映画『シュウシュウの季節』と文革

文革を激しく批判する作品です。中国国内では上映禁止らしいです。監督も原作者も出演者も中国人で、使われている言葉は中国語ですが、分類としては「アメリカ映画」になるらしいです。監督のジョアンチェンはアメリカの市民権を得ていますので厳密には「監督は中国人」と言ってはいけないかも知れないですが、そういう複雑な背景を持つ映画です。ついでに言うと、ジョアンチェンは『ラストエンペラー』や『ラストコーション』に出演している女優さんです。

成都で暮らすシュウシュウという女学生が下放運動によって地方に送られます。彼女はそこで遊牧生活をすることになります。遊牧キャンプをやっているおじさんがいて、シュウシュウの面倒を見ます。

シュウシュウはなんとかして成都に帰りたいと思っていますが、一向に方法がありません。唯一の手段は成都につてのある男に身を任せ、どうにか糸口を掴むことだけだと彼女は思い定めます。最初の男が来てから後、何人もの男が入れ代わり立ち代わりにやってきて、彼女の体を好きにします。おじさんは手をこまねいて見ていることしかできません。その様子は、それはもう酷いもので、映画なのに見ていられません。シュウシュウはに「男は成都へ帰るための鍵」と言いますが、成都に帰るきっかけなんか全然生まれません。

やがてシュウシュウは妊娠し、おじさんが街の病院に連れて行きますが、手術を終えた後も病室に男が来ます。人生に絶望しているシュウシュウは抵抗せずに受け入れます。

退院したシュウシュウは人生を終えることを決意し、身ぎれいにし、髪を整えます。彼女の決意を理解したおじさんが銃でシュウシュウを撃ちます。

ただただ悲しいだけの救いのない映画です。シュウシュウが可愛いです。可愛すぎて死にたくなってしまいそうです。こんな可愛い女の子がこんなに酷い目に遭うなんて赦せん!という感想になります。

政治色が強いと言えば、政治色の強い映画です。このあたり、華人の中の世界のことなので、日本人の私がどうこう言える立場でもありません。ただ、こういう映画もあると知り、背景には複雑な政治があるということについて考えることは意味のあることのように思います。

中国語の題名は『天浴』です。だだっぴろい草原に穴を掘って水を溜めると日光で水が温まって行水ができます。広い自然の中で行水するのは気持ちよさそうです。英語の題名は「Xiu Xiu: The Sent Down Girl」になるらしいです。




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