効果的な告白に関する考察‐恋愛成就‐

私は就職面接に受かるための研究を随分とやってきた経験があるので、面接では何をどのように話せばいいかというある程度の公式のようなものは頭の中にあるつもりだし、更に臨機応変に面接者に対応していくだけの胆力みたいなものも、経験を積むことによって養うことができたと思っている。もうちょっと言うと、いつ、どのタイミングで殺し文句の〇〇を言う。この人にとっての殺し文句はこれなんだな。みたいなことまで頭の中で、臨機応変に組み立てていくこともできる。かなり自信がある。そういうわけで、これまで何人もの後輩や教え子に面接の手ほどきをし、多くの後続たちの願いを叶えて来た。就職相談のコンサル業でも始めようかと思うほどだ。

だが、しかしである。私は前々から悩んでいたのだが、恋愛でも、このような公式は存在するのではないだろうか。それが知りたい、どこにそれは書いてあるのか?との疑問が前々からあったのだが、果たしてその答えはいつになってもたどり着くことができず、悶々としていた。就職と恋愛の双方での成功についてソリューションを手にすることができれば、鬼に金棒、フランスパンにチーズ、浅草寺の背景にスカイツリー、梅干しにかつおぶしである。

で、最近になって、とある女性の教え子に、そのあたりのことを質問してみた。彼女はもう大学を卒業して就職もしているのだが、それゆえにお互いもはや立場を気にせず、開け広げに意見交換できる間柄になっており、私は楽な心境で、彼女に次のように質問することができたのだ。

「私はあなたが就職活動をするとき、徹底的にテクニックを伝授した。今度は君の番だ。私が就職テクニックを伝授したように、恋愛テクニックを教えてくれないか?」

すると、25歳某一流企業総合職の彼女は、次のように即答したのである。「一回きりのプロポーズだと思うのです」と。ふむ、それでは、分からぬ。一回きりのプロポーズはどのようにすれば良いのか?すると、彼女はこう言った。

「私がなぜ、あなたを好きになったのか、どうして交際したいと思うようになったのかを順序立てて説明するのです。そしてそれは時間軸の流れに沿うのが良いでしょう。たとえば、私は〇〇という場所であなたと出会いましたけれど、当初はあまり印象に残りませんでした。しかし、〇〇というできごとを一緒に経験したり、あなたが〇〇をしている姿を見かけたりしたとき、あなたには〇〇のような特徴があることに気づき、そのことに強い魅力を感じました。もし交際を受け入れていただけるのなら、大切にしますし、2人でいい思い出をたくさん作れるようにしていきましょう」

のように言うのである。とのことなのだ。〇〇はケースバイケースで必要な語彙を入れればよいだろう。これぞ最強の告白テンプレートである。長年学生の進路相談を受けてきたかいがあったというもので、私が長年謎に思っていたことが解消された一瞬であった。



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