最近はチェックしなくなったのですが、Russia Todayというネットワークニュースをよく見ていた時期がありました。アンカーの英語も完璧で聞き取りやすく、やっぱりよく狙ったもので目の覚めるような美人が元気よくニュース解説をするので、ついつい見てしまうという感じでした。youtubeでのコメント欄にも「かわいい」「今日も素敵だ」などの書き込みが多く、世界のおっさんたちをぞっこんさせてしまう、太平洋戦争の時の東京ローズみたいになっています。事実上、voice of russiaみたいな役割を背負っていると見て良く、ロシアが世界情勢に対してどういう視点を持っているかということを知るのにちょうど良く、ロシア事情について私は全然明るくありませんが、ロシアが何にどう出るかということには関心はあります。
さて、私が以前、よく見ていたころは、トランプ大統領の誕生などということについては微塵も予想させない時期で、「オバマ氏がTPPに本気らしいよ」という感じのことをよく話題として取り上げていました。もちろん、前向きな報道ではなく、アメリカ国内に於ける反対運動、結果としては日本の自動車部品がアメリカを席捲してアメリカ人の職を奪うことになるのではという見方など、TPPなんて全然良くないぜ、というスタンスのものが多かったように記憶しています。
日米関係についても「日本の憲法を書いたのはアメリカ人だ」みたいなことをさらっと言いのけていて、それはその通りなのですが、あまりにさらっと言いのけることにおーっと驚いたりしていたものです。
さて、TPPは事実上ご破算になることは大体はっきりしている昨今と思いますが、ロシアのような国から見ると、日本とアメリカで楽しく仲良く経済発展を享受しようとしているように見えていたらしいということが、Russia Todayの報道からよく分かってきます。そういう意味では実はTPPはやったほうがよかったのでは?と思えなくもない反面ISD条項が実際にはどう活用されていくかがよく分からないという不安もあって、ご破算になって難しいことを考えずに済んでよかったという思いもあります。
個人的にはヒラリーさんが「日本に譲歩し過ぎたTPPの交渉を見直す」という発言からも感じ取れるように、日本は交渉でわりと勝てた要素が多かったはずで、安倍首相がTPPがご破算になると分かった上でも関連法案を通したというのも、既成事実を積み重ねることでアメリカから余計なことを言われないようにするという意図があったのではないかと思えます。
まあ、いずれにせよTPPは事実上過去のものですので、今後は日米FTAということになるのでしょうけれど、ISD条項さえなければ個人的には自由貿易大賛成ですので、その辺りも今後を見守りたいと思います。
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