アメリカ映画『ウィンド・リバー』の問題意識

アメリカ映画、『ウインド・リバー』はカンヌ映画祭で「ある視点」賞を獲得している。ある視点ってどういう意味?とちょっと戸惑うのだが、内容と背景を知れば、なるほどそういうことかと理解できる。ネタバレするのでご注意ありたし。

アメリカは世界中のいろいろな民族や人種が暮らしているが、その中でちょっと特殊な立ち位置にいるのがネイティブ・アメリカンと呼ばれる人々だ。何が特殊なのかというと、アメリカ合衆国の法への忠誠心や敬意の持ち方についてちょっと違うことが認められている人々だと言い換えてもいい。普通、大抵のアメリカ人は辿ればヨーロッパなりアジアなりアフリカなりから渡ってきたか連れて来られた人々になるわけだが、彼らが共通して求められることはアメリカ連邦の法への忠誠心を持ち、それに対して敬意を払うことだ。アメリカ合衆国憲法はアメリカそのもの、即ちアメリカの国体みたいなものなので、徹底的に教育されるし、新しい移民にも憲法への理解が要求される。憲法を理解せずにアメリカ人になることはできない。

しかし、例外的な人々も存在する。ネイティブ・アメリカンと呼ばれる人々だ。彼らはイギリスからアングロ・サクソンがやってくる前からアメリカ大陸で暮らしていた。先住権は彼らにあり、従って、移民と同じ扱いを受けてもらうわけにはいかない。もともと、彼らには彼らの法がある。そういうわけでネイティブ・アメリカンの人々は自治区で暮らすことができる。たとえば日本人移民が自治区とか作ったら大正時代の排日移民法みたいな話になって大問題になるに違いないわけで、そのように考えるとネイティブ・アメリカンの特殊な立ち位置が理解できるだろう。アングロ・サクソンやフリーメイソンが持ち込んだ連邦の法に従う義理はないので、自治区内である程度、自分たちらしい生活が送れるようになっている。

だが、はっきり言えば、そうなっているはずだと言う方が正しいかも知れない。

たとえばこの映画のウインド・リバーという土地では、鹿児島県くらいの広さの土地に警察官は6人しかいない。事実上、地元の警察は無力だ。ネイティブ・アメリカンには当然、部族の掟みたいなものがあるはずだが、生活が基本的に西洋化してしまっている現代で、掟なるものがどの程度機能するかは甚だ疑わしい。

従って、ネイティブ・アメリカンの自治区はアメリカの中で見捨てられた、忘れられてしまった土地になってしまっている感がある。連邦の法にも見捨てられ、経済発展の恩恵にも浴さず、広大な原野の中でどうにか死なない程度に日々を送っている。犯罪の温床になりやすい。

この映画では、ドラッグに溺れる若者や、見捨てられた土地で働くモラルを忘れた白人、性的な暴行被害に遭い命を落とすネイティブ・アメリカンの少女などが登場する。問題意識は明らかだ。この見捨てられた人々がいることを、観客は忘れているのではありませんか?ということだ。

ドラッグに溺れる若者は、アメリカン・ビューティの若者みたいにファッション性があるからドラッグをするわけではない。他に自分の魂を救済する手段がないのでドラッグに走る。永遠に報われることのない土地で、彼らには希望がない。ドラッグは悪いことだが、果たしてそれは若者が悪いのか?との問いかけがなされる。

ネイティブ・アメリカンの少女の不審死の報を受けてFBIの女捜査官が派遣されるが、アメリカ文明を代表するはずの彼女はブリザードの吹きすさぶ北アメリカ大陸の原野の真ん中でなすすべを知らない。周囲の助けがなければ何もできないばかりか、捜査で気を抜けば、自分が命を落としかねない。

ネイティブ・アメリカンの少女を死に追い込んだのは、モラルをなくした白人の男どもで、全く正当化できないが、このような原野の中であれば、ばれないから、どうせアメリカ連邦の法律はそこまで効力がないからと思い、やってしまうのかも知れない。

アメリカは自助努力の価値を信じている人々の集まりだ。しかし先に述べたようにネイティブ・アメリカンの自治区はその例外的な立ち位置にあり、自治の美名のっもと、犯罪被害が救済されにくい、犯罪の温床になりかねず、対処が求められる。そういう問題意識を持った映画だった。なかなか大変なテーマを扱っているので、かくあるべしと言うことはできないが、このような問題意識に触れることは大切なことだ。困っている人を助けるためのきっかけになるかも知れないし、自分が他人を傷つけないことへの誓いを新たにすることもできるだろう。

