鎌倉の銀のすずのアップルパイ

鎌倉駅前の銀のすずのアップルパイ

先日、音楽に関係する要件があるので、鎌倉に行った。しばらくは鎌倉に時々行くことになると思う。で、鎌倉駅についた後、約束の時間までどうしようかと思ってふらっと入ったのが、銀のすずというカフェである。確かに入り口は微妙であった。バーンっと大きな写真がある。男の人二人が和装で正座しているのだが、オーナーのご先祖様らしい。で、創業は天保六年となっている。想像だがお茶屋さんだったのだろう。多分。で、それはいい。ただ、大きいバーンという看板は確かにいろいろ考えさせられるものではあった。というのも、たとえば熊本県に行けば漱石が泊まった宿という看板があって、私は少年時代に父親に連れられて旅行した時に一度だけその看板を見たことがあるのだが、漱石の顔がバーンっと大写しになっているものだった。そりゃ、二百十日の舞台になったのはこのお宿なんでしょうけれど、漱石だって生きていれば旅行もするし、旅行すればどこかの宿には泊まるのだから、漱石の人生にちょっとでもかすっていれば、漱石のドアップ看板バーンはちょっといかがなものか、観光客目当てが分かりすぎはしないかという印象を持ったのだ。なので、銀のすずの前に立った時、その看板の存在は、このお店が微妙だということを表しているのだと気づくべきだったのだ。

しかし、疲れていた私は寒かったし雨が降っていたのもあって、あまり考えずに銀のすずに入った。カフェなんて、そんなに変わらないだろう。どこへ入っても大差ないさ。あっちにルノワールがあるけれど、ルノワールは都内にもある。銀のすずはここしかないのだから、一見の価値ありと踏んだのだった。で、あまりフレンドリーとは言えないお店の人に席を案内されたのである。お店の人はフレンドリーでないというよりも、なんとなく慣れていないというか、接客業のプロ意識に欠けている感じがするというか、都内であれば短期のアルバイトでも気合の入っている人に出会って敬服してしまうのだが、そういう気合を感じられないことにやや怪訝な思いがないではなかったが、都内と比べれば神奈川県下はそういう気合の入らない接客業の人は多い。都内と比べればその比率は半端なく高い。神奈川県をdisっているように思われるかも知れないが、私も神奈川県民なので、なにとぞおゆるしをねがいたい。ついでに言うと、星野珈琲店もフレンドリーではないという点で私は行く度になんとなくショッキングなのだが、チェーンのどの店舗に入っても店員さんが迷惑そうにしているので会社の方針なのかも知れない。私に問題がある可能性もあるが、コメダ珈琲店でそのように感じたことはないし、普通そのようなことは感じない。

それはそうと、次にメニューを見てその高さにひっくりかえりそうになった。ケーキセットで2000円前後という強気の価格帯である。今さら雨の晩秋の夜に安いカフェを求めて歩くことは難しいと思ったので、やむを得ずアップルパイのセットを頼んだ。安い方のセットを頼むと、それはエスプレッソの値段だというので、ブルーマウンテンのちょっと高いセットにした。エスプレッソとブルーマウンテンの違いで300円ほどの差があった。普通のカフェでエスプレッソとブルーマウンテンで300円も違わないだろう…。と思っても入ってしまった以上は後の祭りである。しかもお皿が出てくるのはとんでもなく遅い。お店の人はギャルソン的な立場の男の人がたった一人だけで、注文を聞くのもお皿を用意するのも下げるのもこの人がしているのだ。文句を言うのはかわいそうだと本を読みながらじっと我慢。カフェに入って我慢するとはどういうことかと首をかしげたくなったが、とにかく我慢で張学良に関する本を読んだ。私は以前から張学良氏についてはいろいろ関心があったが、この待ち時間の間の読書を通じ、更に深く彼のことを理解し、あ、なるほどと思うところがあったので、それはそれでまたブログに書きたい。近いうちにyoutubeの配信も再開したいので、配信再開の一報は張学良氏についてにしようかとも考えている。(シャア論考にするかも知れないが)

それはそうとして、歴史上の人物について大きく理解を深める程度の待ち時間があるカフェはそれ自体どうなのかとも思うが、私は読書の休憩のつもりでiphoneを取り出し、鎌倉 銀のすず で検索した。あまりの評判の悪さに驚いたが、いちいちもっともだとも思った。お店の人の対応は微妙で高い。鎌倉駅前の立地はそんなに偉いのかといわんばかりの随分な言いようである。星1つ、2つが目立った。分かる。理解できる。お料理もそこまでおいしくないとの評価もあった。銀のすずの名誉のために付け加えると、コーヒーとお料理はすばらしかった。あまりのおいしさに椅子から落ちそうなほどに驚いたのだった。椅子は落ちそうなほどやや微妙だった。なぜ
アップルパイにここまで研究が深まっていながら、インテリアに関する研究は微妙なのか…やはり鎌倉駅前という立地が驕りを生んでいるのかとも訝しんだが、いずれにせよ、繰り返しになるが、アップルパイとブルーマウンテンは最高だった。果たしてあんなにおいしいアップルパイを食べる機会を再び得られるだろうかと思えるほど、人生で最高においしいアップルパイだった。銀のすずのアップルパイは一度は試してみる価値があるのでおおいにお勧めだ。

ネット上では二度と行かないという人の声が多数だった。私ももう一度行くことはないと思う。だが、一度ぐらいは行ってもいいカフェであることは断言できる。




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