台湾は海に囲まれた島国ですから、漁業が盛んです。では、お魚がおいしいかというと、必ずしもそういうわけでもありません。以前、香港で食べたお寿司はおいしかったですし、パリで食べたお寿司もなかなかいけました。台北のように水産資源に恵まれているはずの土地でどうしてあんまりおいしくないのかという疑問が常にあるのですが、ここからは私の想像ですけれど、流通経路的にいいお魚は築地へまっしぐらという仕組みになっているのかも知れません。香港のお寿司がおいしいのも、そういう流通経路が確立されているのだろうと私は想像しています。
それはそうとして、それでも最近は台北で食べられる海鮮ものの味は格段に向上しています。いわゆる四小龍と呼ばれるエリアの中で発展があまりぱっとしなかった時期の長かった台北ですが、鴻海がシャープを買収したことでも分かるように、今や飛ぶ鳥を落とす勢いと言っていいところまで来ています。おそらく、台北市内の一般的な家庭の生活水準は日本のそれと同じか、場合によってはちょっと高いということもあり得ます。購買力平価は何年も前に日本よりも高くなっていますが、購買力平価そのものが経済力を知る上で有効な指標とも言いにくいので、それはさておきます。いずれにせよ、中国の経済発展に伴い、台北も飛躍的な発展を遂げ、消費者の求めるものの質が向上し、最近ではいい海鮮を出さないとお客が納得してくれません。というわけで、近年はお金さえ払えばいいお魚を食べることができます。
今回行った海鮮のお店はまあまあ安めな感じですが、そのわりにはわりかし豪華。サーモンもホタテも入っていて充分においしいです。酢飯なので夏の暑い日にはさっぱりと夏らしく楽しむことができます。日本人の我々にとってなじみがないのは、丼の上にのっている黄色いお刺身です。これはなんでもニシンなのだそうです。この写真で言えば奥の方、サーモンの隣にあるお刺身です。子持ちのニシンが人気があります。日本でニシンと言えばニシンそばぐらいでしか食べたことがないので、まさかニシンが黄色いとは想像もしていませんでしたが、食べてみると数の子みたいでコリコリしていておいしいです。
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