ソクラテスの解く無知の知とは何でしたか?

デルフォイの神託で、一番賢いのはソクラテスと言われたので、ソクラテスはおかしいなあ、僕は何も知らないんだけどなあ、と疑問に思います。で、いろんな人と議論してみたら、僕よりよく知っている人に出会えるかも知れないなあと思い、街ていろいろな人に議論をしかけます。そして次々論破します。結果、なるほどなあ、僕は自分が知らないことを知ってるけど、みんなは知らないことに気づいてないんだなと言うことを発見します。デルフォイの神託は正しかったというわけです。

この真実に気づくために議論をやりすぎたソクラテスは、嫌われまくり、意味不明の理由で死刑を宣告されます。

同情者もいて、逃走の手はずも整いますが、ソクラテスも意地になっていて、悪法も法だと言って与えられた毒を飲んで、率先して死を選びます。

実はこれにはソクラテスの慧眼が働いていて、ソクラテスの死後に、アテネ市民は、自分たちがなんと愚かな決定をしてしまったのかと、今さらになつて死刑に票を投じたことを嘆くものが続出し、そのように後悔したものたちが、ソクラテスを告発した3人の男たちをリンチにかけて殺します。おそらくソクラテスはそうなることを見越した上で自分の命と引き換えに復讐したのです。

なるほどデルフォイの神託通りです。ソクラテスを告発した男たちはそれが理由で最後になぶり殺しにされるとは考えもしなかったでしょう。アテナ市民たちはソクラテスと告発者たちの間で右往左往していただけですし、無駄に人殺しを重ねて行きますから、愚かであるとしか言えません。ソクラテスだけが、全てを見通していたのです。

気の毒なのは、デルフォイの神託に振り回されて、わざわざ他人を論破しまくった挙句に自ら死を選ぶことになるとは当初、見通せていなかったことだと言えるかも知れません。

ソクラテスに対する嫌疑の一つはギリシャの神を信じないと言うものでしたが、ソクラテスはデルフォイの神託をかくも真剣に受け止めるほど信心深い男だったのです。

ここまで書いて、シェークスピアのマクベスのモデルはソクラテスだつたのではないかという気がして来ました。マクベスは魔女の予言をまにうけて身を滅ぼします。

もしそうだとすれば、ソクラテスの人生は修羅の道であったと言えますね。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください