言えると思います。
たとえば天ぷらはそもそも西洋人の食べ方をマネして始まったものです。
すき焼きも西洋人の肉食をマネして始まったものです。
お寿司は冷蔵庫がないと今と同じスタイルになりません。
ですので、そもそも和食は西洋化・近代化の影響を色濃く受けているものだと考えるべきであって、そうするとカレーうどんだって立派な和食だと考えていいと思うのです。
言えると思います。
たとえば天ぷらはそもそも西洋人の食べ方をマネして始まったものです。
すき焼きも西洋人の肉食をマネして始まったものです。
お寿司は冷蔵庫がないと今と同じスタイルになりません。
ですので、そもそも和食は西洋化・近代化の影響を色濃く受けているものだと考えるべきであって、そうするとカレーうどんだって立派な和食だと考えていいと思うのです。
日清戦争と辛亥革命の組み合わせはそれに匹敵すると思います。日清戦争以前、清は眠れる獅子と呼ばれ西欧列強も簡単に手出しできないと思われていました。日本が清に対して戦争を始めた時も世界は日本が勝つとは思いませんでした。実際、清の北洋艦隊はドイツから世界最大の戦艦を二隻持っていて、日本の艦隊よりも強いと考えられていました。陸戦でも清はドイツのクルップ社製の鉄の大砲を装備していたのに対して日本側は国産の青銅の大砲を使っていて、射程距離は清有利でした。兵隊の傘については、わざわざここで述べる必要もないでしょう。
にも関わらず、日本が局地戦が連勝し、下関条約で清は台湾を割譲したり、賠償金を支払ったりさせられて清は負けたわけですね。
これにより、世界の列強は、清弱いじゃんと気づき、弱いやつには何をしてもいいという鬼畜の発想で清分割へとひた走って行くようになります。
結果、反作用として清国内で外国憎悪が増大して義和団事件が起きて、西太后の判断ミスもあって北京が列強に占領される展開となり、清の権威が落ちて、一機に辛亥革命の機運が高まって行きます。
おそらく孫文と袁世凱と日本の諜報が結びついたことで、清朝瓦解が決定的になつたと言って良いと思います。後に袁世凱が皇帝即位を宣言した時、私の記憶では有賀某という男が顧問として袁世凱の近くにいたはずですが、日本は早い段階から孫文と袁世凱を後押しすることで、大陸への利権を拡大しようとしたと見て良いと私は思っています。
対華21か条の要求は、日本から、前に援助した時の密約守れよなということを言い出したのを袁世凱が暴露したのが真相であったろうと私は考えています。
少し脱線しましたが、日清戦争から辛亥革命またざつくり15、6年くらいで、タイムスパンとして黒船来航から明治維新までとよく似た感じだと思います。
徳川と清は外国勢力が来たことで滅亡したことが共通点ですが、徳川は慎重に外国との戦争を避けたのに対し、清は外国との戦争を選んだためにより大きな混乱を招いてしまつた点で大きく異なると言えます。徳川後の日本は統一された政府による近代化に成功したのに対し、大陸ではその後何十年も戦乱が続き、日本とは全く異なる運命を辿りました。その理由について考えるとまた長々と述べなくてはなりませんが、日本には様々な幸運が味方をしたと言うことはできるかなと思います。で、残念ながら、最近はそうとも言いにくくなつてきているように思います。
ゲーテのようなドイツ文藝を直読みでき、ヘーゲルのようなドイツ哲学を直読みできるため、ナチスのプロパガンダを直読みすることにより彼らがいにしてドイツ人民をペテンにかけたのかを分析できるようになります。ナチスは頭の悪い大衆を騙したのではなく、優れたインテリを騙したのであり、博士号を持つゲッペルスか巧みにドイツの人文知識の伝統を利用したナチス宣伝を推し進めたのだということにも気付くことができるはずです。それはたとえば、ドイツはマルチンルターの宗教改革が始まった土地であり、皇帝や教皇、貴族の支配を受けない自由都市の気風を重んじる土地であり、要するに伝統を打破することを良しとする伝統があると言えるようなことろがあって、だからこそ、リーフェンシュタールの意志の勝利というタームがウケたりしたというようなことです。
デルフォイの神託で、一番賢いのはソクラテスと言われたので、ソクラテスはおかしいなあ、僕は何も知らないんだけどなあ、と疑問に思います。で、いろんな人と議論してみたら、僕よりよく知っている人に出会えるかも知れないなあと思い、街ていろいろな人に議論をしかけます。そして次々論破します。結果、なるほどなあ、僕は自分が知らないことを知ってるけど、みんなは知らないことに気づいてないんだなと言うことを発見します。デルフォイの神託は正しかったというわけです。
この真実に気づくために議論をやりすぎたソクラテスは、嫌われまくり、意味不明の理由で死刑を宣告されます。
同情者もいて、逃走の手はずも整いますが、ソクラテスも意地になっていて、悪法も法だと言って与えられた毒を飲んで、率先して死を選びます。
実はこれにはソクラテスの慧眼が働いていて、ソクラテスの死後に、アテネ市民は、自分たちがなんと愚かな決定をしてしまったのかと、今さらになつて死刑に票を投じたことを嘆くものが続出し、そのように後悔したものたちが、ソクラテスを告発した3人の男たちをリンチにかけて殺します。おそらくソクラテスはそうなることを見越した上で自分の命と引き換えに復讐したのです。
