西山厚『語りだす奈良 118の物語』碩学による優しい奈良の話。古の人の心

奈良の歴史と風物に関する優しい文体のエッセイ集です。

西山厚さんという方は、この本の奥付の紹介によりますと奈良国立博物館の学芸部長をされた後、現在は帝塚山大学の教授をなさっていらっしゃる先生です。『語りだす奈良』は西山さんが毎日新聞の奈良県版に奈良の風物詩と歴史に関することを連載したコラムをまとめて加筆修正したものです。

折々の奈良の行事や社会的なできごとと絡めつつ、奈良時代の歴史のお話が書かれています。優しいおだやかな文章で、肩がこらず、読み進めるとなぜかほっとしてきます。

奈良時代の主役といえば、ぱっと思い浮かぶのは大仏様を建立した聖武天皇です。聖武天皇に関わるエピソードもたくさん挿入されています。光明皇后のお話しもいろいろ挿入されています。聖武天皇と光明皇后の間に男の子が生まれましたが、体が弱く一年も経たずに亡くなってしまいます。聖武天皇と光明皇后は仏教への信心を深めていきます。美少年で知られる阿修羅像は光明皇后が亡くなった息子さんのことを偲ぶために作らせたものです。親子の情が語られます。普通の人の人生と重なり合います。

光明皇后はある日、お風呂を設けて汚い人を洗いなさいとの天の声を聴きます。お風呂を設けると汚い男がやってきます。汚いなあと思ったけど天の声に従ってきれいに洗ってあげます。実はその人は如来様で空へ消えていきます。ある日、全身膿だらけの人がきます。嫌だなあと思ったけど口で膿を吸い出してあげます。その人も如来様でどこかへ消えていきます。

なんかの話と似ています。千と千尋にそっくりです。宮崎駿さんのような博学な人が光明皇后の話を知らないわけがありません。おー、千と千尋のオリジナルは光明皇后だったのかと驚きと感動が読み手の内面に生まれます。よくよく考えてみると、ナウシカの原作でもトルメキアの兵士の喉に溜まった血をナウシカが口で吸いだします。突き詰めるとそのモデルは光明皇后だったのかと分かれば感動します。

男にとって女性は偉大です。女性が愛の力を発揮すると崇高なことも偉大なこともできるのだと、その愛にすがることもまた信仰なのかも知れないなぁと私は『語りだす奈良』を読んで思った次第です。

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ガンダム劇場版『めぐりあい宇宙』のシャアの限界

ガンダム劇場版『めぐりあい宇宙』はそれまでの劇場版第一部、その続きの『哀戦士』編までの物語の一旦の終局へ向かって行く重厚かつ特に重要な一編です。

ホワイトベースのクルーが誰と誰が付き合いそうかという「あいのり」風状態になっている一方で、シャアはララァという恋人を確実ゲット。階級は大佐でフラナガン博士も囲い込み、キシリアもめろめろにさせています。

『めぐりあい宇宙』の重要なテーマは人の覚醒で、その代表選手がアムロ、次にセイラ、そしてミライになりますが、実は外せないテーマとしてシャアの限界というものがあるように思います。

冒頭、宇宙に出たばかりのホワイトベースをザンジバルで追撃しようとするシャアは同空域内でパトロール中のドレン大尉に支援を求めます。位置的にドレン大尉の方が早くホワイトベースと接触します。ドレン大尉がシャアに「間に合いますか」と質問すると、シャアは「私を誰だと思ってるんだ?」と余裕しゃくしゃくの返答をしたのに間に合いません。ザンジバルがホワイトベースに接触する30秒前にドレン大尉の艦隊は全滅。シャアはさくっとサイド6へ方向転換します。

サイド6ではコンスコン隊が包囲し、ホワイトベースの出航を待ちかまえます。シャアもサイド6にいるのですが、どこ吹く風とララァと二人でテレビで戦闘の推移を見守ります。冷徹と言えば冷徹ですが、ガンダムを倒すためのチャンスをみすみす逃すという意味では何かがしっくりおさまりません。テレビ見てる場合かよです。

