ヒラリーさんのメール問題でFBIは訴追しないことになった件

ヒラリーさんが土曜日にメール問題に関する疑惑でFBIの事情聴取を受けた件ですが、FBIのコミー長官が訴追しないと記者会見で発表し、これにて一件落着ということになりました。事情聴取があった時は、これはもしかすると…という気もしましたが、ヒラリーさんサイドとしては神の恩寵に感謝というところだと思います。メール問題は「極めて重大なミス」だとコミー長官は言っていますが、刑事罰を受けなければいけないようなことではないそうです。「政治的な判断ではない」とも述べています。

人によっては「コミーはオバマにFBIの長官にしてもらった男だから、オバマになんか言われたんじゃないのか」という勘ぐりをするかも知れません。そういうことがあってもおかしくはないですが、法治社会ですから、それでも訴追されない以上、ヒラリーさんは潔白だという前提で話を進めていかなくてはいけません。

政府部内にはヒラリー氏をなんとかして追い落としたいグループがいるとまことしやかに語られることもありますが、もしそういう人たちがいるとすれば、メール問題は最大の球だったはずですので、落胆しているに違いありません。次の球を仕込んでくるかどうかは我々には分かりませんが、大統領選挙は何があるかわかりませんので、じっと見ているしかないです。

これで民主党サイドは祝賀ムードになると思いますが、共和党サイドはがっかりモードに入っているはずです。トランプ氏やジュリアーニ氏が「そんなばかな」的な発信をしています。

ヒラリーさんは致命傷を回避することに成功し、この状態で終盤戦へと入っていくとすれば、お金もないし共和党をまとめきれていないトランプ氏が一方的に不利と言えます。

ヒラリー氏はさんざん危ないと言われてきましたが、バーニーサンダース氏の猛追を封じ、メール問題の危機から脱却し、今後、直接対決討論会で横綱相撲を見せる可能性もあります。やはりさすがです。本気を出したらすごいというところだと思います。オバマさんもサンダース氏と直接話すなど、援護射撃が効果を出しているように見えます。

もしこのまま、他に材料のないまま終盤戦へと入って行けば、カリフォルニアのような選挙人の数の多い州を押さえ、ヒラリー氏圧勝も視野に入ってくると思います。

ふと思うのは、これだけ手傷を負ったヒラリーさんが有利なのは、対戦相手がトランプ氏だからなので、たとえばマルコルビオさんだったり、ジェブブッシュさんのような人が共和党で指名されていたら、またちょっと違ったのではないか。ということです。そういう意味では、トランプ氏を選んでしまった時点で共和党のオウンゴールなのかも知れません。イギリスのEU離脱派だったボリスジョンソンさんやファラージさんが自ら退いていくという現象も、「やっぱり煽っている政治家っていざとなったら逃げるんだね」という印象を与え、煽りが得意なトランプ氏に間接的に打撃を与える気もします。

とはいえ、まだ分かりません。今年は特に何が起きるか分かりません。これからも見守りたいです。

ファラージ氏の手のひら返しになんじゃこりゃぁぁぁぁっな件

イギリス独立党のファラージ氏が党首辞任を表明したことは周知のことですので、詳しくは触れません。ファラージ氏のようなEU独立派が懸命に旗を振り、とうとう国民投票ではEU離脱に決まってしまいました。しかし、そこからどうも、離脱派が振るいません。というか脱兎状態になっているように見えなくもありません。

イギリス国民投票が行われた日の翌朝、Good Morning Britainというイギリスのテレビ番組にファラージ氏が出演した際、女性キャスターから「今後はEUに分担金を払わないことになったわけですよね」と質問され、ファラージ氏は「そうだ」と答えます。しかし、続いて女性キャスターが「その分NHS(イギリスの国民保健サービス)にお金が使われるということですよね」と女性が念押しするように質問すると、ファラージ氏は「いや。そんなことは私には保証できない。そのようなことを言ったこともない」と返します。生でこの番組をみていた人はここに来ての手のひら返しに椅子から落ちたのではないかと思います。

