宇野宗佑内閣‐実はメルクマールだった

長期政権になると予想されていた竹下登内閣は、リクルート事件で退陣を余儀なくされ、竹下の後継首相ともなれば火中の栗を拾うのも同然で首相のなり手がいない中、中曽根派の宇野宗佑が選ばれます。

印象としてはあっという間に首相を辞めた人でしかありませんが、なんと首相に就任した直後に天安門事件が起きており、宇野首相は第三次円借款を凍結すると同時に「中国を孤立させない」とも発言しており、めちゃめちゃ微妙な難しい時期のかじ取りをしています。ぱっとしない人が場所を得るとイキイキと活躍して後世に名を遺すということはありますが、週刊誌に過去の愛人のことが報道され、一機に失墜していきます。

リクルート事件はもちろんまだ終わっておらず、自民党が超不人気だったことに加え、宇野首相の愛人報道で、不人気は絶頂を迎えてしまい、その大不調の中で参議院選挙が行われ、自民党は改選議席を半分近くまで減らして過半数割れとなり、その責任を取って退陣します。
しかも責任を取らされるために首相になった人みたいです。しかも愛人報道で完全に面子を失い、晩年を汚すために出世したのかとすら見えてきて、本当に気の毒だとしか言いようがありません。田中角栄も三木武夫も愛人が大勢いたことで知られていますから、宇野さんだけが愛人で叩かれるというのは不公平なようにも思えてしまいます。

そうは言っても、宇野宗佑内閣は現代政治につながる大きなメルクマールであったとも思えます。まず第一に、自民党はその後20年間、参議院で過半数を制することができず、公明党との連立が常態化していきます。現状では自民党は衆参共に過半数を抑えてはいますが、自公の選挙協力が普通の状態になっているため、公明党の協力は今の自民党にとって無くてはならないものになっています。

また、当時、世界非難の的になった中国に対して、国際社会復帰への微かな道を示したという点でもメルクマールと言ってもいいとも思えます。

上の二点が良い事か悪い事かは人それぞれの判断と思いますので、ここで判断することはしませんが、宇野さんがあまりにも気の毒なので、そういうレガシーはあったのだということを書き残してあげたいなあなと思った次第です。

宇野宗佑首相が辞任した後は、海部俊樹氏が次の首相に指名されます。


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