北方領土は帰って来ないと思うので、穏やかに返してもらう方法を考えてみた

北方領土を「Ghost in the shell方式」で穏やかに返してもらえないだろうか、と考えた動画です。




ジュリアン・アサンジ氏は今、どうしているのか

共和党の黒幕的人物であるロジャー・ストーン氏が逮捕されたことで、ロシアゲートがあるいは大きく動く可能性が出てきており、俄然、注目したくなるのがジュリアン・アサンジ氏だ。ロジャー・ストーン氏とは面識があるのではないかとの憶測は以前からあり、実際、ロジャー・ストーン氏は「アサンジ氏と食事したことがある」と発言した後、「あれはジョークだ」と訂正している。

アサンジ氏は近年、全く姿を見せておらず、現在もロンドンのエクアドル大使館に引きこもって生活しているはずだが、極端に言うと果たして生きているのかどうかということにすら疑問を抱かざるを得ないほど、全く何かをしている形跡を見せていない。今でもいるかどうかは分からないが、エクアドル大使館の周囲には支持者やファンがアサンジ氏が顔を出すのではないかと見守り続けて来たはずだし、英国の警察は24時間の監視を続けている。エクアドル大使館からもし一歩でも外へ出れば逮捕する構えを崩してはいない。

アサンジ氏は以前はインターネットを利用してエクアドル大使館の一室から動画の配信をしたり、ツイッターでつぶやいたりしており、ネット時代には引きこもっていても情報発信できるという彼らしい対抗策を続けていたが、そういう活動も行われなくなって久しい。エクアドル大使館の窓から顔を出すこともない。そのため、既に生きていないのではないかとの憶測も流れており、簡単に判断することはできないが、確かに生きていないとしても不思議ではないような気がしてこないわけではない。

さて、ロジャー・ストーン氏に対する逮捕事実は、大統領選挙の時にアサンジ氏がロシアが民主党にハッキングをかけて入手した情報を受け取っていることを知っていたのに議会で偽証したというものなのだが、FBIもそれなりに裏を取って満を持して逮捕に臨んだのだろうからアサンジ氏をどうするかも視野に入れていると考えていいはずだ。取引してアサンジ氏に証言させようと考える可能性もある。だとすれば、アサンジ氏が生きている可能性はやや上がったのではないかという気がする。生きているか死んでいるかくらいのことは、シークレットサービスは知っているだろう。トルコのサウジアラビアの領事館の中で何が起きたかもCIAは知っているのだから、アサンジがどうしているかも分かっているはずだ。




ロジャー・ストーンが逮捕された件

共和党の選挙参謀として知られるロジャー・ストーン氏がFBIにされた。私は日本人なので、いちいちアメリカの政局に付き合うつもりは特にないのだが、以前、historiajaponicaでロジャー・ストーン氏について書いたことがあって、突然そのページにアクセスが増えたので、一応、何が起きてるのか検索をかけてみたら、ロジャー・ストーンが偽証の罪で逮捕されていたのである。議会でロシアゲートについて追及された際、実際には多くの情報を得ていたのに、私は何も知らないとしらを切りとおしたことが今回の逮捕につながったらしい。アメリカの法務省のHPの声明文にもざっくりと目を通したが、他の証人に偽証するように説得した罪もあると書かれてあるので、日本風に言えば口裏合わせをしていたことになるし、本当だったら共謀の罪みたいなことにもなりかねない話になっている。

さて、ロジャー・ストーンは入り口に過ぎない。もちろん、かなり大きな入り口で、FBIの本丸はロシアゲートで現職の大統領をどこまで追求できるかということになっているはずだ。