女性キャスター半分キレかけで「イギリス税金をNHSに使うというのは、離脱派が約束していたことではないのですか?」と突っ込むとファラージ氏は「それは有権者が誤解したのだ」と切り返します。なんじゃそりゃぁぁぁぁっと誰もが思ったに違いありません。

youtubeの動画をここに貼り付けてもいいかなぁとは思うのですが、もし著作権的な問題があると困るので、「Nigel Farage Good Morning Britain Brexit」というタイトルの動画をyoutubeで検索してもらえればすぐに見つかると思います。

離脱派の政治家たちが本当に離脱してしまって内心、まさかこんなことになるとは思わなかった…と思っているとすれば、国際連盟を離脱した時の日本政治家たちと同じ状態なのかも知れません。

ボリスジョンソン氏は党内の支持を集めきれないと判断し、更に言うと自分の手で離脱を進められないという判断もあって、首相候補から離脱。ファラージ氏は欧州議会の議員なので、この人もイギリス政治から離脱です。

ゴーブさんという人が次の首相やる気満々で、この人は粛々と(多分、強い意志を持って)EU離脱を進める模様とのことです。多くの人が「離脱派にペテンにかけられた~~~」と嘆く中でのゴーブさんの登場は、あるいは関係者の中でシナリオができていたとか…とふと思わなくもないです。推測です。欧州情勢は複雑怪奇です。

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ヒラリー氏がFBIの事情聴取を受けた件

ABCとCBSの報道に拠りますが、ヒラリー氏がメール問題でFBIの事情聴取を3時間以上にわたって受けたとのことです。国務省によるメール問題の報告書が出たり、最近ではベンガジ事件についてオバマ政権がメンツのために嘘の認識を話していた(ヒラリーさんは国務長官として責任を負う立場)という報告書が出たりで、この時期にこういうのを出してくるというのはヒラリーさんんを狙い撃ちしているように見えなくもありません。今回、とうとうFBIの事情聴取ということになりましたが、イギリスのEU離脱の騒ぎが大体収まったことを狙って、マスコミの注意がしっかりこの話題に向くようにと計算して時期を選んだような気がしなくもないです。

先日、『アメリカ大統領中盤戦。今後の注目点』で、ヒラリーさんについて

良識ある人ならこっちを選ぶでしょうという空気はもちろんあるために鼻一つリードしていると言っていいと思います。不安材料としてはメール問題で、司直の手が伸びるのではという観測もありましたが、今はあんまりアメリカのメディアは話題にはしていません。Brexitの方に意識が集中しているので、イギリスの国民投票の結果が出てから動きがあるかどうかを見守りたいです。

と述べ、動きを見守るつもりでしたが、そうなってきたといったところです。ヒラリーさんは今、トランプさんを引き離しつつあり、いよいよこれで決まりか?と言ったところで持ち上がった今回の事情聴取ですが、アメリカの有権者にどの程度影響するかが気になります。FBIから事情聴取を受けたといっても、起訴されたり有罪判決を受けるのとは全く重みが違います。飽くまでも任意の事情聴取です。もし、サンダースさんと選挙で戦っていたとすれば、ヒラリーさんはこれでもうアウトか….ともなり得ましたが、最近はトランプさんの勢いが目に見えて衰えているため、このことで簡単に形勢逆転するかどうか、軽々には判断ができません。

もしこれで終われば、打ち上げ花火みたいなもので、対した影響はないという可能性もあります。ただFBIが突っ込んで行けばわかりません。しばらくは世論調査の推移を見守りたいと思います。

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アメリカ大統領中盤戦。今後の注目点

ボリスジョンソン氏が保守党の次の党首にはならないと発表した件

BBCに拠ると、ボリスジョンソン氏が次の保守党の党首にはならないと発表したそうです。というか、本人がそう発言しているところをBBCが配信しているのでボリスジョンソン氏本人がそう言っています。

イギリスがEU離脱するかどうかは世界的な関心事で、私たち日本人も注目していましたが、ボリスジョンソン氏が次の保守党の党首になるかどうかとか、次の首相になるかどうかとか、関心を持っている人はあんまりいないと思います。私もボリスジョンソン氏ご本人に特に関心があるというわけではないです。

ただ、そんなことよりも、ボリスジョンソン氏がなぜ保守党の党首を目指さないことにしたのかというのは、イギリスのEU離脱事情を観察する上で考える価値のあることのように思います。