テキサスコロニーでは自爆を装いガンダムから逃げなくてはならないところにまで追い込まれます。シャアはニュータイプ第一号みたいな人ですが、気づくと運動神経がやたらいいだけの兄ちゃんになってしまっています。

テキサスコロニーで妹と偶然再会したシャアは「父の仇を撃つ」と言いますが、「嘘でしょう、兄さん」と見抜かれてしまいます。最後はキシリアを撃って所期の目的を果たしますが、シャアの内面でいろいろ揺れていることが分かります。「疲れて来たから、これからはどこか他人のいないところでララァと遊んで暮らしたいなあ」とかチラッと思うこともあったかも知れません。

ソロモンの戦いに参加しないのは指揮系統の問題がありますからまあ、いいとして、ララァは戦死する、ゲルググの片腕は切り落とされるとぱっとせず、「今の私にガンダムはたおせん」と自分でも認める事態に陥っています。本人も限界を感じています。

キシリアからの評価もがた落ちで、シャアにとっては居場所のない、立場のない心境に追い込まれたに違いありません。キシリアみたいな人が上司だとごきげんとりが大変でしょうから、そういう人からの評価のがた落ちはなんともやりにくくて仕方がないに違いないのです。アバオアクーでジオング撃沈では「赤い彗星も地に落ちたものだな」とまで言われる始末。このまま終戦になったらかっこ悪いことこの上ありません。アムロとフェンシングで勝負しますが「マスクがなかったら即死だった」くらいに完敗しています。ぶっちゃけ残念すぎる状態で見ていられません。エヴァンゲリオンでいえば自分が一番のポジションにいると思っていたのに実はシンジの方が凄かったことにショックを受けるアスカ状態です。ナウシカで言えば戦争で勝っているつもりだったのに気づくと負けが込んでくるクシャナ状態です。

ジオングをぶっつけで使いこなしたりする場面では、くさっても赤い彗星という感じで、観る側としては多少は安心します。最後にキシリアを撃って父の仇を果たす場面もくさってもシャアと言えます。シャアが好きな人は多いと思いますので、そういう場面を見てほっとする人は多いのではないかと思います。

シャアのこと以外で『めぐりあい宇宙』の個人的な見どころとしてはザクとドムとゲルググがごろごろ出てくるところです。中二心が刺激されます。音楽もいいと思います。意外なところで注目したいのは、サイド3内部で向き合うように立つデギンの建物とギレンの建物がなかなか前衛的なところです。新時代建設をうたう政権は、それを人々に印象付けるために前衛芸術を必要とするという演出の歴史に対する鋭い観察があると思います。

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コミーFBI長官が議会でヒアリングされた件

FBIのコミー長官が数時間にわたりアメリカの連邦議会でヒアリングをされました。簡潔に要点だけを述べると、ヒラリーさんのメール問題でFBIが不起訴を決めたのは政治的な意図によるものではないのか?ということを共和党の議員たちからひたすら責められ続けたという印象です。

何人もの共和党の議員から厳しい口調で様々な質問を受けますが、コミー長官は「ヒラリー氏のしたことは重大な怠慢だが犯罪ではない」「ホワイトハウスの誰からもプレッシャーは受けていない」「ヒラリーさんを訴追しないことは誰にも相談せず私一人で判断した」「オバマ大統領がヒラリーさんの選挙キャンペーンに参加することの援護ということは一切ない」など、雄弁に自分の判断を弁護していました。

共和党議員の表情は大変に厳しいもので悔しい表情が顔に出ており、今後も追及は続けていくそうです。

私個人はヒラリーさんを訴追するべきとも、するべきでないとも意見はありません。公務のメールを使用サーバーで使えば漏えいの危険は確かにありますが、意図的に漏えいさせようとしたわけではなさそうなので「犯罪」と呼んでよいのかどうかは多少の疑問が残ります。トランプさんは「わいろを使ったんだ―」などとしてこれからもヒラリーさんのメール問題に触れていく構えとみられますが、ここまで来ればFBIはメンツにかけて絶対に起訴しない構えを崩さないでしょうから、ちょっと見飽きるというか水掛け論になりそうです。

トランプさんの分が著しく悪くなりつつあると私は思いますし、女性を激しく批判するスピーチは支持者が心地よいと感じるかどうかは微妙なように思います。トランプさんが「ワイロを使ったんだ」とスピーチしている時の聴衆の反応もイマイチな様に私には見えました。

トランプさんにはヒラリーさんからの「献金のお願い」の手紙を受け取ったという奥の手があるはずですが、その手はまだ温存しているの可能性もありますが、あるいはご自身も献金のお願いをしなければならない立場になってきたので、景気よく打ち上げることができないのではないかという気もします。支持者には「俺は無限に金を持っている」と豪語していますし、いざとなったら自分の資産を抵当に資金を調達する算段なのかも知れません。しかし不動産デベロッパーであれば資産を抵当に入れて次の物件を、ということを繰り返していると思いますのであるいはいろいろ抵当に入ってしまって簡単には手を付けられないのかも知れません。

どっちに勝ってほしいということはないですが、現状ではトランプ不利と思います。

もっとも、どちらがより正直だと思うかというアンケートでトランプさんはヒラリーさんを大きく引き離していましたので、ヒラリーさんが熱烈に支持されているというわけでもなさそうです。消去法でどちらかを選ぶ、なんとなく冷めた選挙になるかも知れません。

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『ガンダム』が素晴らしい理由を改めて考える(哀戦士編)

『ガンダム』劇場公開版シリーズの「哀戦士編」はホワイトベースとそのクルーたちが地球で戦闘に参加し、少しずつ成長していく様子が描かれる名作として知られています。どうしてそんなに名作なのか、改めて考えてみたいと思います。

1、アムロが普通の若者として描かれている

どんな難局でもニュータイプの才能で乗り切るアムロですが、「哀戦士編」ではマチルダ中尉にのぼせあがり、集合写真を一緒に撮ってもらっただけで舞い上がります。ブライトに「ガンダムから降ろす」と言われてすねてホワイトベースから「家出」します。アニメなので軍法会議にはかけられません。とはいえ、この普通の男の感覚のおかげで観客にとっては感情移入しやすくなっています。

2、美人が死ぬ

ランバラルの美しい妻のハモンさんは、アムロを殺そうとしてその直前にリュウホセのコアファイターに体当たりされて死んでしまいます。ヒッチコックは理想の死に方は「目の覚めるようなブロンド美女に刺殺されること」と話していたと言いますが、アムロはいわばその直前まで経験して男冥利に尽きるとも言えます。マチルダ中尉は黒い三連星のジェットストリームアッタクを妨害しようとして戦死してしまいます。美人が死ぬことは観る側に「あぁ…」とうい溜息のような名残惜しさを感じさせます。

3、美人じゃなくても死ぬ

ホワイトベースがベルファーストに入った際、ミハルというジオンの女スパイが入り込みます。途中でジオンから連邦に寝返りますが、手動でミサイルを発射した際、爆風に吹き飛ばされてしまいます。幼い弟と妹を養うためにスパイになったミハルはそばかすの普通の若い女性です。美人が死ぬのは物語性をぐっと上げることがありますが、普通の人が戦死するのはもっといたましい感じになってしまい、心に残ります。

4、ホワイトベースがやっぱり「あいのり」だ

アムロがマチルダ中尉にのぼせあがり、フラウボウが切れまくります。ミハルとカイの間にも特別な縁があることが分かります。蛇口が壊れてキッカが大騒ぎし、アムロが状況確認に入ろうとすると入浴中のミライさんが出てくるというエピソードがあります。あいのり風です。

5、ランバラルとその部下たちが恐い

いかにも歴戦の戦死風ランバラルは恐いです。あんなおっさんに命を狙われたら迷惑でしかたがありません。部下も恐いです。「戦争の犬」風というか、俺たちに明日はないというか、最初から死ぬ気で戦いのスリルを楽しむようにホワイトベースに侵入して白兵戦をかけてきます。あんなのが自分の家にばーっと入ってきたらびびります。発狂します。銃を撃つとかそういうことにだけ得意そうなところも恐いです。よく描けています。

