社会主義のいい点は?

「社会主義のいい点は?」とのquoraでの質問に対する私の回答です。

出発点が善意だということは信じてもいいと思います。ですが、いい点はそこだけです。社会主義は平等な分配を目指すものの、何を以て平等とするのかという哲学的な議論で必ず破綻する運命にあると思います。

たとえばサンクトペテルブルクに暮らす人と、オデッサに暮らす人に同じ分量の冬用の化石燃料を分配することはナンセンスです。社会主義であれば、役所が誰に何をどの程度分配するかを決めなくてはいけませんが、常にあらゆる分野で役所が最適解を導き出すことは不可能であるため、残念ながら社会主義は本質的に不平等を生み出す仕組みであると言わざるを得ません。地域や個々人の需要は千差万別であり、はっきり言えば市場に任せてしまった方がより適切な分配が可能になると私は思います。

おそらく、富めるものは永遠に富めるとするピケティの議論を用いて私に反論する人はいると思います。ですが、仮に世界の金融資産の90パーセントを個人が持っているからどうだというのでしょうか?その人は一人で世界の食糧を買い込み、みんなに分け与えないなどという無駄なことをするのでしょうか?結局のところ、市場に任せて人々に食糧が供給されていかざるを得なくなるのです。土地にしても同じことです。結局のところ大地主は適正価格で人々に住居を提供せざるを得ないのです。

では必需品が滞った場合はどうでしょうか?それは分配に問題があるのではなく、生産と流通に問題があります。生産と流通を一刻も早く改善するには、やはり市場に任せることで最適解を得られると私は思います。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください