ムーミン一家がリビエラにバケーションに行った話

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ムーミンの彼女が雑誌にリビエラ特集を書いてあるのを発見します。リビエラは世界の貴族や女優、映画監督などが集まって夏休みを過ごすフランスのリゾート地だということなので、是非行ってみたいと言い出します。

ムーミンパパがDIYで舟を作り、難破の遭難のリスクを負い、実際に一回遭難し、それでも諦めずにリビエラを目指し、ついに到着します。

高級なホテルの入り口で名前を尋ねられたので「ムーミン谷のムーミン一家だ」と答えると「ご領主様ですね」と、最高級のスイートルームに通されます。一泊何十万円とかするやつです。まさか後でお金を請求されるとは想像もしていなかったムーミン一家は、親切でいい部屋に泊めてもらっているのだと信じ、そこで過ごします。そもそも普段からお金を必要としないムーミン一家にとって、その部屋に泊まるには高額なお金が必要だということ事態がよく理解できません。

ムーミンの彼女にイケメンが近づきます。ムーミンの彼女も誘惑されかかっており、二人は日を追うごとに怪しい感じになっていきます。ムーミン大激怒です。

ムーミンの彼女は自分もビーチで素敵な水着を着て、イケメンと遊びたいと思うようになります。普段は何も着ていないのに、海に行ったら水着が着たいと思うと言うのは制作者のユーモアも入っていると思います。

ところが水着がたいへんな高級品で、ムーミンの彼女に買えるようなものではありません。人から「カジノに行けば儲かるよ」と言われ、たった一枚持っているコインを握りしめ、カジノへと向かいます。ビギナーズラックで大勝ちし、ディーラーが「そろそろ、こいつ、負けさせようかな」と思う直前でムーミンの彼女は「充分に儲かったから」とカジノを去ります。

望みの水着を手に入れた彼女はイケメンとラブラブです。残りのお金は地中に埋めてあります。

彼女が都会のイケメンに奪われつつある現実にムーミン大ショックです。ムーミンママも心配になり、二人でホテルの部屋を出て、ビーチにテントを立ててそこで暮らすようになります。そして、ムーミン谷へ帰ろうということになります。

ところが清算の時になると、莫大な金額を要求されます。そりゃそうです。何日も高級スイートで好き放題に飲食していたのです。普通のホラーを見るよりよほど怖いです。観ている側の背筋が凍り、冷や汗が流れます。

ムーミンの彼女が埋めてあったお金を掘り出して支払いを済ませます。それでもお釣りが来るのですが彼女は「普段、お金が必要ないから、つらはいらねぇ」と言います。そりゃ、お店の人も大フィーバーで熱烈お見送りです。

貧富の格差に対する強い批判、お金=幸せではないという人間主義が描かれます。資本主義への痛烈な皮肉ともとれますが、ムーミン一家が「ご領主様」と判断される背景にはヨーロッパの階級社会があります。

私はムーミン一家の価値観はとても美しいものだと思います。ただ、一つだけ疑問が残ります。ムーミンのパパはウイスキーが大好きです。よく瓶ごと飲んで幸福な気分で酔っ払います。酔っ払うことはいいのですが、ウイスキーを手に入れるお金はどうしているのでしょうか?

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