今日は2017年9月1日です。昨日、voice of Americaの中国語版を見ていたのですが、北朝鮮のミサイルが日本の北海道を飛び越えて太平洋に落ちたこと、日本の反応、更には今後の日本の軍事力の強化の可能性などについて議論していました。
voice of Americaがアメリカのプロパガンダメディアであることは言うまでもないことですが、このメディアでこういった話題を取り上げて議論する背景には何があるのでしょうか。当該の番組では日本の軍事費が増加傾向にあること、しかし日本には憲法上の制約があること、更に靖国神社の話まで話題が及んでいました。現行憲法と過去の戦争に対する反省が日本にとって呪縛なのか歯止めなのかはともかく、軍事に関して日本にできることには限界があるということには異論のある人はあまりいないと思います。
voice of Americaを時々見る限り、わりといけいけというか、俺たち、ちょー西側、自由と民主主義を守る感満載なわけで、こういった場合はどちらかと言えばタカ派的な意見を前面に出すことが多いため、通常の感覚なら北朝鮮のミサイル発射に対して米軍はどうでるかというところに焦点を当てそうなところですが、日本の軍事力に焦点を当てているということは、アメリカ軍が本気で北朝鮮と事を構えるつもりはないということを意味しているように思えます。で、日本には上に述べたような制約があるということを確認しつつも、東アジアの自由と民主主義の価値観を守るためには日本に仕事をさせたい、日本に分担してほしいというのが当該のメッセージではなかったかと私には思えます。
北朝鮮がアメリカに直接撃ち込むという自殺行為をするとは考えられませんから、アメリカ軍が手を出さない以上、戦争にはならないと見るのが妥当ではないでしょうか。朝鮮戦争以来、アメリカでは日本の再武装を望む声は決して小さくなく、日本人は真面目ですから使い勝手のいいアメリカ軍東アジア支部として日本の軍事力を使いたいはずです。その一方で繰り返しになりますが上に述べたような制約があるわけですから、二律背反な状況が過去数十年続いていたと言ってもいいかも知れません。これから日本は北朝鮮のミサイルの重圧を受けながら生きて行くのかと思うとかなり気が重いですが、かといって戦争になれば下手をすれば数百万人のマスマーダーになってしまう恐れもあるわけで、簡単に「やっちまえ」と言う勇気も私にはありません。
いずれにせよ、短期で解決する問題ではなさそうなので、じっくりと構えて成り行きを見守るしかないようです。
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