昭和史31‐経済警察

とある情報機関の機関紙を読んでいると、昭和13年9月21日付の号に「経済警察に就いて」という記事が掲載されているのを見つけましたので、ちょっと紹介したいと思います。

曰く、日中戦争で何かと物入りだから、経済を統制し、物資の流通も統制する特別な警察組織が必要になったとのことで「銃後の国民は前古未曾有の大聖戦(日中戦争のこと)際し政府の示す経済統制法令服して以て戦争目的を達しせしめなければならない」としています。現職の警察官が経済統制の取り締まりの担当部門に配置され、横流しやヤミ市への物資流出があれば取り締まるとのことらしいです。『この世界の片隅に』でも、配給切符でもらえるものは少ないのに金さえ出せばなんでも買えることにすずさんが驚く場面がありますが、まさしくそういうものを取り締まるというわけで、表向きの物資が困窮を極める中、経済の主体が地下化していくという非常にまずいパターンに日本帝国が陥りつつあったことが分かります。この資料を読んで経済警察なるものが存在したと初めて知りました。それまではどのみち警察が適当に担当者をあてがっていたのだろう程度に思っていましたから、個人的にはなかなか大きな発見です。

当該の号では、屑鉄の収集を内地でやっていたけれど、更には日本の傀儡政権のある華北地域でも同じことをやると告知しており、物資の不足が相当に深刻化していたことが分かります。このブログで毎回のように書いていることですが、どうしてそこまで蒋介石を敵視しなくてはいけないのか、はっきり言ってさっぱり理解できず、コミンテルン陰謀説がやっぱり正しいのかとすら思ってしまうほど、日本帝国はナンセンスなことをしていたとしか思えません。しかも、このように切羽詰まった状態でありながら、もうちょっとしたらアメリカと戦争し、イギリスとも戦争するというわけですから、そりゃ、勝てません。勝てるわけありません。もう泣くしか残されていませんねえ。

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