6、ジャブロー攻略戦がクールすぎる

空からジオンのモビルスーツが大量にアマゾンの密林へ降りてくる様子は壮観です。ただ、シャアの限界が少しずつ見えてきます。「めぐりあい宇宙」編でのシャアの苦しみを暗示しているとも言えます。

7、ミライとセイラの覚醒が暗示される

黒い三連星との闘いの時に明らかにセイラとミライの洞察力が鋭くなっています。「めぐりあい宇宙」の人の覚醒というテーマを暗示しています。

8、ザンジバルの出撃がクール

最後にシャアがホワイトベースを追って地球から宇宙へとザンジバルで出撃します。あんなのに付け狙われると迷惑なことこの上ありません。ザンジバルはあんな風に出撃するのかというという感慨も得られます。

「哀戦士」は第一部と「めぐりあい宇宙」の橋渡し的な役割をしています。第一部では素人だったホワイトベースのクルーたちが「哀戦士」で鍛えられ、「めぐりあい宇宙」ではプロの戦いを見せるという展開になっています。そういう意味では「めぐりあい宇宙」に比べると見せ場が少ないかも知れません。しかし、人間ドラマが地道に描かれ、心理描写が中心になる分、より深みのある作品だということもできると思います。

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アメリカ大統領とUFO

ヒラリーさんが今年の大統領選挙の序盤のころ、遊説先の地元の新聞記者に「自分が大統領になったらUFOに関する真相を公開する」と話したことはよく知られています。ヒラリーさんのメール問題ではFBIが不起訴を決めていますので、状況的には金銭的にも人材的にも社会的にもヒラリーさんがぐっと優勢になっていると私は思います。ということは即ち、UFOに関する真相が公開される日が来るかも知れないということを意味しているかも知れません(ヒラリーさんが新聞記者に話した約束を守れば)。

ところが最近は、オバマ大統領が任期中にUFOに関する真相を公開するという噂まで取り沙汰されるようになっています。オバマさんは二期目も終わりですので自分がやりたいなぁと思ったことは周囲の意見を無視してでもやれる時期に入っています。私は自分の生きているうちにUFOについての真相が分かるのなら、こんなに嬉しいことはありません。是非にもやってほしいです。

もっとも、ケネディ大統領の暗殺の理由がUFOの真相を発表しようとしたことだという都市伝説もあるほどですので、その辺りのことは注意してほしいとも思います。

ところで、UFOの真相って何なんでしょう?

1、エリア51でUFOを作っている。UFOはアメリカ軍の秘密兵器だ
2、ロズウェル事件の真相はアメリカ軍の秘密兵器だ
3、ロズウェル事件の真相は宇宙人の墜落死だ
4、月の裏側には宇宙人の基地がある
5、地底には宇宙人の基地がある
6、街を歩いている人の何パーセントかは宇宙人だ

あたりのことでしょうか。もしUFOの真相公開の内容が1か2なら、がっかりです。「なんだ…アメリカ軍の秘密兵器か。だったらステルスだってUFOじゃないか」あたりのがっり感に襲われ、私はあんなに大好きだった都市伝説の本を読んだりすることをやめてしまうかも知れません。やはり知りたいのは「地球外生命体がいるかどうか」です。何年か前にNASAが「生命の常識を覆す重大な発見」と称する記者会見を行い、メディアは「いよいよ地球外生命体のことを発表するのか」と色めきましたが、実際には「ヒ素を栄養素にして生きる生命体の存在を確認した」という内容でずいぶんとがっくりとさせられたものです。実験でヒ素を与えていたらヒ素を食って生きるようになった生命体がいるということは、宇宙空間のどこにでも生命が存在し得るという可能性を示唆するものですが、示唆だけで重大な発見とか言われても困ります。やはりオバマ大統領かヒラリーさんにばしっと決めてもらわなくてはいけません。