ボリスジョンソン氏はEU離脱派のリーダーで、国民投票になるまでさんざん離脱を煽って来た人です。しかし、実際に国民投票の結果が出てみると人々が動揺し、後悔の声が上がっていることは知られています。言い換えると「ボリスジョンソンに乗せられてえらいことになってしまった」と思っている人が多いため、党首になっても選挙に勝てない、かえって批判票が出やすいという判断が働いたように私には思えます。政治家は上を目指すのが基本です。首相になれる可能性があるのなら、目指したいはずです。しかしご本人の弁によると周囲と相談して決めたとのこですので、周囲から「やめたほうがいい。あなたでは選挙に勝てない」というような声があがり、ご本人もあまり傷が深くならないようにしたという感じがします。

国民投票そのものは法的拘束力がないそうです(なんじゃそりゃ!)。キャメロン首相は国民投票をやることが公約でしたので、その結果を尊重しないわけにもいきませんが、次の首相は知らぬ顔で通すことも法律的には可能です(民主主義の精神を無視することになりますので、誰が次の首相になっても、それをやる度胸のある人はいないでしょうけれど)。また、表面的にはEU離脱ということにし、EUと関税協定を結びなおすとかの方法で事実上何も変わらないと言う裏技も現状では模索されているものと考えることができます(EU側は「世の中そんなに甘くないですぜ」という対応をするでしょうけれど)。その際、ボリスジョンソン氏では裏技は使いにくいです。それまで煽って来ただけに、きっぱりと別れるという方向に事を運ばざるを得ません。そういう意味ではイギリスの国益的にも「ボリスジョンソン氏ではちょっと…」ということも言えそうです。

もしトランプ氏が大統領になって、ボリスジョンソン氏が首相になったら両者の首脳会談は見ものでしたが、そういうことにはならないようです。イギリス人が決めることですので、私がどうしたほうがいいとか言うことではないですが「おもしろい」首脳会談が見れなくなったのはちょっと惜しい気もします。

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ヒラリーさんの副大統領候補がだいたい決まったらしい件

ヒラリーさんの副大統領候補がエリザベスウォーレン上院議員でだいたい決まったらしいです。心理的な局面と選挙戦略的な局面からこれについて考えてみたいと思います。個人的にはヒラリーさんに勝ってほしいとも負けてほしいとも思っていません。試みの思考としてやってみたいと思います。

エリザベスウォーレンさんは民主党のリベラルの本流をいく感じの人のようです。消費者保護に熱心です。言うまでもないですが人種差別をはじめとするあらゆる差別に反対の人です。カルチュラルスタディーとは何かをがっちり理解している人というか、実践している人です。そのことはご本人の信念を貫いていけば、それでいいと思います。

分析したいのは、この時期にヒラリーさんがエリザベスウォーレンさんを副大統領として選んだのは何故か?ということです。簡単なことですが、1、ヒラリーさんがやりやすいと思う人 2、トランプさんに勝てる人という2つの要素が必要になります。同世代で政治信条も合うということであれば、同性のエリザベスウォーレンさんとはやりやすいと思います。それはそれでいいと思います。大問題はそれでトランプさんに勝てるかどうかということです。私はどちらになってほしいというのはありません。飽くまでも選挙戦略のケーススタディとして考えたいと思います。

ヒラリーさんほど現実的な人が、「友達だから、気が合うから、親友だから」などの理由だけで自分の副大統領候補を選ぶはずがありません。トランプさんに勝つためには誰がいいかということをよく吟味したに相違ありません。結論としてヒラリーさんが選んだのは民主党リベラル本流のエリザベスウォーレンさんだということになります。このコンビであれば女性票とマイノリティ票が期待できます。もうちょっと言うと、女性票とマイノリティ票は確実なのでアプローチする必要がありません。スピーチや現実的な政治運動では白人低所得者層にアプローチできます。白人低所得者層はトランプさんの支持層と被りますので、ここを切り崩すことができれば大きく差をつけて勝利できる可能性が出てきます。ヒラリーさんもウォーレンさんも白人ですので表だって白人層からの反発を受ける可能性は低いです。実によく考えられた人選だということが分かります。