アメリカ映画『アメリカン・ビューティー』に見る愛し方。愛され方。

中年夫婦がなんとか切り盛りする中流家庭は崩壊寸前であり、当事者、すなわち父・母・娘がもういいよねと合意した瞬間に家庭は崩壊し、麒麟・田村の『ホームレス中学生のような』な状態に一瞬にしてなりかねないところからスタートしている。その過程に於いて、旦那は一年間のサラリーだけは獲得したので、破綻はちょっと先のばしに成功した。そして娘の同級生をものにするというアホな妄想を現実にすべく努力を開始した。奥さんは沈む船から逃げ出すために、新しいボーイフレンドとしてやりて不動産営業男をベッドイン。娘はやり手のドラッグの売人とニューヨークへ脱出するというなかなか思い切った手段を模索するようになった。で、なんでこんなことになっちゃったの?と言いたくなるが、よく見ていれば、そうなる気持ちも分かるわなあとも思えてくる。

いくつくあのカップルが付き合いかけてハッピーになり、そうでないのもいるというので、そのあたり、ちょっと詳しく、「愛とは」の入り口まで語れるかどうかやってみたい。

まず一番情けないおやじなのだが、家族に見捨てられていることを承知しているうえに、会社からも見捨てられ、誰にも愛されない私になってしまっている。しかも彼は娘の友達が遊びに来ているのをこっそり盗聴するのだが、なんと当該の友達は「あなたの父親って素敵ね。あれでもう少し筋肉があったらやっちゃうかも」を真に受けて筋トレに励むのである。娘の友達のジョークを真に受けて筋トレする悲しき中年男の姿がそこにある。

奥さんの方は、なんとしても不動産を売って見せる、不動産を売って、成功者と呼ばれる人たちの一部になってみせると努力に努力を重ねるが、なかなかそうもいかなくてすっかり落ち込み気味だ。そして不動産王と周囲から尊敬される凄腕不動産バイヤーの男に近づき、ついにそういう関係になるのである。ここで二人の様子からなぜ彼と彼女はそういう関係にあんったかを少し考えてみたい。行為の最中男は「俺こそは不動産キングだ」と何度も叫ぶ。彼は相手を愛してはいない。彼は性行為中に叫ぶことによって自分とは何かを再確認しようとしており、最高位の相手をそのために利用している。一方の女性はどうだろうか。夫との性交渉はすっかり失われており、欲求不満で満ち満ちている。言い方は悪いが誰でもいいからやっちゃって状態になっており、終わった後もあーこれで私欲求不満が解消できて最高~~という風にご満悦という流れになる。もちろん、この女も男を愛してはいない。

一方で、これは愛によって結ばれているのではないかと考えさせられる二人がいる。この夫婦の娘と、隣に引っ越してきた退役軍人の息子さんだ。父親の暴力は激しく、お母さんは頭がダメになってしまった感じなのだが、こわーい海軍の人なので、ご機嫌斜めにならないように周囲はいつも緊張しなくてはいけないが、それでも、抜け穴はある。そこの息子さんはプロの薬の売人なので、隣の堕落した父親を客にして、ドラッグを売るのである。海軍の父親はその様子を二階の窓から見ている。そして、窓からチラチラ見える様子から「あの二人は同性愛を楽しんでいるに違いない」という全くの桁外れな結論に達し、隣の家に忍び込み、隣の堕落した中年パパとキスするのだが、堕落した中年パパ「あ、あの、間違ってます。私は、そういうわけではないんです・・・・」というので、海軍さんは諦めて帰っていく。ここまでくると海軍さんの妻で、売人の息子の母のあの女性が頭がちょっとダメになってしまっている理由も分からなくもない。海軍さんの妻だけど、全然そういう行為がなくて、おかしくなってしまったのだ。そして社会的地位はあるから体面はと待たなくてはいけない。繰り返しになるが、それでおかしくなってしまったのだと思う。
で、このドラッグを売っている息子さんが、隣の娘さん、ようるすに堕落してしまった中年男に恋をして、二人は少しづつ心を近づけあい、やがて、ピュアな恋を互いに確認する。この映画の中で唯一美しい場面のようなものなのだ。二人は取り巻く環境がなにもかも嫌になってニューヨークへと向かう。売人だけに金はあるし、頼れる人もいるらしい。

さて、幾つかの人間の了解されなければならないところが出尽くしたある日、物語は瞬間に終わる。その日の午後、堕落した中年男はバーガー屋さんで働いていて、そこへ彼の妻と、彼女の不倫相手の男性がスポーツカーみたいなのでドライブスルーにやってくる。不倫発覚というわけである。全財産は奪われ、子どもには会えない….下手すれば人生これでおしまいである。信用大事の不動産を売り続けることができるかどうか…