聖書に登場する神はUFOに乗ってやってきた宇宙人だったくらいの大発表があれば宗教戦争なんかばからしくて誰もやらなくなるかも知れません。

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天皇とお米

縄文時代と弥生時代の決定的な違いは米作の有無にあります。縄文時代は狩猟採集が中心ですので、獲物がとれればいいですが、そうでなければ明日をも知れない日々を送らなくてはいけません。獲物の肉は干したり焼いたりすれば保存できますがお米ほど手軽でもなく、お米ほど長く保存することもできません。

米作するようになると、お米は長期保存が可能なために「貯蓄」できます。耕作面積を確定して水田を整備すれば毎年の収穫量が分かります。もちろん天候に左右されますが、狩りに行くよりは安定しています。人口も劇的に増えます。一般的には米作により土地を多く持つ人とそうでない人に分かれ、貧富の差が生まれ、身分の差が生まれたと説明されることが多いです。そういう面は確かにあると思います。

ただ、身分の差という意味では、縄文時代に絶対になかったかと問われれば、そういうことはないと思います。狩りが上手な人、体力的に優れている人、性的な魅力が高い人、宗教的な意味で高貴だと認められていた人などが存在したのではないかなぁと私は想像しています。一万年も続いた時代ですし、日本各地に集落があったとすれば、そのような想像した通りの社会構造があった「場合もある」くらいは考えていいと思います。お墓の様式や副葬品は年代や地域によって随分差があると思いますが、身分の差という視点で分析するといろいろ見えてくるのではないかなぁと思います。

いずれにせよ、お米が貧富の差に決定的な意味を持ったということはきっと間違いないと思います。お米は戦略物資です。天皇は大嘗祭と新嘗祭でお米を食べます。大嘗祭は即位の時に行われ、新嘗祭は毎年行われます。五穀豊穣に感謝すると同時に、戦略物資を食べることによって統治権を確認するという象徴的な意味もあるのではないかと思います。お米は一本の苗にたくさんの実をつけますから子孫繁栄にも通じて大変縁起がよいのだとも思います。

東京の皇居には小さな水田があって、今も毎年天皇陛下が親しくお田植をされるそうです。お米を大切にするという意味の表現があると思います。戦略物資をコントロールするという意味ももしかするとあるかも知れません。ただ、平安時代の天皇が御所でお田植をされていたとか聞いたことも読んだこともありません。京都御所を拝観した時にお田植されていた場所みたいな表示も見たこともありません。なので、近代になってから、天皇家が東京に移ってからそういうお田植が行われたのではないかなぁと思うことがあります。推し量ってばかりで申し訳ないです。

天皇家のルーツは諸説あります。今となってはもちろん分かりませんし、はっきりさせる必要もありません。神話があってそこに想像の余地があるのがおもしろいのだと思います。ただ、お米が戦略物資で、大嘗祭と新嘗祭があるように天皇家もお米を重視していて、縄文と弥生をばっさりと区分できるほどの重みがあるのなら、実は天皇家は米作技術を持って大陸から渡ってきた人で、独自の米作技術によって富と権力を確立し、全国に統治権を広げたと想像することも可能です。想像ばっかりで申し訳ないです。お米というキーワードで天皇家のルーツを推量するのもおもしろいかなぁと思ったという程度のお話です。

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『ガンダム』が素晴らしい理由を改めて考える(劇場版第一部編)

『ガンダム』シリーズはファンも多く、日本アニメの最高傑作の一つに数えられているということは、ここで特に述べる必要もないほど当たり前のことです。

改めてなぜ素晴らしいのか、その理由を考えてみたいと思います。

1、ザクがドラマチック

モビルスーツでありながら歩兵を連想させるザクの草色。顔周辺の意味深なチューブ。源平の鎧を連想させる左肩の盾。敢えてアナログな機関銃。自在に動く一つ目。と、見れば見るほどほれぼれするほどドラマチックです。劇場版第一部では永井一郎さんのナレーションの後に最初に登場するのが宇宙空間で移動するザクのアップです。この場面でぐっと来た人は多いはずです。最初から我々男性の中二心を撃ち抜いてくれます。