ざっくりとFBIが現在描いている絵を私になりに推測してみたい。以下、念を押すが推測である。2016年の大統領選挙の年、ロシアの公的な機関が複数回、アメリカの民主党及びその関係者にハッキングをかけ、情報をwikileaksのジュリアン・アサンジに渡した。ロジャー・ストーンはそのことを知っていて、ドナルド・トランプにも話していた。また場合によってはロジャー・ストーンをハブにしてトランプとアサンジ、更にプーチンがつながっていた可能性もある。大統領には不逮捕特権があったはずだが、議会の弾劾には充分になる話である。ロジャー・ストーンが政治の世界に関わりを持ったのはリチャード・ニクソンが最初だったように思うが、二人の大統領を失脚させたロジャー・ストーンもただ者ではないよねえ…などとやや斜めな感想も持ってしまった。FBIの描いている絵の通りに物事が進んだら、トランプ氏は弾劾されて大統領の座を追われるか、ニクソンの時のように弾劾される前に自分から辞めるかのどちらかだ。まあ、多分、自分から辞めることになるのだろうけれど、史上二人目らしい。繰り返しになるが、その両方に関わっていたロジャー・ストーンは半端ない。

FBIも相当な自信を持って逮捕に踏み切ったのだろうし、CNNの動画を見たが、早朝の寝込みに彼の自宅を包囲していて、実にものものしかった。その映像をCNNに流すというのもなかなかの悪意があるが、FBIとしてはコミー長官の首を獲られた恨みもあって、相当な覚悟で臨んでいることだろう。トランプ大統領が登場したことで世界は変わるのではないかとも見られたが、結局は予算も通せずにメキシコとの壁ができる前に去る公算が高くなってきたとフェルミ推定したくなる雰囲気だ。米中貿易摩擦にも微妙な変化を与えるだろうし、大統領が変わればTPPの復帰の話も湧いて出るかも知れない。或いはペンスさんが大統領になるので、ハドソン研究所での演説通りにことを進めるのなら、米中関係はますます白熱するかも知れない。分からない。

以下は推測ではなく、私が想像力を逞しくして考えたことなのだが、シリアから手を引いたことでイスラエルに不安を与え、マティスにも見放されたりしたことで、トランプを守る人たちがいなくなったのかもしれない。クシュナーはかえって辛かったろうにとやや同情すらしたくなる。日本の首相はころころ変わるが大統領は最低でも四年やるし、多くの場合は八年やる。だがトランプ氏はあっという間にその時代が終わろうとしているようだ。ネットでいろいろ見た限りでは、トランプ大統領が嫌いなメディアの人々のややはしゃいでいる感じが印象深い。時代は更に次へと変わっていくことになりそうだ。やはりおもしろいだけのおじさんを大統領に選んだことのつけは大きかった(のかも)。

補足になるが、スノーデンがロシアで多分悠々自適に生きてるのと、アサンジがロンドンのエクアドル大使館で引きこもって生きていることの運命の違いも感じてしまう。ただ、話がここまで煮詰まってきた以上、アサンジ氏をやはり議会に呼ばなくてはいけないので、エクアドル大使館への包囲網は更に強まることになるかも知れない。





2019年、中国経済は旧正月明けに注目

たとえば日本のバブル崩壊がお正月休み明けにあったのが分かりやすい例ですが、中国の場合は似たような現象が旧正月明けに起きやすく、そろそろ注目かなと思っています。お正月休暇の時期に入るとみんな少し休んで心理的に余裕が出ますから、さて、今後どうしようかと考えることになるわけですが、中華圏の場合はそれが旧正月ということになり、親戚一同集まりますから、資産形成の話題ものぼるわけです。たとえば息子さんがそろそろ大学に進学するような年齢になるということになれば、資産を売却して息子さんの留学費用を捻出する、みたいな話題にもなるはずです。特に中華圏の少子高齢かはすさまじい速度で進んでいますので、息子さんや娘さんへの投資が半端ではなく、子どもの留学のためなら今まで土地バブルなんかで得た含み益確定売りみたいなことは充分に起きるというか、バンバン起きると思ってちょうどいいと思います。

米中貿易摩擦がどうしたとか、中国の貿易統計が目に見えて現象しているとか、下げ材料もたっぷりあるわけで、今年の旧正月明けは何が起きるかちょっと注目と考えています。そうは言っても株でも土地でも急落防止のためにいろいろな手も打たれて行きますし、良いか悪いかは別にして共産圏だと議会を通さずにばんばんを手を打っていくこともできるわけですから、旧正月にわらわらと崩壊していくみたいなことはちょっと考えにくいことも忘れるわけにはいきません。