その日の夜は忙しい。毎日筋トレをして自分を鍛えていた堕落した中年男はなかなか引き締まった肉体を手にしており、自分の娘のところに泊まりに来た、お目当てのスクールガールといい雰囲気になる。互いに欲望とメンツを満たすためだけの行為が行われようとしていたのだが、女性の方が「私、初めてなの。下手だと思われたくないから、先に伝えようと思って..」で、男は素に戻り、僕はとってもラッキーな男だと言い残して自室に入り込み、家族の写真とかを見て過ごす。あるいはこの男の更生の可能性を暗示する場面かも知れないのだが、銃を隠し持った妻によって頭を撃ち抜かれ人生を終える。妻は不倫を知られた以上、自分が文無しになって路上に放り出されても誰も助けてはくれないとの分かっているため、だったら夫を殺してしまえば、離婚の裁判が開かれたないと考え、刑事事件の裁判になることの恐ろしさまで気が回らなかったのだろうとしか考えることができない。といいつつ、もう少し突き詰めてみると、実は妻は主人公の夫を愛していたのかもしれない。夫とセックスレスになったことが諸悪の根源であり、夫ときちんと行為が行われていれば不倫することもなく、大抵の問題が解決していた可能性は残されるようにも思える。そうでなければ、夫を殺害した後で、クローゼットの夫の大量のスーツに抱き着いて泣く場面が入り込む理由がない。

以前はアメリカの中産階級の崩壊というところに注意を向けて見ていましたが、今回はもう少し、いろいろな人の愛の表現方法みたいなことを考える材料になると思い、書いてみました。



イオンのミスタードーナツで、イオンについて考えた

イオンは全国に500店舗くらいあるらしい。47歳都道府県全てを網羅していると言っても過言ではない。3000市町村を完全カバーというわけにはいかないようだが、銀座のような超都心にはなく、限界集落のような地域にもないので、「中流=生活圏にイオン」という理解でさほど外れてもいないような気がする。イオンは消費者フレンドリーで物価も割安であり、ミスタードーナツやサイゼリヤのようなお店もあって言うことはないはずなのだが、最近、やや雲行きが怪しいらしい。イオンは現在、減益が話題になっている。やや衝撃的だったのは、私が今回、ちょっと休憩のつもりで入店したミスタードーナツがイオンの当該店舗から撤退する旨の張り紙がされていたことだった。もうイオンでは商売にならないということなのだろうか。イオンは割安、リーズナブル戦略を用いているため、客単価は低い。ミスタードーナツですら、やや高額に感じられるほど、イオンの食料品売り場は価格が安く設定されている。ミスタードーナツのような歴史ある市民の味方をも敬遠するほどに、人々の財布が硬くなっているということなのかも知れない。尤も、近隣のマクドナルドは堅調に見えるため、消費増税の影響かどうかは測りがたいとも思えた。まあ、関係ないはずもないのだが。

イオンの発展は自民党が無理押しした大型店舗法の改正と関係がある。大型店舗法はそもそも商店街などの個人商店を守ることを目的とした法律で、アメリカのJCpennyみたいなモールが進出して個人商店を圧迫することを防ぐことを目指していた。ちなみにJCpennyはバックトゥザフューチャーでマーフィーとドクが犬を使ってタイムマシーンの実験をする場所である。どうでもいいと言えばどうでもいいが。

自民党は資本家+農家の支持によって成り立っている政党であるため、個人商店の票を失うのは痛い。しかし一方で、アメリカからの要求は厳しかった。JCpennyみたいな大型店舗が世界一豊かな日本で商売できるように法律改正せよとねじ込み、自民党は応じざるを得なかった。ここは自民党のもろさやぶれを露呈したものだと言えなくもないだろう。一方に於いて個人商店主の利益を守る政党でありながら、一方に於いてはアメリカの利権も守らなくてはならず、常にではないが時として利益が相反し、自民党はそのバランスをとるために苦悩せざるを得なかった。批判というよりは、同情したい。結果、大型店舗法に関しては、自民党は妥協し、改正して大型ショッピングセンターやモールが国内で作れるようになった。

では、JCpennyがあちこちにできたかと言えば、そのようなことは起きなかった。繊細な日本の消費者が喜んで財布のひもを開けるような商品を大味なアメリカの大型店舗が提供できるわけではなかった。フランスカルフールも、日本の市場に於いては同じだった。大型店舗法の改正によって最も大きな利益を得たのは、間違いなく日本資本のイオンである。日本の消費者という手ごわい客層を相手に心の機微をつかむ商売ができ、かつニチイなどの積み重ねて資本力のある企業は限られていた。一時期、大型店舗はイオンの独壇場のようにすら見えたほどだ。

イオンが伸長した結果、各地の商店街がシャッター通りとなり、個人商店は店じまいし、人々は自動車に乗ってイオンへ行き、必要なものをまとめ買いするようになった。消費生活がある程度アメリカ的になったということもできるだろう。だが、これをして日本の商店街をつぶしたのはイオンだとか、法律を改正した自民党の陰謀だとか、或いはアメリカの陰謀だなどと言うのは早計である。確かにJCpennyみたいな店舗が出せるように法律を変えたのは自民党であり、変えさせたのはアメリカであり、漁夫の利を得たのはイオンである。だが、人々がイオンを選ぶにあたって、なんらの強制も働いてはいない。政府や国家、政権政党がプロパガンダをして、或いはイオンで買わなければペナルティなどの暴政を行うことによって消費者をイオンに集中させたわけではない。人々は自発的にイオンを選んだという事実を忘れてはいけないだろう。消費者は自発的にイオンを選び、個人商店を見捨てた。イオンの発展は国民の意思の帰結であるとすら言えるだろう。従って、シャッター通りが生まれた責任をイオンに問いかけるのは間違っている。責任を負うべきなのは、消費者だ。

