日経新聞がフィナンシャルタイムスを買収したことは記憶に新しいですが、そのフィナンシャルタイムスで日本の労働習慣に対して厳しい意見が述べられています。
日本人の労働時間が長く、「働きすぎ」とも言える状態になっており、しかも少子化で今後は人材不足が確実視されており、一応は労働時間の短縮が検討されてはいるものの、記者の考えでは今年の夏あたりにも今のトランプ相場の揺り戻しがあるだろうから、時短はそれを見越してのことではないかとの見方を示しています。過去にも石油ショックやリーマンショックの時に似たような時短の試みがなされたことを例に出して論じられており、私の印象としては「揺り戻しのトランプショックに備えて時短しようとしている」と言いたいように感じられました。日本の派遣労働についても批判的に述べており、全体としてかなり厳しい論調になっています。
私も以前は会社から給料をもらう身でしたので、絶望的に帰宅させてもらえない、その日のうちに帰れないという毎日の「しんどさ」のようなものはよく知っているつもりですので、時短、大いに歓迎と思います。当時を振り返ってみると、拘束時間が長かったわりには仕事をしたという実感はあまりなく、日本の会社習慣ではその組織に属しているということを長時間職場にいることで証明することに意義が見出されているという感じでしたので、「働きすぎ」というよりは「拘束しすぎ」という方が近いのではないかという気がしなくもありません。
フィナンシャルタイムスの記者が上のような論調で述べた背景には現政権が時短に取り組むというニュースがあったからに違いありませんが、東京の特派員の多くは日本のメディアをよく観察して配信内容を組み立てていますので、これもそういう感じのものだという印象を得ましたが、記者の指摘があながち間違ったものとも言えないと感じられる部分もありました。
指摘によると、トランプ政権がまず間違いなく保護主義に走る以上、世界経済の冷え込みは避けられず、円はやがて値上がりしていく上に、投機筋は既に上がり切った相場を見ながら売り時を探っているというのです。一理あるようにも思えます。
アメリカのような巨大な内需国が保護主義に走れば、外需産業にとっては好ましいことではありません。ましてや東芝の危機がありますので、もし年内に東芝がなくなるみたいなことになったら、日本失墜という印象を抱いたまま落胆の年末ということもあり得ないことではありません。
とはいえ、日本はアメリカに次ぐ内需国ですから、そろそろ外需頼みというある種の思想から逃れ、内需新興を真剣に考えるのがいいのではないかと個人的には思えます。思い切って消費税5パーセントに下げることができれば、日本の内需は一機に活気づき、外需がどうこうということを忘れてしまえるくらいになるかも知れません。ごくごく個人的には消費税率の引き下げを公約に今年の秋に解散総選挙を打ってもらえないものだろうかと願っております。
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