もちろん、上げ材料もあります。減税に金融緩和をやれるだけやっていく方針らしいと聞いてますから、手短かに話を省略して言うと、日本のリフレ派がやるべしと主張していることを、中国ではバンバンやっていくことになりそうだし、日本のリフレ派の主張を勉強しているのではないかと思うほど、そういう手の打ち方をしているように思えます。

で、結論としては下げ材料がどかっとある中、上げ材料もなくはないという状態で、旧正月明けでどういう動きが見られるかに注目かなあと思います。ここまで下げ材料が揃っている中、踏みとどまるか、ある程度、崩壊現象が起きるか、みたいなところでしょうか。

何年か前に上海総合指数が急上昇してばんっとバブル崩壊みたいな状態が起き、その時も「お、中国崩壊か」みたいな話がばーっと出回りましたが、話はそこまで単純ではありません。ま、いずれにせよどうなるか、ちょっと見て行きたいなあと思っています。香港、台北、シンガポールも連動しますんで、その辺りも含んで見て行く感じになると思います。









【中国】2049年までに台湾と統一‐武力行使も辞さない‐ということは、当面は何もない

2019年に入り、中国の習近平氏が2049年までに台湾と統一することを目標にすると述べたことは、表面的な強気な発言だけに注目した場合、中国の強い意志の表明のように見えなくもないのですが、ちょっとよく考えてみると、2049年まであと30年あるわけです。ということは、当面は統一するために無理はしないと発言しているように思えなくもありません。「3年以内」とかだと驚きますが、30年以内ですから一世代未来のことですね。

昨年あたりは2020年中国台湾に武力侵攻説みたいなネット伝説的噂が広がったことがあって、「わー、本当だったら具体的に着々と進んでいる」と思ったこともありますが、2049年まで余裕のある目標設定がなされている以上、2020年武力侵攻説は、まずなさそうな感じです。

ではなぜ、習近平氏がわざわざ30年未来の目標について発言したのだろうかと考えてみると、取り敢えず年頭に何か強気なことを言わなければいけないんだけど、何を言おうかなあ、あ、そうだ、30年以内に台湾と統一ってことでどうかな。と思ったんじゃないかなと思います。

私は30年後に生きている自信はないので、ぶっちゃけ自分が死んだ後のことはどうでもいいのですが、習近平氏も多分、30年後に目標設定したことで、当面は何もしなくていいやーと思っているような気がします。私が誤った理解をしていたら謝ります。すみません。

2049年は中華人民共和国建国100年ですから、きりもちょうどよく、すっと聴衆に受け入れられやすいのではとも思いますが、「30年以内」と「2049年まで」では、聞いた瞬間の印象が異なります。そのあたりの細部の計算はさすがだなあと思わなくもないですね。









平成がどんな時代だったかと振り返ってみると、小沢一郎さんの時代だったような気がする

平成という時代が始まった時、日本は史上最もいい時代を迎えていて、平成元禄という言葉が使われたりしました。この時、首相は竹下登さんで官房長官が小渕恵三さん、小沢一郎さんは官房副長官でした。辣腕と言われ、頭が良くて度胸が良くて顔が怖くて能力がある、要するに尋常ではない人物と評されていたわけで、田中角栄さんが「平時の羽田、乱世の小沢、大乱世の梶山」と評したそうです。今思うと、羽田孜さんが凡人で、小沢一郎さんが陰謀家、梶山さんは何をやるかわからないやたけたな人物だ、みたいな意味だったようにも思えます。

竹下登さんがリクルート事件で失脚した後は、竹下・金丸・小沢ラインと呼ばれる権力構造の中で、竹下さんの傀儡の政治家を小沢さんが操り人形にして首相するみたいなことが起きます。かつぐ神輿は軽いのがいいみたいなことを小沢さんが発言したのも、このころだったと思います。そう表現された海部さんは屈辱的だったのではないかと想像します。