さて、イオンがあんまり盛り上がっていないことに話を戻したい。或いは人々の生活が脱自動車化したことにより、イオンまで行くのが大変なので、結果としてイオンに人が集まらなくなったのかも知れない。または、日本人の消費のスケールのようなものがいよいよ本格的に縮小し、イオンの創意工夫では対応しきれないところまで来たのかも知れず、案外便利なアマゾンプライムが日本市場のイオンに対する挑戦者として登場したことが大きいのかも知れない。ローソンもネットスーパーをやっているし、ネットでスーパーマーケットということになれば、市民はあらゆる商品の値段を徹底的に比較することができるし、手間をかけずにあちこちに注文できるため、イオンの充実した品揃えはあんまり意味をなさなくなってきたのかも知れない。イオンに行けばなんでも揃う時代が終わりを告げようとしており、今後はスマートフォンさえあればなんでも買えるので、店舗とかいらなくない?という時代に突入することもあり得る。今日はイオンへちょっと足へ向けただけで、いろいろと感じたので、ここに備忘として書き残すことにした。

さっきイオンの株価を検索してみたが、こちらもあまり盛り上がってはいない。イオンの株主になれば、買い物のたびに割引があり、本当かどうかは知らないが毎日ミネラルウオーターがもらえるらしい。お得なのだが、リーマンショックで一度残酷な感じになっていて、アベノミクスの大相場で大いに盛り上がり、今、アベノミクスの終焉が明らかな中、消長気味である。

ネットでの消費が主役になった場合、趣味はショッピングとか、趣味はウインドウショッピングの人はどうすればいいのだろうか。あ、ネットサーフィン…。

アメリカ大統領選挙2020を読む‐バイデンさん編

来年のアメリカ大統領選挙に、オバマさんの時代に副大統領をしていたジョー・バイデンさんが出馬する意向を示したことが話題になりました。一時期はバイデンさんに関する話題で英語メディアはもちきりでしたが、最近はやや沈静化した感じなので、話題になりました、と過去形にしたいと思います。

現状、トランプさんの再選があり得るかどうかを考えると、経済の状態、ロシアゲートの弾劾があるかないか、民主党から予想を超えたスーパースターが選挙に出馬するかの3つの要因で決まって来るように思えます。経済の状態は良く、少なくともトランプさんとしても2020年まではややバブっているらしいアメリカの景気を支える覚悟で臨んでいるようですが、ロシアゲートの弾劾についてはまだなんとも言えない部分がつきまとっています。まずジュリアン・アサンジ氏が何を話すかが注目されるわけですが、既に逮捕されてひと月ほど経つのに何も出てこないということは、アサンジさんは喋らないことで腹をくくっているのかも知れません。イギリスも死刑制度のあるアメリカにアサンジさんを引き渡すことはできないという姿勢を示していて、このままだと、アサンジさんはまたしても半永久的に隔離されたような生活を送ることになるだけなのかも知れません。ロジャー・ストーンさんがしゃべるかどうかに注目ですが、この人も一筋縄ではいかないでしょうから、全く見通しが立ちません。民主党サイドはなんとかロシアゲートで弾劾に持ち込みたいところのようですが、弾劾が成立させる決定打に欠いて困っているといったところかと思います。で、民主党からスーパースターが対抗して出馬するかどうかが鍵になるように思いますが、果たしてバイデンさんでトランプさんに対抗できるかと言えば、やや微妙なように思えます。トランプさんのおもしろくて分かりやすいキャラを支持する有権者が3割ぐらい確実にいて、トランプさんはその人たちの支持を確実に保つ方針で就任以来、できることをやってきた面があります。バイデンさんはトランプさんほどキャラが鮮明ではなく、お上品なお顔でいい人そうなのですが、選挙は目立ったもん勝ちみたいなところがありますから、やはりちょっとバイデンさんでトランプさんの首を獲るのはあまりなさそうに思えます。