トランプさんの弱いところは共和党の候補でありながら、共和党らしくないことをスピーチしてきたところではないかと思います。共和党保守本流がトランプさんの応援に二の足を踏んでいるらしいです。最近はヒラリーさんの表情に余裕が出てきましたので、数回行われる直接対決討論会ではヒラリーさんは自信満々で臨むことでしょう。一方のトランプさんは「おもしろいおじさん」キャラだけで通せるかどうか。或いは現実をよく見て新しい球を投げることができるかどうかが注目点です。FBIがヒラリーさんのメール問題を調査しているという噂もあり、国務省がこんな時期にレポートを出した以上、本気でやれば黒になる可能性もありますが、オバマ大統領がそこをなんとかするかも知れません。この辺りは噂と想像力で論じるしかありません。

今のところやはりヒラリー一歩リード。或いは大差でリードかも知れません。トランプさんのイギリスEU離脱の日にスコットランド訪問はまず確実にすべっています。普通に考えればヒラリーさんが勝ちます。後はトランプさんの投げる球次第です。

とはいえ、イギリスがEU離脱をする昨今、いつ何が起きるか分かりません。逐一見ながら判断し、自分の判断が間違っているかも知れないと思ったときは迅速に修正していくしかありません。

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イギリスのEU離脱による市場の混乱は早晩調整されるが、長期的にはじわっと響いてくる

イギリスのEU離脱により、月曜日は市場の混乱が見られ、あちこちでパニック売りに近い現象が見られましたが、東京が若干持ち直しており、今後は人々も冷静になって徐々に混乱は調整されていくと思います。

ではそれで安心かというと、そういうわけではなくて、数年かけてじわっと影響してくるはずです。ドイツはイギリスのEU離脱に対して冷たい視線を送っていますが、イギリスでは「まさか本当に離脱するとは思わなかった」「これからどうなるのか不安だ」「国民投票をやり直してほしい」という声が出ており、なんかちょっとよく分からないドタバタ的な綱引きが行われています。EU離脱を決めたら2年で離脱するということになっていたのが、イギリス側からは手続きには「6年かかる、いや7年だ」という声が出ており、おそらくは引き伸ばしたいという心理が働いているように思います。「2年後」とは正式表明から2年後で、今は国民投票の結果が出ただけですから、正式表明もなるべく引き伸ばして、時間稼ぎがしたいように見えます。首相が交代すれば国民投票の結果に縛られないということらしいので、本当にそうするかどうかはともかく、新首相が国民投票の結果はどこ吹く風とそ知らぬふりしてEUに留まり続けるという選択肢もないわけではありません。ただ、民主主義の根幹に関わってくる別の問題になってしまいます。

いずれにせよ、すぐに離脱するわけではなく、いわば黒田日銀総裁のマイナス金利導入と同じで、実はよく考えると短期的には何も変わらないということが分かってくるので、パニック売りされた分は徐々に調整され、落ち着きを取り戻すと思います。とはいえ、新規のイギリスへの投資は減り、流出は増えるため、工場やオフィスの移転などでじわっと影響してきます。大陸側も無傷ではなく、EUよりもイギリス市場を優先する企業もそれなりにいるはずですので、イギリスの存在によるスケールメリットは相当に損なわれます。

シティとフランクフルトの証券取引所の合併話は消えたわけではなく、今後は諸般の展開次第でこっちの話もはっきりしてくるとは思います。ニューヨークがいっちょかみしたいらしいという話もありますが、EUから抜けたイギリス、イギリスのいないEUに無理してまでいっちょかみしなくていいかということもあり得ます。そうすると現状は変わらないものの、起爆剤材料が少しずつそがれていき、やはりじわじわと沈んでいくイメージになりそうです。EUとイギリスだけの関係を見れば、どちらもじわじわ傷を受けるということですが、その他の要因が加わると、更に複雑になってきます。アメリカでは金利上げようかなどうしようかなという状態が続いてますが、今金利を上げればポンドユーロの値崩れ必至で、不安でやれないかもしれません。もしやったら更なる不安材料になります。数年のスパンということで言えば、安倍首相の次の首相の経済政策の見通しが立ちません(もちろん、今の段階で立つわけがないのですが…)。