小沢さんは首相指名権を事実上握るぐらいのところまでの実力者になり、なんとか指名を勝ち取りたい宮澤喜一さんから「大幹事長」と持ち上げられます。スーパーエリートの宮沢さんが平伏した時が、今から思えばあの人の一番の花だったのかも知れません。竹下さんと金丸さんは小沢一郎さんを首相に選ぼうと説得したこともあったのですが、小沢さんは絶対にやらないと固辞しました。自分が首相を傀儡にしているので、そんな風な首相に自分はなりたくない、自分は本格政権を作るんだと強い意志を持っていたのではないかなと想像します。

宮澤喜一さんはお気の毒だったと思うのですが、宮沢政権期に政治改革が議論され、政治改革が選挙制度に矮小化され、宮沢さんはテレビで「やる」と言って現場に裏切られて「嘘つき」と言われ、それを口実に小沢さんとその仲間が造反勢力になって、内閣不信任案の賛成に回り、宮沢内閣不信任が決議されてしまいます。今振り返ってみれば、小沢さんと竹下さんの感情的なもつれが要因だったようです。政治的な抗争という意味では竹下さんの方が小沢さんより上手で、衆議院竹下派は小沢系と非小沢系で二分されたものの、双方の紳士協定で参議院には手を突っ込まないと合意していたにもかかわらず、竹下さんが参議院を取り込んで、竹下派内の抗争は竹下さんの勝ちでゲームが進みました。

しかし一方で政権は自民党を飛び出した小沢さんが非自民を糾合して細川護熙内閣を作り上げます。羽田首班内閣でいくのかと思っていたら細川首班だったため、当時は大きな驚きが広がりました。宮沢政権不信任決議を受けて行われた解散総選挙で自民党は実は議席を増やしていましたが、小沢さんが引き抜いた人たちの分を補うことができず、自民党結党以来初めての非自民政権が生まれたわけです。野合とも言われましたが、時代が変わったと思って私は大きく影響を受けてしまい、しばらくは小沢さんの熱心なファンでした。政治のニュースも「小沢出せ、小沢」と思って観ていました。

ただ、細川さんが途中で嫌になって辞めてしまい、羽田首班で乗り切ろうとしたものの社会党外しが裏目に出て羽田内閣総辞職、改めての首班指名ではあろうことか自民社会連立政権が誕生し、小沢さんは野党へ。新進党を作ってみたり、壊してみたり、自由党を作って自自公連立みたいなこともやりましたが、やっぱり途中でダメになるを繰り返します。

よく見てみると小沢一郎さんと協力した政治家はみんな途中でダメになっていってしまいます。細川さんは政治の世界からドロップアウトして趣味人になってしまいましたし、羽田さんも半端に首相を辞めてしまうことになり、小沢さんと組んで政権を作った小渕さんも倒れてしまいました。他にも小沢さんと協力関係を結んでダメになっていった人を数えるときりがないですし、数えるだけ辛くなるので、ここではこれ以上は踏み込みません。

自民党には小沢アレルギーと呼ばれる現象が起き、絶対に非小沢の政党になったわけですが、野党でも非小沢の動きが生まれ、非自民小沢抜きの民主党が作られます。小沢さんの自由党は選挙の度に順調に議席を伸ばしますが、自民の力は堅調で、民主党が自由党に追い詰められると言う現象が起き、民主党の方が折れる形で小沢自由党と合流、小沢党首で新民主党が活動します。小沢さんという人の人生の浮き沈みの激しさ、周囲を振り回すやたらとでかい引力、関わった人間が次々とダメになっていくという不思議な力に私は驚愕もしますし、魅力も感じますし、でも、やっぱり限界も見えてしまいます。関わった人が次々とダメになるということは、小沢さんが周囲に無理をかけまくり圧迫しまくる人物だということを示しているのではないかと思います。みんな疲れて倒れていってしまうのです。そして途中で気づいた人たちは離れて行ってしまいます。

小沢さんの政策に関する考えには一貫性がなく矛盾だらけで、突き詰めるとやたらと派手な政局屋さんでした。今年の参議院選挙が小沢さんの最後の正念場みたいに言われています。もう一勝負するらしいです。私は一時、かなり小沢さんに注目していましたが、一、小沢ウオッチャーとしても疲れてしまいました。それでも過去三十年、小沢一郎さんを中心に政局が回っていた時期が相当あったというのは確かです。平成の始まりのころに注目を集め出し、平成の終わりとともに活躍を終えようとする小沢一郎さんが平成の主役の一人だったと言っていいと思いますし、やや誇大な表現かも知れませんが、平成は小沢一郎の時代だったと言っても言い過ぎではないように思います。








