人は多くのものを欲しがります。私もそうです。いろいろなものが欲しいです。いい服、いい友人、いい食事、いい恋人、いい家族、いい肩書、いい車、いい家etc…しかし、こういったものに対してほしいほしいと思い続けていると、時として欲望に振り回され、自分を見失ってしまうことになりかねません。自分を見失ってしまった状態で成功したり、幸福になったりすることは不可能と思いますから、ほしがる心理を自らコントロールすることが、結果としてよりよいいろいろなもの、有形無形のものを手に入れる近道になるのではないかと思います。
美食は不幸の始まりという言葉があります。あのお店のあのお料理が食べたい、あのお店のあの人が作ったあのお料理が食べたい、あのお店のあの人が作ったあの素材を用いたお料理が食べたいという風に、美食を追求し始めると食事で満足できる回数が減っていきます。食事に満足できないことは不幸です。むしろ、前回にも述べましたが、卵かけごはんで満足できることこそ、幸福になるための近道と思えます。
友人や恋人、職場環境についても場合によっては同じことが言えるかも知れません。幸福な人生のためには良い友人や良い恋人、或いは良い家庭や良い職場環境を得ることは重要なことです。しかし、気に入らないからと言ってよりよいものを求めて渡り歩いたり、とっかえひっかえしている人にそのようなよりよい人間関係がもたらされる可能性は低いのではないかと私は考えています。これは自戒も込めて書いていますが、今目の前にいる人よりも大切な人はいません。今の友人より良い友人はいません。今の恋人より良い恋人はいません。今の職場より良い職場はありません。なぜなら、今、目の前にいる人は、あなたの目の前にいることに価値があると思うからこそ目の前に現れてくれているのです。その人を大切にせずに人間関係が広がっていくことはありません。今の恋人はあなたの価値を認めているからこそ、あなたと交際しています。その恋人をふってまであなたを愛する人に出会う確率はそれほど高くありません。家庭もそうです。職場環境もそうです。今の職場はあなたに給料を払う価値があると考えるからこそ、あなたに職場環境を提供しています。そのことを分かった上での転職はもちろんあっていいと思いますが、今の職場に恵まれているという感覚を持つ事が出来ない人は、次の職場に行っても恵まれていないと感じることでしょう。もちろん、ブラックな職場やサイコパスとの人間関係は人生の破壊をもたらしかねませんから、そこには見極めが必要です。もしブラックだとすれば、或いはサイコパスだとすれば、恋々とせずに断ち切る勇気も必要になります。ただし、たいていの場合はそうではないはずですから、簡単に切り捨てるということはお勧めできません。
人間関係や職場環境はあなたが成長すれば自然により良いものになっていきます。追及すると逃げていくのはお金も異性も環境も同じです。私は行き詰まりを感じた時は、必要なものは全て今、目の前にあると考える自己訓練をするように心がけています。結果として今の環境や関係を大切にすることになりますから、少しずつ物事が良くなることが実感できることが多々あります。今でも日本は最高クラスに環境の良い国ですから、大抵の場合、必要なものは目の前に存在するはずです。ないものねだりをする前に、目の前のものを大切にするということに目を向けるのはどうでしょうか。これも自己訓練の一環となり、自分の成長を促す材料になるのではないかと思います。
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