ただ、バイデンさんがどんな人なのか調べてみると、最初の奥様と娘さんを交通事故で亡くしていて、2015年に息子さんを脳腫瘍で亡くしています。奥さんと娘さんと息子さんを亡くすというのは生涯にわたって苛まれる苦しいことではないかと思いますから、同情を禁じることができません。同情してしまいます。バイデン氏は人間的には相当に魅力がある人らしく、民主党、共和党を問わず友人が多くいるそうです。共和党の政治家のマケインさんが亡くなった時にスピーチしたというエピソードに、人間的な幅のようなものを感じさせます。一方で、女性に対して、ちょっと不謹慎な面もあることが話題になりました。トランプさんならいくらでもやってそうなことですが、普通の政治家にとっては致命傷です。息子と娘を亡くすという不幸に出会えば、頭の中の何かがおかしくなってしまっても不思議ではないとは思いますから、やっぱり同情しますけれど、バイデンさんではトランプさんにはやはり勝てないという気がします。

スピーチの天才とも言えるオバマさんがもう一回出馬という話もあるようですが、さすがにプーチンかよ、と突っ込まれるでしょうから、それはないと思います。ヒラリーさんがもう一度出馬しても全くおかしくはないのですが、今のところそういった話は聞こえてきません。あまり早い段階で名乗りを上げると不利なこともありますから、当面は様子見ということなのかも知れません。これから、いろいろな人が名乗りを上げていくでしょうが、私はアメリカ人の有権者ではないですから、少しずつちらちらと横眼で流れを読んでいきたいと思います。




【英語メディアウォッチ】英語メディアで中国はどう報道されているのか

今日、chinaというキーワードを軸に英語メディアで中国について英語圏でどんな報道がなされているのかをざっと見てみました。いわゆる中国脅威論は想像していた以上に強く打ち出されており、やや驚きでした。スリランカの港の租借がいろいろな意味で注意を集めたらしく、ネオ・インペリアリズムと表現しているものにも出会いました。一帯一路についても、その延長線上で語られているものが多く、全体的に「気をつけろっ」的なものが多いような印象です。

中国オワコン説みたいなものもあまり多くはありませんでしたが、論じられているものを見つけることができました。中国の経済成長の鈍化について異論のある人はいないとは思います。

で、米中対立は結局どうなるのよ?というところに議論が行くわけですけれど、ここは何とも言えないお互いこれから剣が峰、みたいな雰囲気のものが多かったです。数年前なら「アメリカ余裕。中国はまだまだ」が普通の見方だったと思いますから、中国の存在感は相当に大きくなったと見ることもできると思います。ドナルド・トランプ氏が2020年には再選できるかどうか、国内で奮闘しなければならないのに対し、習近平氏は終身国家主席なので、国内の権力基盤では習氏有利。従って米中対決は中国に利があるとする内容のものもありましたが、アリババがアメリカで成功しなかったことを取り上げて「やっぱダメじゃん」という意見もみられました。どうも米中対決の行く末を占うにはまだ早いようですが、米中乖離はある程度進行しているようです。しかし、しかしです。中国には現在、3億人の中間層と、富裕層が少なく見積もって1億人くらいいるわけで、中国は今や世界一の内需国に成長しています。アリババはアメリカで商売できなくても、別に中国で商売できればいいじゃんと割り切ることもできるわけです。

個人的に中国脅威論を無用に煽るようなことには興味はありませんが、英語メディアで中国脅威論がかなり広がっているということは驚きでした。また、中国有理論も強く、複合させて考えるとすれば、米中は乖離していて、中国有利、これはとんでもないことになっている、うかうかしていられない、という風になっているわけですね。で、関税戦争ではむしろアメリカが返り血を浴びているという風に脅威を煽っているという印象でした。どっちが勝つのか、或いは穏やかに収まるのかはもうしばらく様子を見ないと分かりません。ソフトバンクの孫さんが両張りしていたのはさすがと言うべきとも思えます。

私事ですが、今日は体調不良でやむを得ず自宅で英語メディアをチェックして過ごしましたが、これはこれでブログやyoutubeで発信できる分野だなあと思いましたので、これからも時々やってみたいと思います。英語メディアウォッチをした日は体調不良で寝込んでいた日です。もう少し、youtubeの配信にも慣れて来たら、中国語メディアウォッチも合わせ技でやってみようと思います。一応、歴史中心の教養系のつもりなので、元気な時は歴史の方もがんばります。




モラー特別検察官のロシアゲート捜査が終了した件

モラー特別捜査官のロシアゲート関連の捜査が終了し、最終報告書が司法長官に提出された件で英語メディアはもちきりです。これまで、たとえばロジャー・ストーンさんのような人物がモラー氏の捜査で逮捕されたりしてきたわけなのですが、司法長官はこの度の最終報告書の内容について「新しい逮捕者が出る内容ではない」という、やや曖昧な表現をしています。トランプ氏が白だから、これ以上逮捕者は出ないと言っているとも受け取ることができますし、或いは大統領には不逮捕特権があるので、それを利用して言葉を濁していると捉えることもできないわけではありません。トランプ氏を追い落としたいグループとしては報告書の公開を飽くまでも迫り、内容を精査して弾劾に持ち込みたいところでしょう。下院は民主党が押さえていますから、意気軒高、報告書の内容公開を強く求めていくものと見られます。上げモードです。

一方で、トランプ氏を擁護する立場の人たちからすれば、ロシアゲート疑惑は大統領を弾劾する決定打に欠けているとして、これでロシアゲートは終了だという雰囲気ですね。主戦場は次期大統領選挙という下げモードといった様子が見られます。現職の司法長官は共和党の奥の院のメンバーの一人みたいな人らしいので、共和党の大統領を守り切る方向で走り切る、或いは逃げ切るつもりかも知れません。しかしながら、ロジャー・ストーンさんも共和党の奥の院のメンバーの一人みたいな人ですから、共和党の大統領を守るためにロジャー・ストーンさんをトカゲのしっぽきりしたと見ることができるのか、それとももうちょっと裏の裏みたいなのがあるのかは、報告書の中身が分からない以上、見えてこないかも知れません。今日は日曜日ですから、週明け以降、報告書の公開をする、しないを巡ってアメリカの政局は揺れ動くことになりそうです。




ジュリアン・アサンジ氏は今、どうしているのか

共和党の黒幕的人物であるロジャー・ストーン氏が逮捕されたことで、ロシアゲートがあるいは大きく動く可能性が出てきており、俄然、注目したくなるのがジュリアン・アサンジ氏だ。ロジャー・ストーン氏とは面識があるのではないかとの憶測は以前からあり、実際、ロジャー・ストーン氏は「アサンジ氏と食事したことがある」と発言した後、「あれはジョークだ」と訂正している。

アサンジ氏は近年、全く姿を見せておらず、現在もロンドンのエクアドル大使館に引きこもって生活しているはずだが、極端に言うと果たして生きているのかどうかということにすら疑問を抱かざるを得ないほど、全く何かをしている形跡を見せていない。今でもいるかどうかは分からないが、エクアドル大使館の周囲には支持者やファンがアサンジ氏が顔を出すのではないかと見守り続けて来たはずだし、英国の警察は24時間の監視を続けている。エクアドル大使館からもし一歩でも外へ出れば逮捕する構えを崩してはいない。

アサンジ氏は以前はインターネットを利用してエクアドル大使館の一室から動画の配信をしたり、ツイッターでつぶやいたりしており、ネット時代には引きこもっていても情報発信できるという彼らしい対抗策を続けていたが、そういう活動も行われなくなって久しい。エクアドル大使館の窓から顔を出すこともない。そのため、既に生きていないのではないかとの憶測も流れており、簡単に判断することはできないが、確かに生きていないとしても不思議ではないような気がしてこないわけではない。

さて、ロジャー・ストーン氏に対する逮捕事実は、大統領選挙の時にアサンジ氏がロシアが民主党にハッキングをかけて入手した情報を受け取っていることを知っていたのに議会で偽証したというものなのだが、FBIもそれなりに裏を取って満を持して逮捕に臨んだのだろうからアサンジ氏をどうするかも視野に入れていると考えていいはずだ。取引してアサンジ氏に証言させようと考える可能性もある。だとすれば、アサンジ氏が生きている可能性はやや上がったのではないかという気がする。生きているか死んでいるかくらいのことは、シークレットサービスは知っているだろう。トルコのサウジアラビアの領事館の中で何が起きたかもCIAは知っているのだから、アサンジがどうしているかも分かっているはずだ。





ロジャー・ストーンが逮捕された件

共和党の選挙参謀として知られるロジャー・ストーン氏がFBIにされた。私は日本人なので、いちいちアメリカの政局に付き合うつもりは特にないのだが、以前、historiajaponicaでロジャー・ストーン氏について書いたことがあって、突然そのページにアクセスが増えたので、一応、何が起きてるのか検索をかけてみたら、ロジャー・ストーンが偽証の罪で逮捕されていたのである。議会でロシアゲートについて追及された際、実際には多くの情報を得ていたのに、私は何も知らないとしらを切りとおしたことが今回の逮捕につながったらしい。アメリカの法務省のHPの声明文にもざっくりと目を通したが、他の証人に偽証するように説得した罪もあると書かれてあるので、日本風に言えば口裏合わせをしていたことになるし、本当だったら共謀の罪みたいなことにもなりかねない話になっている。

さて、ロジャー・ストーンは入り口に過ぎない。もちろん、かなり大きな入り口で、FBIの本丸はロシアゲートで現職の大統領をどこまで追求できるかということになっているはずだ。