2、シャアがクールすぎる

もはや言うまでもないですが、シャアを初めて見たときの衝撃は言葉にできません。かっこいいです。声がいいです。要するに池田秀一さんがすばらしいです。よく鍛えられた均整の取れた体格に軍服がよく栄えます。階級もなかなかちょうどいいです。少佐という階級が絶妙です。尉官だと少し軽い感じがします。大佐だとかなりの幹部です。少佐というあたりがちょうどいいのです。「しょうさ」という音の響きもいいです。ルウム戦役で二階級特進してますので、ルウム戦役の前は中尉です。大尉ならまだいいですが、中尉だとやはりちょっと軽いです。「ええい、連邦のモビルスーツは化け物か」などの台詞もいちいちかっこいいです。サイド7の港に侵入した時の軽やかな身のこなしなどもクールすぎてあんな風になりたという我々男性の中二心を撃ち抜いてくれます。大気圏突入時の戦闘シーンにぐっと来た人は多いはずです。

3、登場する女子に中二心を刺激するタイプが多い

フラウボウはいたって普通です。軽く地味な感じのミライヤシマもどこかで会ったことがありそうな気がします。秀才タイプのセイラマスのことも、「あぁ、こういうタイプいるいる」と思います。三人とも中学生のころにクラスにいそうなタイプです。フラウボウはアムロレイのガールフレンドで、こんな感じの恋愛がしたいなぁと憧れる中二男子にとって手に届きそうなタイプでついつい自分をアムロレイに仮託し、恋愛している気分になれます。少し観方を変えると、ホワイトベースクルーの女子率は結構高いです。ホワイトベースが合コン状態、「あいのり」風になっていることも観る側の心理に影響を与えているのではないか、続きが見たいという心境になるのではないか思います。セイラさんのアップで「あなたなら、できるわ」にぐっと来た人は多いはずです。更に年上タイプのマチルダ中尉が登場しますので、中二男子はここで押し切られてしまいます。学校にはあまりいなさそうなお嬢様タイプのイセリナも登場しますので、きっと好きなタイプが見つかります。

ただ、『銀河鉄道999』のメーテルや『宇宙戦艦ヤマト』のスターシャのようなブロンド長髪美人は登場しません。この辺り、作者の好みがよく出ているようにも思えます。

4、シャアの真の目的が明らかになるのがドラマチック過ぎる

ガルマを戦死に追い込むところでシャアの高笑いが響きます。「君のお父上がいけなかったのだよ」で観る側は「なんだとぉぉぉぉっ」となります。物語の続きが気になり、次の哀戦士編まで興味が引っ張られていきます。

5、「坊やだからさ」

なぜ我々はガンダムが好きなのでしょうか。中二男子を刺激する要素に溢れているからです。即ち結論は我々がガンダムを見続けるのは、我々が永遠に坊やだからです。

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映画『エリザベス』の戦う女性の成長と演説力

イギリス映画の『エリザベス』は、ケイトブランシェットが主演し、深い歴史考証とリアリティの宿ったディテールなどで世界的に高い評価を得た映画です。

私も何十回も観ましたが、何度観ても飽きません。時代は16世紀の終わりごろです。日本では信長の時代です。イギリス王ヘンリー8世がローマカトリックから独立した英国教会を立ち上げ、イギリス国内は新教と旧教の間で血で血を洗う争いになっています。ヘンリー8世の娘のエリザベスは、王位継承権争いと宗教争いの両方の煽りを受け一度はロンドン塔に収監されますが、カトリック教徒のメアリー女王が亡くなったことで王位に就きます。スコットランドにも王位継承権を持つ者がいます。スコットランドのバックにフランスがいます。血縁と宗派で人間関係が複雑に入り組んでいて、誰がどういう順番で王位継承権を持っていて、なんでフランスが絡んでくるのか、調べれば調べるほどよく分からなくなってきます。保元の乱みたいです。

いずれにせよ、エリザベスは王位に就いた後も各方面から反発を受け、命を狙われます。議会にはノーフォーク公があわよくば自分が権力者になろうとしています。国内のカトリックの偉い大司教様もいらっしゃいます。フランス王にもスペイン王にもスコットランドもそれぞれに動機があります。イギリスのEU離脱騒動はこの辺まで絡んでくるので根が深いです。何百年も前のことが未だに影響しています。

