ヒラリークリントンさんのクリントン財団の話題が炎上していますが、その一方で、ヒラリーさんはトランプ氏は偏見に満ちたレイシストだという主旨のスピーチをしています。以前、ヒラリーさんはトランプ氏の「金の亡者」ぶりを批判していました。彼は何度も会社を潰し、その度に人々が職を失い、一方でトランプ氏だけが大金をせしめて去って行く、これを何度も繰り返したと批判していたのです。
ところが、クリントン財団の話題が炎上したことにより、「お金についてはどっちもどっち…」という印象が広がっているように見受けられます。慈善団体が寄付を受け取るのは普通のことですし、ある種の見返りというかサービスとして大口の寄付者にヒラリーさんが直接会ったり握手したり一緒に写真を撮ったりというのは、別に悪いことでもなんでもないです。ただ、私的メールサーバー問題との合わせ技になってしまい、本選の投票日までに全容を明らかにするという流れになって、これは、まあ、はっきり言って頭が痛いというか、ここに来て不安定要素になってしまいました。
そこで、お金以外の切り口からトランプ氏を攻撃するという作戦を前面に出すという方向に舵を切ったと言えるかも知れません。トランプ氏とヒラリーさんの対決ということになれば、いずれ、人種主義に関する話題を取り扱わなくてはいけません。ここを曖昧にしたまま有権者に「どっちか選べ」というのもちょっと難しい気もします。
直接対決ではヒラリー氏がトランプ氏を「レイシスト、勉強不足、民主党から共和党に乗り換えるという無節操人間、税金もちゃんと本当に収めているのか?」辺りで攻撃し、トランプ氏はヒラリー氏を「嘘つき、金の亡者」で攻撃するという展開も予想され、互いに罵り合うというのはなかなか見苦しいですが、長い大統領選挙もいよいよ大詰めということで、互いに言うべきことは全部言って、本選挙の投票日を迎えてもらいたいとも思います。
どちらも脛に傷を持つ、はたけばほこりの出る体とも言えますが、これまでに世論調査ではヒラリーさんが三歩も四歩も引き離していますし、トランプ氏も敵失に助けられる部分はありそうですが、トランプ氏自身の何かが光り輝いて有権者の心を掴むというのはあんまりなさそうに思います。演説力という点ではヒラリーさんの方が格段に優れていることは間違いありませんが、ネバダでのスピーチでは表情が厳しく、サンダース氏がレースから降りた直後のころの心理的余裕が失われているように見えなくもありません。次から次へといろいろしつこいくらいに炎上ネタが出てくるのに嫌気がさすでしょうし、長期の選挙運動の疲れもたまっているのではないかと思います。
いずれにせよ、やっと終盤に入ったということで、その成り行きを見届けたいですが、本当にぎりぎりまでどんなことが飛び出してくるか分かりません。
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