中国の行方も絡んできます。中国の李克強首相はダボス会議で「ヨーロッパは今後も中国にとって重要なパートナー」だとスピーチしましたが、イギリスをステップにしてEU市場を狙うという戦略を考え直すことになると思います。ロイターによると中国のワイン市場が低迷段階に入っており、以前ならビンテージものが先を争うように買われていたのが最近は財布が固くなっているらしいとのことです。消費者が賢くなろうとしているのか、それともただの沈下なのかもう少し様子を見ないといけません。中国はこれからいろいろ剣が峰かも知れません。中国のヨーロッパへの投資がどういう展開になるのかは時々チェックしておきたいです。

やっぱり今年は凄い年です。大相場です。

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EU解体がわりと本気で語られている件

イギリスの国民投票がEU離脱に決まったことを受けて、ヨーロッパの他の国でも「国民投票をやるべきだ」という声が増えているらしいです。国民所得の比較的高い国では国民投票による離脱を望む人たちが増えている一方、新しくEUに入りたいという国もあって、そういう国は国民所得が比較的低いようです。金持ちはEUから逃げ出して、そうではない人が殺到してくるという構図が浮かび上がります。

EUの基本は関税同盟だとして、それにプラス移動の自由とユーロによる通貨の統合が盛り込まれています。これは見方によるかも知れないですが、巨大な市場に参加できるというメリットがある一方で、関税と金融と入国管理の自主権を失っていると考えることもできなくはありません。かつては夢のある話として語られていたEUが今となっては空中分解、解散、消滅、解体が本気で語られる事態に立ち至ってしまいました。

最近まで世界はグローバル化、フラット化の方向にあったように思いますが、最近になって自国中心主義へと反動が起きているようです。

それらのニュースに触れて、ふと思い出すのは第二次世界大戦前に流行したファシズムです。ファシズムといえばナチスドイツやイタリアのムッソリーニを連想しますが、当時はファシズムに将来性を見出す人たちもいて、イギリスにもファシスト党があったりしたそうです。ファシズムは国家社会主義ですが、どちらかと言えば国家主義の色彩が強く、おそらくは第一次世界大戦後に流行した国際協調主義への反動としてそのような思想が育ってきたのではないかと思います。現代の我々が想像すると結構怖いです。最近の動きとちょっと似ています。

かつて世界最大の帝国だったイギリスは第二次大戦後に次々と植民地を失い、現在の領土はグレートブリテン島と北アイルランドとプラス遠い海を隔てた小さなとかになっています。このままいけばイギリスが消滅するのではないかくらいの不安を感じる人もいるらしいです。スコットランドが独立したり、北アイルランドがアイルランドと統一したり、ウエールズもどうでしょう、みたいなことになれば、中世のイングランド、ヘンリー8世以前くらいまで戻ってしまうことになります。移民が増えても国家が消滅するとは限りませんが、不安を更に感じさせる材料になったようにも見えます。

ドイツのメルケル首相は「EUを離脱したいとか言ってる国はイギリスが今後どうなるかをよく見てから決めたほうがいい」という主旨の発言をしています。怖いです。いっちょしめるぞと言ってるみたいに聞こえます。主観です。エマニュエルトッドとか有名な人が「EUはドイツ帝国だ」と言うのもちょっと頷けます。EUそのものは結構夢のある理想を掲げていたと個人的には思うので、「ドイツの草刈り場だ」という風には思いたくないですが、本当はやっぱりそうかも知れないとも思います。

フランスが抜けるかどうかが鍵になります。もちろん、すぐにそうなるとかという話ではないですが、ルペンさんの人気も上々らしいので、具体的な政治日程として上がってきても不思議ではありません。というかイギリスがEUを抜けた時点で今後の世界は何が起きてもおかしくないし、トランプさんが大統領になっても意外でもなんでもない感じです。フランスが抜けたらEUは実際的に解体したのと同じになります。今年は見ているだけでもエネルギーを使うニュースが多いです。

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イギリスのEU離脱といろんな人の感情について

イギリスではEU離脱に賛成票を投じたことを後悔している人が結構いるそうです。まさか本当にEU離脱になるとは思っていなくて、残留派をびびらせてやろうくらいの軽い気持ちで離脱に票を入れてしまい「まさか本当に離脱することになるとは思わなかった」と焦っている人がいっぱいいるらしいです。もう一回住民投票をしてほしいという声もあるそうです。普通に考えて、もう一回はないだろうと思いますが、手続き的にもう一回やれるのならやってもいいかも知れません。

日本が国際連盟を脱退したときもクールダウンの期間が二年間与えられていて、その間、日本は律儀に分担金を払っています。二年もあれば気の迷いが晴れて落ち着いた気持で本当に残るか出ていくかを決心することができるだろうということです。日本は二年も冷却期間をもらっているのにそれでも脱退したのですから、本当に当時の指導者はどうかしていると私は思います。松岡洋祐はいろいろな意味で哀れです。本人は脱退するつもりがなかったのに脱退の責任者になってしいました。

ちょっと脱線しましたが、国際連盟にもクールダウン期間があったわけですから、EU離脱にクールダウン期間があっても全然いいと思います。もう一回やらせてほしいというのなら、やらせてあげていいと思います。もちろん、かっこ悪いです。前言撤回とか意思決定のやり直しとかかなりみっともないです。ですが、メンツを言っている場合ではありません。

そもそもEU離脱話は敢えていえば「ふわっとした民意」みたいなものです。その時々でふわふわ変わっていきます。民主主義ですから人々は投票結果に責任があります。それをころころ変えるとか、同じテーマで何度もやるというのは民主主義の仕組みとあまり合わないかも知れません。国民投票やり直しの前例ができると、今後「自分の意に沿わない結果が出たらやり直し大合戦」が繰り返されることになりかねません。そういうのは無理です。ということはこれで終了で、このまま粛々と離脱手続きが進められることになりそうな気配です。

EU加盟国の偉い人が6人並んで記者たちの前に姿を現し「離婚手続きは速やかに進めてほしい。その方がEUの将来像を描くことに集中できる」と声明しています。明らかに怒っています。投票前までヨーロッパ各地で「EUに残ってラブコール」みたいなメッセージがたくさん出されていたので、今はその反動がついているかも知れません。痴情のもつれみたいになっています。別れ話を切り出されてだったら今すぐ出て行け、こっちの方から願い下げだみたいな、売り言葉に買い言葉状態にも見えなくもありません。

多分、もともと、イギリスと大陸は相性がよくなかったのかも知れません。気のせいだとは思いますが、ロンドンの中継映像とEUの偉い人たちの会見の映像からは気候や風土みたいなものが随分違うように感じられます。気質も世界観も私たちの想像以上に違うのかも知れません。なので、だったらどうぞ、と大陸側の人も言いやすいのかも知れません。EUに入っているのにポンドを維持してきたことも、いつでも足抜けできるようにしているみたいで気に入らなかったのかも知れません。

今、ポンドはユーロに対してダダ下がりになっているらしいです。ユーロよりもポンドの受ける打撃が大きいとの観測が強いみたいです。ただ、短期的なものは投機マネーで上がったり下がったりするので、上げるだけ上げていきなり落としたりしてくることもあるので、短期的なこと、数日の動きだけでは何とも言えません。

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トランプ氏がスコットランドへ行った件

イギリスの国民投票の結果が出たその日、トランプ氏はスコットランドのご自身のゴルフリゾートへ行っておられました。ビジネスという建前ですが、もちろん、史上稀にみる大投票について微妙な場所で発言すればメディアが食いつくに違いないと考えてのことと思います。ただし、私個人としては選挙対策上、あまり好ましくないのではないかという気がします。私はトランプ氏に大統領になってほしいともなってほしくないとも思っていませんし、それについての意見はありませんが、この件について試みに考えてみたいと思います。

イギリスでEU離脱が盛り上がった背景には移民問題があります。変な言い方ですが、今は先進国で暮らせる人になれるかどうかの椅子取りゲームみたいになっていて、生活をかけた深刻な問題になっています。トランプ氏としては「イギリスはイギリスファースト、アメリカはアメリカファーストでOKだ」ということなのだいうメッセージを出したいのだと推量しますが、世界の市場が大混乱を迎えるこんな時期に外国に行っている人が「アメリカファースト」と呼びかけてアメリカ人の心に果たして響くだろうかという疑問が湧いてきます。国内で新しいゴルフリゾートを作ったならセーフです。フロリダでもカリフォルニアでもルイジアナでも好きなところに作ればいいです。「私はこのようにビジネスを通じて雇用を生み出している」と胸を張ればいいのです。トランプ現象とサンダース現象の背景には、アメリカ人の多くが将来に不安を感じているということがあります。今、先進国の人はみんな将来に不安を感じています。だから、たとえば今回のような大投票があるときはアメリカにいて、アメリカ人の利益をちゃんと考えているというフリだけでも見せなくてはいけません。