ざっくりとFBIが現在描いている絵を私になりに推測してみたい。以下、念を押すが推測である。2016年の大統領選挙の年、ロシアの公的な機関が複数回、アメリカの民主党及びその関係者にハッキングをかけ、情報をwikileaksのジュリアン・アサンジに渡した。ロジャー・ストーンはそのことを知っていて、ドナルド・トランプにも話していた。また場合によってはロジャー・ストーンをハブにしてトランプとアサンジ、更にプーチンがつながっていた可能性もある。大統領には不逮捕特権があったはずだが、議会の弾劾には充分になる話である。ロジャー・ストーンが政治の世界に関わりを持ったのはリチャード・ニクソンが最初だったように思うが、二人の大統領を失脚させたロジャー・ストーンもただ者ではないよねえ…などとやや斜めな感想も持ってしまった。FBIの描いている絵の通りに物事が進んだら、トランプ氏は弾劾されて大統領の座を追われるか、ニクソンの時のように弾劾される前に自分から辞めるかのどちらかだ。まあ、多分、自分から辞めることになるのだろうけれど、史上二人目らしい。繰り返しになるが、その両方に関わっていたロジャー・ストーンは半端ない。

FBIも相当な自信を持って逮捕に踏み切ったのだろうし、CNNの動画を見たが、早朝の寝込みに彼の自宅を包囲していて、実にものものしかった。その映像をCNNに流すというのもなかなかの悪意があるが、FBIとしてはコミー長官の首を獲られた恨みもあって、相当な覚悟で臨んでいることだろう。トランプ大統領が登場したことで世界は変わるのではないかとも見られたが、結局は予算も通せずにメキシコとの壁ができる前に去る公算が高くなってきたとフェルミ推定したくなる雰囲気だ。米中貿易摩擦にも微妙な変化を与えるだろうし、大統領が変わればTPPの復帰の話も湧いて出るかも知れない。或いはペンスさんが大統領になるので、ハドソン研究所での演説通りにことを進めるのなら、米中関係はますます白熱するかも知れない。分からない。

以下は推測ではなく、私が想像力を逞しくして考えたことなのだが、シリアから手を引いたことでイスラエルに不安を与え、マティスにも見放されたりしたことで、トランプを守る人たちがいなくなったのかもしれない。クシュナーはかえって辛かったろうにとやや同情すらしたくなる。日本の首相はころころ変わるが大統領は最低でも四年やるし、多くの場合は八年やる。だがトランプ氏はあっという間にその時代が終わろうとしているようだ。ネットでいろいろ見た限りでは、トランプ大統領が嫌いなメディアの人々のややはしゃいでいる感じが印象深い。時代は更に次へと変わっていくことになりそうだ。やはりおもしろいだけのおじさんを大統領に選んだことのつけは大きかった(のかも)。

補足になるが、スノーデンがロシアで多分悠々自適に生きてるのと、アサンジがロンドンのエクアドル大使館で引きこもって生きていることの運命の違いも感じてしまう。ただ、話がここまで煮詰まってきた以上、アサンジ氏をやはり議会に呼ばなくてはいけないので、エクアドル大使館への包囲網は更に強まることになるかも知れない。





トランプ大統領は、もう限界かも知れない

ドナルド・トランプという人をどう評価するかはそれぞれの自由だが、シリア撤退で一機に風向きが変わったのではないかと私には思える。アメリカが有形無形にイスラエルを支えてきたことは周知の事実で、イスラエル支援は第二次世界大戦後の世界ではほとんどアメリカの国是と言えるほど明確なものであり続けた。

ドナルド・トランプ大統領には様々なスキャンダルが湧いて出て、いちいち確認するのも面倒なくらいで、個人的に彼のスキャンダルはどうでもいいと言えばどうでもいいことではあるが、様々な関係者が驚きあきれる中で、娘さんのイヴァンカさんとその旦那さんのクシュナーさんが絶対的な親イスラエルを貫いていることで、おそらく多くの人が「イスラエルを支え続けるのなら、少々のことは大目に見る」と考えていたはずなのだが、シリアから撤退するということは、中東から手を引くということであり、控えめに言ってイスラエルに関することも手を抜くという風に受け取ることができるだろう。というか、そういう風にしか見えない。

で、トランプ氏の本心は分からないものの、今後は中国を主敵にするのだとの観測がある一方で、中国・北朝鮮とは手を結ぶのか結ばないのかよく分からない駆け引きが続き、トランプ政権を支えるメンバーの交代が相次いでいるのは、そういうトランプ氏の動きについていけない人が大勢いるということも示している。特にマティス氏の国防長官辞任はかなりヤバい事態になっていると見るのが相当ではないかと思う。

イスラエルを支える意思がないのであれば、これだけ悪評の高い人物を大統領として支え続ける義理はないと多くの関係者が考えるようになれば、ドナルド・トランプ大統領は仕事を継続することができなくなるだろう。共和党としても自滅のシナリオみたいで歓迎はしたくないだろうが、FRBの利上げによる景気の減速はトランプ大統領の足を引っ張っているし、ロシアゲートも片付いていないだけでなく、下院では民主党が盛り返した。共和党内部でトランプ氏を支える理由はなくなりつつあるように見えるし、もはや一度は大統領の座に就いた身である本人も弾劾される前に早々に身を引いて勝ち逃げしようと考えるかも知れない。