イギリスで今起きているのは、民主主義と功利主義の板挟み

イギリスのEU離脱に関する離脱案が議会で与党の大量の造反を伴う形で否決されたことは、メイ首相を国民投票の結果を実現するという民主主義の本質に関わる問題と、本当に離脱していいのだろうかという不安の板挟みに追い込んでいるように見える。

イギリスでは功利主義と呼ばれる哲学というか思考体形のようなものが発達した。ヨーロッパで神の存在証明とか、神が存在するとして神の意思に沿う行動は何かなどの抽象的で役に立たない哲学が発展していった中で、そんなことはどうでもいいので実際に人間の役に立つことを考えよう、目の前にある問題を解決しようとする思考体形、思考パターンのようなものだ。これは産業革命という大きな副産物を生み、世界を変えることになった。

やや乱暴な議論になるかも知れないが、アダム・スミスが神の見えざる手によって導かれて市場が形成されるので、自由放任でいいのだという議論は、民主主義の本質にも当てはまるように私は思う。民主主義もまた、個々人の自由な意思表示が結果として最適解へとたどり着くことができるはずという人間への希望を土台にしているように思えるからだ。もちろん民主主義には責任が伴う。主権在民とは責任も民にあるということだ。

で、イギリスでは今、二つの相矛盾する民主主義のプロセスが進んでいる。一つはブレグジットに関わる国民投票の結果であり、もう一つは議会の意思決定だ。議会もまた民主主義を実現する場所であり、国民投票の結果と議会の意思決定が矛盾してしまうと、身動きが取れなくなる。

このようにこの期に及んで議会が及び腰になったのには、そもそものブレグジットの議論が、残るのがお得か、出て行くのがお得かという金額の勘定に焦点が絞られてしまったことにある。要するに残るのと出て行くのとどちらが功利主義的なのかという思考体形の中で問題が矮小化され、お金のことだけが話題になってしまった。様々なメディアや専門家が計算し、拠出金を出さなくていいから〇〇ポンドぐらいお得になる。みたいな話で溢れた。もしも短期的なお金だけの問題を議論するならお安い方がいいに決まっている。ボリスジョンソンのような政治家はそのように言い立てて国民を大いに煽ったと言うことができるだろう。人々は悩みに悩み抜いた結果、出て行った方がややお得という理由が僅差で離脱に賛成という形で表されることになった。

イギリス人が後悔し始めたのは、投票結果が出た翌日からのことだ。欧州議会のイギリス人の議員がとあるテレビ番組に出演していた。彼は離脱派として鳴らし、ボリスジョンソンと一緒になって離脱をアジテートとしていた人物だった。テレビのキャスターが彼に「これでEUに支払うお金が国民の福祉に回されるということでいいのか」と質問したのに対し、彼はあっさりと「そうとは言えない」と言ってしまったのだ。その時の女性キャスターの固まった表情を私は今もよく覚えている。彼の発言そのものは意味が通っており「EUに支払うお金をちゃんと国民の福祉に回るように予算を組まなくてはいけない」という話ではあるのだが、一発目の返答が「そうとは言えない」に、彼の本音が出ていたのではなかろうかと思う。離脱派は本当に離脱することになってびびってしまったのだ。当該の議員は時を経ずして引退を表明した。ボリスジョンソンはメイ首相に外務大臣に氏名されたが彼は敵前逃亡した。