今回のスコットランド入りを見た人は、いざとなったら自分だけどっか安全なところへ行きそうな人だなぁと漠然と感じると思います。その逆はないです。イギリスに行ったとしてもキャメロンさんに会うとかならまだいいです。政治家としての存在感を示したくらいの評価はできます。しかし、大統領選がこれから大詰めに入ろうと言うときにビジネスをしている印象はよくありません。大統領になってからも片手間でビジネスしそうです。もともとそういう風に見えているので、決定的な印象を与えるようなことは避けなくてはいけません。

しかし、もうやってしまいました。今思えば、選挙スタッフの幹部が辞めるという経緯も「スコットランドに行く、行かない」でもめたのではないかという気さえしてきます。想像です。トランプ氏はテレビをよく知っている人だということで有名ですが、今回はちょっと狙いすぎて外したのではないかという気がします。

ヒラリークリントンさんは最近は少し調子がよさそうです。スピーチをする表情に余裕が見られます。サンダース氏とデッドヒートをしていた時は大声で景気よく、という感じのスピーチで、明らかに焦っていましたが、その山場をいったん抜けたからか、ゆっくりと落ち着いた声で話しています。前は「厚かましいおばさま」イメージが強かったですが、落ち着いて話す姿はさすがです。堂々としています。「インテリジェンスとウイットのあるおばさま」に見えます。ヒラリークリントンさんに勝ってほしいとかほしくないとかはありません。

ただ、情勢的にはトランプ氏はお金もないしメディア戦略も外してるし大事なスタッフは辞めてしまうしで、ゆっくりと黄信号が灯っているように見えなくもありません。6月の段階で勝負が決まってしまっては面白くありません。今後もおもしろい感じになってくれるように期待しています。

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イギリスのEU離脱が決まった件

今、6月24日午後2時過ぎです。イギリスのEU離脱がほぼ決まりのようです。BBCのHPを見たところ、離脱派は100万票以上の差をつけて勝利しています。グラフでは離脱派がちょうど過半数くらいです。残り票を分け合うとしても、離脱多数で決まりです。

YoutubeでBBCのライブを見ていますが、コメント欄は離脱派の勝利の凱歌で溢れかえっています。品の良くないコメントもあります。そういうコメントが書き込まれるのは世界中どこにでもあります。

先日、「イギリスはEU離脱しない」と予想しました。外しました。事前調査で残留派が僅差で有利、出口調査で残留派が4パーセントリードで、それでもやっぱり離脱派が勝つとは…。何故…どうして….。外して恥ずかしいです。自分に対して恥ずかしいです。神様と世間様に謝ります。すみませんでした。

心理的なショックで治りかけの風邪がひどくなってきました。軽く微熱も出ています。今日は夜間の学生に教えに行かなくてはいけません。個人的には寝込んだ方がいいのです。でも、こんなことが起きているのに寝込んでいられません。

BBCのYoutubeライブに拠りますが、スコットランドの独立派の人たちはさっそく、今後は独立の機会を伺うと表明しているそうです。キャメロン首相はスタンドアップコメディの主人公になった気分に違いありません。私は自分でブログに予想を書いて冷や汗をかく愚かなピエロです。

EUの終わりの始まり。エヴァンゲリオンで言えば新劇場版の二作目の最後の場面、赤城博士の「世界が終わるのよ」の台詞を聞いているような、ナウシカで言えばドルクの焦土作戦でオウムの大群が人の世界へ流れ込み、世界の終わりへと導かれていく場面を読んでいるような気分です。

偉そうに、いい気になって、「イギリスはEU離脱しない」とブログに書いた自分に対して「何様のつもりか」と問わなくてはいけません。これからもブログ続けたいので、続けるためにも今日は懺悔です。ごめんなさい。反省しています。

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