北方領土悲観説

プーチン来日を控え、北方領土が還ってくるかも、歯舞色丹に限って言えばかなり期待できるかもという話が流布する昨今ですが、実はそんなにうまい話になるわけないという悲観論も流布しているようです。

私にはどうなるかは判断する材料はありませんが、悲観論について少し考えてみたいと思います。というのも、通常、一旦奪われた領土が交渉で戻ってくるというのは、まず考えられない超レアケースだからです。

沖縄、小笠原、奄美が還って来たのは、日米安保によって東アジアでのアメリカの軍事的なプレゼンスが維持される、悪い言い方をすれば日本に対する事実上の占領状態(日本中に米軍基地があるわけですから…)が続くというのが前提で、それでもかなりのレアケース、ノーベル平和賞獲っても全然不思議ではない事例だったと思えます。

香港が速やかに中国に返還された時、イギリスは当初九龍半島だけを返還して香港島は維持する構想を持っていたものの、鄧小平さんが場合によっては戦車を出す構えで臨み、ようやくイギリスが99年租借の約束を守ったと言われています。

日本がプーチンさんに対して「場合によっては戦争する」という構えを見せることはもちろんあり得ないですし、私もそのようなことは望んではいません。結局のところ、端的に言ってお金で買えるかどうかという話になるわけですが、当然、先方はできるだけ高く売りたい、一番いいのは鰻の香りだけで銭を取りたいと考えるに違いないので、あんまり期待するなということらしいです。この方が筋の通った常識的な話のように思われて、寸土でも還ってくると考えるほうがむしろ不思議なことにも思えてきます。

ここまで来ると陳腐とは分かっていますがいわゆる「交渉力次第」ということになってしまいますので、全く判断の仕様がありません。

北方領土が還ってくれば解散総選挙で空前の勝利ももちろん考えられますし、第三次補正予算が組まれることになれば「返還の見込みアリ→勢いで解散か」という話にもなるようですが、このところそういった話題が流布しては火消しされるの繰り返しで、腹の内が読めません。

私の個人の感じで言えば、安倍さんは前回の参議院選挙でダブルにしなかったことが悔やまれていて、それ以上のタイミングでないとせっかくとった圧倒的多数を失うのが惜しいという心境もあるのではないかと思います。というのも普通に考えて支持率が好調な時に衆参ダブルで安定多数任期延長は定石ですので、そこを敢えて外したウルトラCというのはちょっと考えにくく、それこそ「北方領土返還」くらいの離れ業が必要というか、自分でハードルを上げてしまっていることになってしまったように見えてしまうのです。想像です。印象です。推量です。憶測です。ごめんなさい。

私は北方領土を還してもらうのはロシアに長期租借して99年後を狙う(島民の人は希望次第で早期に帰れるよう特別な措置をとる)のが一番現実的なのではないかと思いますが、私が勝手にそう思っているだけです。すみません。

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