この時代、イギリスはまだ強くありません。当時、最も成功しているヨーロッパの国はスペインで、世界の中心はトルコです。イギリスは辺境です。他の国に頭を下げなくては独立を保つことができません。強い国の王家の人と結婚して半分属国みたいにしないといけないというプレッシャーがかかってきます。当時はまだ政治は男性がするものという意識が強いです。女性が政治をすることへの反発もあります。

エリザベスはまず国内の議会を説得します。演説がうまいです。演説の練習をする場面が出てきます。ユーモアと反対者にとっての都合の悪い事実関係を織り交ぜて議論を自分にとって有利な方へと導いてきます。口八丁かというとそういうわけでもありません。常に誠実に自分の考えを言葉に出そうとしています。ただ、相手に伝わる言葉を選ぶために慎重に言葉を選びます。論的からいろいろ言われてさっと切り替えすのは天性の強さです。自分が有利になるために偽りを言うはないです。頭に来たら頭に来たと言います。感情を隠しません。自分に対して正直でいつつ、論敵、政敵、外敵と渡り合います。

王位に就いたばかりのころはまだまだ子供な感じです。戦争したり暗殺されかけたりを繰り返すうちにだんだん強くなっていきます。成長していきます。表情に変化が出てきます。大人の顔になっていきます。強さが出てきます。よくもこんな演技ができるものです。凄いとしか言えません。映画の最後はゴッドファーザー的解決で外敵政敵論敵を一掃します。観客はカタルシスを感じます。外敵の代表はローマ法王庁からエリザベス暗殺の目的で派遣されてきた修道士です。007のダニエルクレイグがその役をしています。この映画の時はまだまだ若いです。007シリーズのダニエルクレイグと比べると、この映画ではまだまだ子どもの顔をしています。今の方がかっこいいです。自分の鍛え方はんぱないのです。きっと。見習わなくてはいけません。

当時、イタリアはすでにルネッサンスですが、イギリスはまだまだ中世です。中世の終わりかけです。映画の雰囲気づくりが半端ないです。それぞれのワンショットが美術館の絵みたいです。中世のイギリスってこんな感じだったんだろうなぁとただただ感嘆するだけです。イシグロカズオさんの『忘れられた巨人』みたいな世界の延長みたいな感じです。役者さんたちの目の演技がいいです。目は口ほどのモノを言います。一瞬の目の動きで多くのことを語っています。一度か二度観ただけでは全部に気づくことはできません。ノーフォーク公に送り込まれた女スパイの目の動きに何度目かに観たときに気づきます。気づくと見事です。はっきりと、気づいた人にはしっかりと分かるように作られています。何十回観た後でも、演出の全てに気づいているかと問われれば不安です。まだまだ気づいていないディテールがあるに違いありません。

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ヒラリーさんのメール問題でFBIは訴追しないことになった件

ヒラリーさんが土曜日にメール問題に関する疑惑でFBIの事情聴取を受けた件ですが、FBIのコミー長官が訴追しないと記者会見で発表し、これにて一件落着ということになりました。事情聴取があった時は、これはもしかすると…という気もしましたが、ヒラリーさんサイドとしては神の恩寵に感謝というところだと思います。メール問題は「極めて重大なミス」だとコミー長官は言っていますが、刑事罰を受けなければいけないようなことではないそうです。「政治的な判断ではない」とも述べています。

人によっては「コミーはオバマにFBIの長官にしてもらった男だから、オバマになんか言われたんじゃないのか」という勘ぐりをするかも知れません。そういうことがあってもおかしくはないですが、法治社会ですから、それでも訴追されない以上、ヒラリーさんは潔白だという前提で話を進めていかなくてはいけません。

政府部内にはヒラリー氏をなんとかして追い落としたいグループがいるとまことしやかに語られることもありますが、もしそういう人たちがいるとすれば、メール問題は最大の球だったはずですので、落胆しているに違いありません。次の球を仕込んでくるかどうかは我々には分かりませんが、大統領選挙は何があるかわかりませんので、じっと見ているしかないです。