なるほどデルフォイの神託通りです。ソクラテスを告発した男たちはそれが理由で最後になぶり殺しにされるとは考えもしなかったでしょう。アテナ市民たちはソクラテスと告発者たちの間で右往左往していただけですし、無駄に人殺しを重ねて行きますから、愚かであるとしか言えません。ソクラテスだけが、全てを見通していたのです。
気の毒なのは、デルフォイの神託に振り回されて、わざわざ他人を論破しまくった挙句に自ら死を選ぶことになるとは当初、見通せていなかったことだと言えるかも知れません。
ソクラテスに対する嫌疑の一つはギリシャの神を信じないと言うものでしたが、ソクラテスはデルフォイの神託をかくも真剣に受け止めるほど信心深い男だったのです。
ここまで書いて、シェークスピアのマクベスのモデルはソクラテスだつたのではないかという気がして来ました。マクベスは魔女の予言をまにうけて身を滅ぼします。
勝てた可能性はあると思います。日独同盟がむすばれた時、日本では多くの人がヨーロッパの戦争でドイツが絶対に勝つと考えられていましたが、それはソ連と戦争していなかったからですね。で、ソ連とも戦争を始めたと知り、これでヒトラーは敗けたと嘆いた人がいたそうです。それくらいソ連との戦争は潮目を変える出来事であったと思います。二正面戦争をしながらアメリカ軍までやってきて、それでも3年持ちこたえたわけですから、如何にドイツ軍が凄かったかということだとは思います。
当時、ポール・アインチヒという経済記者みたいな人がいて、彼はドイツは必ず敗けると予言していました。なぜなら、資本力のある方が勝つのが近代戦争だからだと。で、当時のイギリスは世界一の金持ちですから、ドイツがどれほど素晴らしい戦術と技術力で攻めてこようとも最終的には金の力で幾らでも戦車や飛行機を準備できるイギリスが勝つであろうと述べていたわけです。
但し、当時の状況を考えるに、イギリスの富の源泉である植民地は日本軍に侵攻に脅かされていて、実際、しばらくしたら怒涛の勢いで日本が取って行ったわけです。
ですので、仮にドイツが本当に対英戦争だけに集中していた場合、1942年、43年あたりでドイツがようやくイギリス上陸ロンドン占領みたいなことはあり得たと思います。
それをヒトラーが待ちきれなかったのが枢軸国滅亡の要因ではないかなと思います。
中産階級とは、衣食住に困らず医療も充分に受けられる普通の人々のことを指しますから、医者や弁護士などの社会的地位がなくとも幸福度は充分に高い階層であると言えると思います。中世の王侯貴族より現代の中産階級の方が幸せだと言われるくらいに発展した現代社会の恩恵を実感できる普通の人たちですよね。ですから、そういう人たちがたくさんいることは素晴らしいことだと思います。貧富の差が拡大したことによりレアになっているのももちろん重要なファクターだと思います。
但し、分厚い中産階級が形成されるにはわりとハードルの高い条件をクリアしなければならないということも私は指摘せざるを得ないと思います。それは普通の人が中世の王侯貴族並に満足して暮らすためには、それに相応しい経済成長が社会全体で実現されていなければならないということです。そもそも「普通の人」はそんなに凄い仕事はできません。言われたことを真面目にこなす小市民です。そのような人たちがガッツリ楽しく生きられるということは、企業や国家が手厚く分配しても尚余る富を得ている時に限られます。
アメリカでは第二次世界大戦後に分厚い中産階級が登場し、戦争から帰ってきた若者たちが結婚して車と家を持ち、自分の事業を展開し、田舎なら農場を経営して幸せな家族を築くというモデルを確立しました。人はそれをアメリカンドリームと呼んだりしました。ベトナム戦争後、アメリカの国力の相対的低下に伴い中産階級はしぼみ、今やアメリカの田舎の方はヘル・アメリカになっているとよく言われます。私がアメリカに留学した経験からもそれは分かります。デトロイトは巨大な廃墟でした。
で、日本の場合、それは70年代から80年代に形成されていきました。田中角栄が気前よく公共投資にお金を使ったので、隅々までお金がいきわたり、誰もが自分を中産階級だと感じることができる、人類の歴史でも極めて珍しいであろう現象が起きました。今では信じられないことですが、当時はシンガポールや香港の人たちが一度は日本を旅行したいが日本の物価は高く、うちにそんな金があるわけないと嘆いていたような時代です。90年代以降、バブルの崩壊と増税により、中産階級はしぼみ始め、もはや見る影もなくなりつつあります。
これはマクロ的な産業政策と税制が間違っていたからなのであって、小泉・竹中時代の雇用政策に要因を求めることは正しくありません。経済成長が充分に確保されていれば、非正規雇用で時給5000円のようなことが実現でき、拘束時間の長すぎる正規雇用はちょっと…という雰囲気になっても全くおかしくなかったのです。
そして今、韓国・台湾で中産階級が形成され、世界を席巻しています。
(注意点ですが、世界を席巻する中国人旅行者は、中国の国内では富裕層です。シンガポールは金持ちは多いですが、差別的搾取構造の上に存在する特権階級です。香港は内戦かと思うようなデモが起きて行こうは当面、判断を保留せざるを得ません)
韓国・台湾は経済成長が著しいため、手厚く分配することができるからです。
ですから、日本で中産階級を復活させるには、手厚く分配できるだけの経済発展が必要になります。もしここの部分を無視して、雇用形態だけで解決しようとすると、給料の薄い正社員と、使い捨てられる非正規雇用に溢れるヘル・ジャパンになるというか、今の日本はそうなっているわけです。