自信満々で離脱を煽っていた人々が敵前逃亡する姿をみて、人々は驚愕した。自分たちはアジテーターに騙されていたのではないかと考え始めたのだ。ここまで来ると、果たして離脱と残留のどちらがお得なのかも判断がつかない決心できない心理状況に追い込まれていると言うこともできるかも知れない。短期的な金銭を考えると、離脱した方がお得かも知れない。また、長期的なヨーロッパの衰退の可能性を考えると、やっぱり沈んでいく船から逃げ出すのがお得と言えるかも知れない。しかし一方でEUはお金で計算できない価値を持っていることも否定できないだろう。互助の精神、平和の維持、一体感と友愛、関税同盟という目に見える形の経済的恩恵もある。このように突き詰めて行けば、どちらがお得なのかは判断できなくなるだろうし、そもそもEUは損得勘定だけで成立しているわけではなく、違った価値観も含んでいる連合体だということも忘れてはならない。

まあ、もう、ここまで来れば私だったら疲れて政権を投げ出してしまうと思うが、メイ首相はまだがんばっている。日本とイギリスの民主主義の違いを語れるほど私は立派な人間ではないが、これがもし日本で起きていることなら衆議院解散をやって白黒つけるのがいいのではないかと思う。間接民主主義を直接民主主義よりもやや優先するのが立憲君主制の意思決定に沿うように思えるからだ。そして多分、議会選挙で離脱か残留かを争点にした場合、残留派が勝つだろう。そしてイギリスのEU離脱という話はお流れになるかも知れない。









2019年の政治の見どころは、衆参同日選挙の有無

このところ、安倍晋三首相に揺れを感じます。焦っているように見えるのです。安部さんの究極の目標は憲法改正で、憲政史上稀な長期政権を打ち立てて尚憲法改正ができていないわけですから、もし安倍さんが憲法改正できなければ、私が生きている間に憲法改正が行われることはないと思います。私は今の憲法が自主憲法ではないとは思っていますが、内容はなかなかいいことを書いてあると思っているので、正直に言うと憲法改正がされるかどうかには関心がありません。自衛隊は憲法に明記されていませんが、自衛隊が生まれたのはアメリカの要請があったからで、自衛隊にいろいろな制約がかかっているのも、そういう国際政治上の要請によるものですから、ぶっちゃけ憲法とは関係ないと思っています。仮に憲法に自衛隊が明記されることがあっても、国際政治上の要請から制約がかかるでしょうから、同じと言えば同じなのです。また、今の憲法はそれくらい解釈に幅を持たせることができる憲法だと考えることもできますから、解釈に幅を持たせることができるくらいでちょうどいいのではないかとも思うのです。例えば大正時代から太平洋戦争にかけての時代、「内閣が軍に口出しするのは憲法違反だ」という論法がまかり通るようになり、小さなことでも憲法違反だ、統帥権干犯だと騒ぎ立てて問題にされてしまうようになったことが、結果としては誰もが口をつぐんでアメリカとの戦争まで突入してしまったわけです。ですから、あまり些細なことで騒ぎ立てるのは少なくとも政治とか憲法とかについて考える際にはなるべく避けた方がいい、コップの中で嵐を起こしてコップが壊れたら元も子もないと思っています。

とはいえ、政局はおもしろいので気になります。選挙では苦労する人がたくさんいますから、外野でおもしろがるのはまことに申し訳ないとは思うのですが、やっぱり政局に対しては純粋に興味津々になってしまいます。私は野球を観ないのですが、野球を観るのが好きな人が今年はどこが優勝するかについて喧々諤々するのと同じような感覚です。

で、安倍さんは自分の政治目標を達成するためには、残りの任期中に与党3分の2以上を維持した状態で、与党全体を説得し、国民投票に持ち込みたいに決まっています。できるかどうかは分かりません。私個人に賛成も反対もないです。いずれにせよ、そういうわけで3分の2以上を維持するためには今年の参議院選挙で勝たなくてはいけないわけです。あと半年ですから、すぐに夏の選挙の到来です。小沢一郎さんが人生最後の勝負をかけて野党の糾合を進めています(これを野合と呼ぶかどうかは、それぞれの価値観の問題でしょうね)。安倍さんとしては今回だけは小沢さんに敗けるわけにはいきません。そうなると、中曽根さんの時のように、死んだふり衆参W選挙で圧勝パターンを狙うことは充分に考えられます。もし私だったら、人生をかけた大目標を達成するような場面が来た時、できることは全てやりますから、安倍さんもできることは全てやるはずです。衆参同日選挙になると、政権選択プレッシャーが有権者にかかってくるのでついつい自民党に票が集まりやすくなると言われています。もし安倍さんの立場なら今年やらなければいつやるのかという感じではないでしょうか。

