東京を中心に店舗展開しているつばめグリルは、まさにザ・洋食。ハンバーグのおいしいお店としてよく知られていると思います。
1930年創業と歴史も古く、それこそ谷崎潤一郎が東京と大阪の料理の違いについて書いていたころから存在していた由緒あるお店だと私は理解しています。
つばめグリルに行けばなんといってもハンバーグです。ハンバーグセットです。セットにはパンかライスが付きますが、個人的にはやっぱりライス。肉とライスの組み合わせは感涙もののおいしさです。味はまさしくザ・洋食。日本でしか食べられない、子どものころに家族で食べたあの洋食の味です。存在してくれていて本当にありがたいです。
焼いたじゃがいもが一個まるまるついているのに感動します。いろいろな種類のハンバーグがありますが、個人的に一押しなのは、ホイルで焼いたつばめハンバーグです。熱でパンパンに膨らんだホイルをナイフで切ると、ハンバーグが登場します。ああ、久しぶり。また来たよ。とハンバーグに微笑みかけたくなります。変な人だと思われたくないので本当に微笑みかけることはありません。一人で黙々と食べます。
ホイルを切るとぼわーっと湯気が出てくるところもたまりません。感動的です。
池波正太郎さんの『散歩の時何か食べたくなって』なら、お店の人にインタビューして人生物語を書いていくことになるのですが、私には度胸がないので、そんなことはできません。黙々と食べ、少し他のお客さんの様子を観察したり、お店で働いている人の様子を観察したりします。観察しても特にそんなに凄い感想や発見はありませんが、いろいろなところで人を見るのが楽しいですし、そういうのが好きです。最後はハンバーグとハンバーグを作ってくれた人に心の中で感謝の言葉を述べ、お水をたっぷり飲んだらさっと立ち上がってお会計のレジへと向かいます。
渋谷のつばめグリルに行った時は、そのまま信州屋さんに行くこともあります。食いしん坊も考え物です。安くておいしい地味ながら幸福な個人的な渋谷グルメコースです。
つばめグリルが渋谷と二子玉川にあることは知っていますが、他にもたくさん店舗があるみたいです。私が気づいていないだけです。
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