いなくソフトバンクだ。ラインや楽天がその後に続くかも知れないが、取り敢えずはソフトバンクが筆頭になるだろう。ライブドアがやや懐かしい。
さて、問題はソフトバンクグループがこの危機に対してどのように対応するかだ。何年か前に株価が急落した時は徹底したリストラで乗り切ったと聞いている。さる筋から得た話では、中国資本とは距離を置く方向性で動いているらしい。伝聞なのでこれ以上のことは分からないが、孫正義さんはトランプ大統領にも直接会ったことがあり、5兆円の投資を約束している。軸足を中国からアメリカに移すことはそんなに難しいことではないかも知れない。サウジアラビアの皇太子は敵も多いようだが、トランプ大統領は放置する姿勢でいるらしいので、サウジアラビア関連も実は当面、何も起きず、孫正義氏の投資がじわじわと活きて来ることは充分に期待できるはずだ。サウジアラビアの皇族と組んで脱CO2の太陽光エネルギー開発で成功すれば全てうまくいくのではないかとも思える。そういう意味で、ソフトバンクグループは長期的には買いである。期待できるし、期待すべきだ。こういう企業は日本にあるべきだ。ヤフージャパンという大手検索エンジンを運営する会社である。危機に瀕することはあっても切り抜ける力はあると信じたい。