「机上の空論を見事なまでに体現した事例はありますか?」とのquoraでの質問に対する私の回答です。
東条英機の国防圏の設定は机上の空論に過ぎませんでした。彼はインドネシアのパレンバン油田を獲り、そこと日本との間の航路を守るという構想を立て、航路を守る海域を守る海域くらいまで日本の哨戒ラインを広げ、後はそれを防衛し続ければアメリカを倒すことはできなくとも、不敗の態勢は維持できるとの考えを持っていたそうです。実際には哨戒ラインが広すぎたために防御は手薄になり、アメリカの潜水艦が悠々と奥深く入ってきて次々の日本の船を沈めるという展開になりました。また、アメリカ側はじっくり考えて一番攻めやすいところに集中すれば良かったのですが、日本側はどこを攻められてもいいようにガチガチにする必要があり、広すぎる防衛圏の維持に疲れ果て、各個撃破されてしまいました。