「竹中平蔵は経済学者として優秀ですか?また、どのような提言を行ってきましたか?」とのquoraでの質問に対する私の回答です。
竹中平蔵さんの場合、素朴な新自由主義者という風に私は理解しています。アダムスミスの「神の見えざる手」が最適解であると素朴に信じていて、それが21世紀の現在も純化した形で政策化されるべきというのが新自由主義ですから、政策について質問されれば、より規制の少ない方へ、より自由に、という方向へと突き進もうとします。新自由主義という発想はマルクス主義と同じくらいに過激とも言える理想主義なので政策面での妥協を嫌がります。新自由主義者は①法律を守っていれば何をしてもいい。②法律はなるべく簡潔であるべき。を信じる人ですから、批判や誤解を受けることが分かりそうなものなのにパソナの会長になってしまったりとかするわけです。適法なのだから文句を言われる筋合いはないと本気で信じているはずです。パソナの会長になっていなければ、ここまで酷いバッシングにはならなかったのではないかと思いますから、そのことについては残念な選択をしてしまったなと思います。学者として優秀かと言えば、仮に経済学を諸要素をどんどん入れ込んで計算式を作って議論する学問であるとすれば、そのような諸要素を入れ込みすぎないことを新自由主義者は愛しますから、評価されにくいということになろうかと思います。新自由主義を憎んでいる人が竹中さんの発言を聴けば、あるまじき発想のオンパレードですので、殺意を抱くほどに激怒するかも知れません。ですが新自由主義に理解のある人が竹中さんの発言を聴いていると、以前はすぱっと理念通りに発言していたのに、最近はバッシングを恐れて発言がぶれるようになったな。老いたな…。と感じるはずです。