麻生太郎内閣‐リーマンショック

福田康夫内閣の総辞職を受け、衆議院解散の次期が迫る中、火中の栗を拾わされる形で首相の座についたのが麻生太郎でした。既にいつ衆議院選挙をやってもいい時期に入っており、麻生内閣も発足直後から解散の次期を探り始めます。ただ、運の良くないことにリーマンショックが世界に影響を及ぼしており、日本でも不景気の波が押し寄せ、政権党人気凋落は必至という巡りあわせになってしまいます。

100年に一度の金融危機ですので、これは小手先でなんとかできる範囲のものではなかったかも知れません。国民に商品券を一律一万いくらだかを配るという策にも出ましたが、空気を変えるほどの効果を挙げることはできませんでした。消費税を3パーセントに下げるくらいのものをぶち上げれば風向きが変わったかも知れないですが、さすがにそれは財政再建派の反対強すぎて手を付けられなかったかも知れません。小泉純一郎は麻生さんに「二院制廃止くらいの派手なのを打ち上げた方がいい」とアドバイスしたというのを聞いたことがあります。

民主党が参議院を抑えているため、そもそも内閣でできる仕事にも限界があり、不景気で、いろいろ意味で発足当初から窮している感が強かったですが、そこに麻生さん本人への非難めいた報道がいろいろと湧き上がってきます。人相が悪いとか、親から受け継いだ資産で贅沢しているとか、口が悪いとか、そういうのが噴出します。

おそらくは麻生さん本人もそういった報道にプレッシャーを感じていたのでしょう、どんどん人相が悪くなり、過度なストレスに悩んでいるけど首相として快活そうに振る舞わなくてはならないという気の毒な立場に立たされてしまいます。

このままいけば次の衆議院選挙で民主党が勝利して小沢一郎首相の誕生という流れになりそうでしたが、小沢一郎の政治資金団体の土地取得問題がやり玉に挙げられ、小沢一郎が代表から退き、鳩山由紀夫が後継代表となり、続く衆議院選挙で民主党が圧勝して鳩山由紀夫首相、民主党政権時代が始まることになります。

屈辱的な形で退陣することになった麻生さんですが、今の方が生き生きしている感じに見えますから、まあ、これも人生くらいに思っていいのかも知れません。


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