しかし、衆参同日選挙の時に支持率ががたっと落ちてしまうようなことがあると、両方敗けて政権を失うという大きな賭けにもなるわけですから、なんとかして支持率を上げたいという焦りがあの手この手を打っている安倍さんの姿から見えて来るような気がします。ロシアのプーチン大統領と平和条約を結んで二島返還みたいなことが起きればぐぐっと支持率が上がるかも知れないという心境にもなるでしょうし、昨年末から急に不景気になってきましたから、景気対策を打ちたい、できれば消費税の引き上げを更に引き延ばしにしたら支持率上がるだろうか。というような心情も見えてくるように思えるのです。

個人的には消費税は上げないでほしい、できることなら下げてほしい、はっきり言うと廃止してほしいと思っているタイプなので、憲法改正には関心はないですが、安倍首相が消費税引き下げを公約に衆参同日選挙をやってほしいなあと思います。

いずれにせよ、以上のような理由で今年は衆参同日選挙の可能性は充分にあると踏んでウオッチしたいと思います。








トランプ大統領は、もう限界かも知れない

ドナルド・トランプという人をどう評価するかはそれぞれの自由だが、シリア撤退で一機に風向きが変わったのではないかと私には思える。アメリカが有形無形にイスラエルを支えてきたことは周知の事実で、イスラエル支援は第二次世界大戦後の世界ではほとんどアメリカの国是と言えるほど明確なものであり続けた。

ドナルド・トランプ大統領には様々なスキャンダルが湧いて出て、いちいち確認するのも面倒なくらいで、個人的に彼のスキャンダルはどうでもいいと言えばどうでもいいことではあるが、様々な関係者が驚きあきれる中で、娘さんのイヴァンカさんとその旦那さんのクシュナーさんが絶対的な親イスラエルを貫いていることで、おそらく多くの人が「イスラエルを支え続けるのなら、少々のことは大目に見る」と考えていたはずなのだが、シリアから撤退するということは、中東から手を引くということであり、控えめに言ってイスラエルに関することも手を抜くという風に受け取ることができるだろう。というか、そういう風にしか見えない。

で、トランプ氏の本心は分からないものの、今後は中国を主敵にするのだとの観測がある一方で、中国・北朝鮮とは手を結ぶのか結ばないのかよく分からない駆け引きが続き、トランプ政権を支えるメンバーの交代が相次いでいるのは、そういうトランプ氏の動きについていけない人が大勢いるということも示している。特にマティス氏の国防長官辞任はかなりヤバい事態になっていると見るのが相当ではないかと思う。

イスラエルを支える意思がないのであれば、これだけ悪評の高い人物を大統領として支え続ける義理はないと多くの関係者が考えるようになれば、ドナルド・トランプ大統領は仕事を継続することができなくなるだろう。共和党としても自滅のシナリオみたいで歓迎はしたくないだろうが、FRBの利上げによる景気の減速はトランプ大統領の足を引っ張っているし、ロシアゲートも片付いていないだけでなく、下院では民主党が盛り返した。共和党内部でトランプ氏を支える理由はなくなりつつあるように見えるし、もはや一度は大統領の座に就いた身である本人も弾劾される前に早々に身を引いて勝ち逃げしようと考えるかも知れない。

トランプ相場も訳の分からないまま終わろうとしているし、はやりおもしろいだけのおじさんを大統領に選んだことの代償は大きかったのかも知れない。政権運営そのものが不可能になって自発的な辞任になるかも知れないし、次の大統領予備選挙で共和党の指名が獲れないということもあり得るし、共和党の指名が獲れても民主党の候補との戦いに敗れるかも知れない。今の段階では上に述べたどのシナリオも実現し得る。親イスラエルを貫かないおもしろいだけのおじさんは、共和党にとってももはや不要な存在になったのではないかと私には思える。トランプ政権っていったいなんだったんだろうと首をかしげる2019年初頭なのでした。