トランプ相場も訳の分からないまま終わろうとしているし、はやりおもしろいだけのおじさんを大統領に選んだことの代償は大きかったのかも知れない。政権運営そのものが不可能になって自発的な辞任になるかも知れないし、次の大統領予備選挙で共和党の指名が獲れないということもあり得るし、共和党の指名が獲れても民主党の候補との戦いに敗れるかも知れない。今の段階では上に述べたどのシナリオも実現し得る。親イスラエルを貫かないおもしろいだけのおじさんは、共和党にとってももはや不要な存在になったのではないかと私には思える。トランプ政権っていったいなんだったんだろうと首をかしげる2019年初頭なのでした。









白山眞理著『報道写真と戦争』で学ぶ日本帝国の宣伝活動

日本帝国政府内閣に「情報部」なるものが設置されたのが昭和1937年9月だ。日中戦争と歩を同一にしており、日本帝国政府が当初から日中戦争を総力戦と位置付けていたことを根拠づける展開の一つだと言うことができる。情報部は一方に於いて内務省警保局から引き継いだ検閲の仕事をし、一方に於いては宣伝・プロパガンダの仕事をした。ナチスの宣伝省をモデルにしていたであろうことは論を待たない。

で、今回は検閲の方の話ではなく宣伝の方の話なのだが、当時の帝国の宣伝対象は大きく3種類に分類することができる。一つは帝国内地の臣民、もう一つは外地・植民地の人々、もう一つが諸外国だ。内閣情報部は帝国臣民に読ませるために『週報』を発行し、やがて『写真週報』を発行するようになるが、他に対外宣伝の目的で『FRONT』『NIPPON』などの雑誌を発行する。英語を含む複数の言語で発行されていたらしい。アメリカの『ライフ』誌をモデルにして発行したもので、これらの雑誌の発行を通じて「報道写真」という分野が対外宣伝のために確立されていく。

内閣情報部の対外宣伝写真がほしいという要請を受けて名取洋之助、木村伊平、土門拳などの著名な写真家たちが日本工房なる会社を銀座に設立し、実際に大陸に渡って写真を撮影して帰って来るようになるのである。白山眞理先生の『報道写真と戦争』は、彼ら写真家たちの戦争中の足跡を戦後に至るまで丹念に情報収集した画期的な研究書だ。

この著作を読んで見えて来ることは、「報道写真」とはそもそもヤラセだということだ。報道写真は記録写真とは全く違うものだ。記録写真は証拠として残すために撮影するものだが、報道写真は情報の受け手が感動する演出を施して、「これが真実だ」と伝達する役割を負っている。演出はするが芸術写真とも異なるというところが微妙で難しく、醍醐味のあるところだとも言える。私は以前新聞記者をしていたことがあって、この手の報道写真を撮影して歩く日々を送っていた。ヤラセなければデスクが納得する写真は撮影できないので、新聞の写真は大抵がヤラセだと思っていい。私は新聞記者がヤラセを日常的に行うことに疑問を感じたが、ヤラセが普通だったので私もそうするしかなかった。白山眞理先生の著作を読んで、この報道写真のルーツをようやく知ることができたと思い、私は長年の謎が一つ解けたような感動を覚えた。

もう一つ興味深いのは、戦争は確かに日本に於ける報道写真というヤラセ撮影の文化を生み出したが、それがアメリカの雑誌をモデルにしているということだ。日本兵の骸骨を机の上に於いてほほ笑んでいる少女の写真とか、硫黄島で星条旗を掲げるアメリカ兵の写真とか、ヤラセなければ撮影できるわけがない。マッカーサーも自己演出のために自発的にヤラセ写真をプレスに撮影させた。フィリピン奪還上陸の写真は自分がかっこよく見えるように撮り直しをさせたと言われているし、昭和天皇と並んで映った写真も、写真がもつ効果を熟知した上でやっていることだ。写真の技術が発達して報道に使用できるようになった時、ヤラセになることは明白な運命だったのだとすら言えるかも知れない。

もともと写真は高価な趣味で、明治時代は徳川慶喜のような元将軍クラスの人物でないと遊べなかった。昭和の初めごろになると誰でも記念写真を撮れる程度には写真は気軽な技術になったが、それでもフィルムと現像の費用を考えれば慎重を要する技術で、見るものを感激させる報道写真を撮影するためにはヤラセるしかなかったのだとも言えるだろう。しかし現代はスマートフォンの普及に伴い、誰でも無限に撮影と録音ができる時代が来た。プロのカメラマンが撮るよりも、現場に居合わせた素人が本物を撮影して報道機関に持ち込んだり、ネットに直接アップロードするのが普通な時代になった。過去、報道写真は時代を作るほどの影響力を持ち得たが、今後は通用しなくなりすたれていくのではないだろうか。



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