トランプ氏は多分、マイルド鎖国をやるつもりだと思う件

さて、すったもんだあったものの、トランプさんがいよいよアメリカ大統領に就任しました。これまで英語メディアではpresident electと彼を呼んでいましたが、今後は正真正銘のプレジデントということになります。

さて、史上稀に見る低い支持率とともに、史上稀に見る品性のない就任演説だったと言われていますが、それはともかく、これまでの発言なりツイッターなり報道なりを見ていると、だいたいトランプさんが何をやろうとしているのかが見えてきたように思えます。

要するにこれまでの海外で作った安い製品をアメリカに輸入するのではなくて、アメリカで作った高い製品を国内で地産地消しようというわけです。自由貿易なんかやってらねぇし、NAFTAもぶっちゃけやめたいし、多分、何ならWTOから抜けたっていいんだぜ。という方向性であることに違いはないように思えます。

さて、それが果たして吉と出るか凶と出るかということが気になるところですが、アメリカは世界最大の内需国ですので、自由貿易から一抜けしたとしても、実はそんなに痛みがありません。外需依存、輸出依存度が高ければ高いほど自由貿易に頼らなくてはならないのですが、ぶっちゃけ輸出依存度がやたらと低く、世界中のプロダクトが集まってくるアメリカにとって、輸出しやすいようにする必要性は低いので、これはもしかすると、吉と出るのではないかという気がしなくもありません。アメリカ製品の地産地消ということになれば、物価は上がるはずですが、物価が上がってもその分雇用が増えるのであれば、政策としては正しいと言えるように思えます。これからインフラにがんがんお金を突っ込むということらしいので内需が盛り上がりますので、今でもかなり完全雇用に近いアメリカですが、更に雇用が増えるとなると賃金の上昇も見込めますので、貧困層も減少し、もしかするといいことづくめになるかも知れません。

繰り返しになりますが、こういう芸当ができるのは内需が大きい国だけですので、外需依存の国はマネするわけにはいきません。

さて、日本ですが、日本はなかなかの内需国家でぶっちゃけそんなに輸出を気にする必要はありません。戦後、確かに日本はいわゆる加工貿易で成長を成し遂げたことは事実なわけですが、既にそういう段階は終わっており、アメリカの次ぐらいに外需依存度が低い国になっており、そういう意味ではあんまり自由貿易にこだわらなくていいというか、自由貿易でないと日本は大変だ…というのは結構、幻想の領域なのではないかと私は個人的に思っています。日経平均が貿易と連動している(円が下がれば株価が上がる)ということは事実ですので、外需を全く気にしなくていいのかと言えば、もちろん完全にそうだと言い切ることができない面はありますが、株価そのものが、前述の幻想に動かされて推移している面もまた否定できないように思います。

ドナルドトランプさんの大統領就任演説で「アメリカファーストじゃぁぁ、おりゃぁぁ」の結果、週明けには株が下がるのではないかなあと思いますが、一喜一憂せず、いわゆる「パラダイス鎖国」を享受すればいいのだと、思考様式を切り替えればいいのではなかろうかという気がします。

理念としての自由貿易には私は個人的には賛成です。

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