これで民主党サイドは祝賀ムードになると思いますが、共和党サイドはがっかりモードに入っているはずです。トランプ氏やジュリアーニ氏が「そんなばかな」的な発信をしています。

ヒラリーさんは致命傷を回避することに成功し、この状態で終盤戦へと入っていくとすれば、お金もないし共和党をまとめきれていないトランプ氏が一方的に不利と言えます。

ヒラリー氏はさんざん危ないと言われてきましたが、バーニーサンダース氏の猛追を封じ、メール問題の危機から脱却し、今後、直接対決討論会で横綱相撲を見せる可能性もあります。やはりさすがです。本気を出したらすごいというところだと思います。オバマさんもサンダース氏と直接話すなど、援護射撃が効果を出しているように見えます。

もしこのまま、他に材料のないまま終盤戦へと入って行けば、カリフォルニアのような選挙人の数の多い州を押さえ、ヒラリー氏圧勝も視野に入ってくると思います。

ふと思うのは、これだけ手傷を負ったヒラリーさんが有利なのは、対戦相手がトランプ氏だからなので、たとえばマルコルビオさんだったり、ジェブブッシュさんのような人が共和党で指名されていたら、またちょっと違ったのではないか。ということです。そういう意味では、トランプ氏を選んでしまった時点で共和党のオウンゴールなのかも知れません。イギリスのEU離脱派だったボリスジョンソンさんやファラージさんが自ら退いていくという現象も、「やっぱり煽っている政治家っていざとなったら逃げるんだね」という印象を与え、煽りが得意なトランプ氏に間接的に打撃を与える気もします。

とはいえ、まだ分かりません。今年は特に何が起きるか分かりません。これからも見守りたいです。

ファラージ氏の手のひら返しになんじゃこりゃぁぁぁぁっな件

イギリス独立党のファラージ氏が党首辞任を表明したことは周知のことですので、詳しくは触れません。ファラージ氏のようなEU独立派が懸命に旗を振り、とうとう国民投票ではEU離脱に決まってしまいました。しかし、そこからどうも、離脱派が振るいません。というか脱兎状態になっているように見えなくもありません。

イギリス国民投票が行われた日の翌朝、Good Morning Britainというイギリスのテレビ番組にファラージ氏が出演した際、女性キャスターから「今後はEUに分担金を払わないことになったわけですよね」と質問され、ファラージ氏は「そうだ」と答えます。しかし、続いて女性キャスターが「その分NHS(イギリスの国民保健サービス)にお金が使われるということですよね」と女性が念押しするように質問すると、ファラージ氏は「いや。そんなことは私には保証できない。そのようなことを言ったこともない」と返します。生でこの番組をみていた人はここに来ての手のひら返しに椅子から落ちたのではないかと思います。

女性キャスター半分キレかけで「イギリス税金をNHSに使うというのは、離脱派が約束していたことではないのですか?」と突っ込むとファラージ氏は「それは有権者が誤解したのだ」と切り返します。なんじゃそりゃぁぁぁぁっと誰もが思ったに違いありません。

youtubeの動画をここに貼り付けてもいいかなぁとは思うのですが、もし著作権的な問題があると困るので、「Nigel Farage Good Morning Britain Brexit」というタイトルの動画をyoutubeで検索してもらえればすぐに見つかると思います。

離脱派の政治家たちが本当に離脱してしまって内心、まさかこんなことになるとは思わなかった…と思っているとすれば、国際連盟を離脱した時の日本政治家たちと同じ状態なのかも知れません。

ボリスジョンソン氏は党内の支持を集めきれないと判断し、更に言うと自分の手で離脱を進められないという判断もあって、首相候補から離脱。ファラージ氏は欧州議会の議員なので、この人もイギリス政治から離脱です。

ゴーブさんという人が次の首相やる気満々で、この人は粛々と(多分、強い意志を持って)EU離脱を進める模様とのことです。多くの人が「離脱派にペテンにかけられた~~~」と嘆く中でのゴーブさんの登場は、あるいは関係者の中でシナリオができていたとか…とふと思わなくもないです。推測です。欧州情勢は複雑怪奇です。

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