ボリスジョンソン氏が保守党の次の党首にはならないと発表した件

BBCに拠ると、ボリスジョンソン氏が次の保守党の党首にはならないと発表したそうです。というか、本人がそう発言しているところをBBCが配信しているのでボリスジョンソン氏本人がそう言っています。

イギリスがEU離脱するかどうかは世界的な関心事で、私たち日本人も注目していましたが、ボリスジョンソン氏が次の保守党の党首になるかどうかとか、次の首相になるかどうかとか、関心を持っている人はあんまりいないと思います。私もボリスジョンソン氏ご本人に特に関心があるというわけではないです。

ただ、そんなことよりも、ボリスジョンソン氏がなぜ保守党の党首を目指さないことにしたのかというのは、イギリスのEU離脱事情を観察する上で考える価値のあることのように思います。

ボリスジョンソン氏はEU離脱派のリーダーで、国民投票になるまでさんざん離脱を煽って来た人です。しかし、実際に国民投票の結果が出てみると人々が動揺し、後悔の声が上がっていることは知られています。言い換えると「ボリスジョンソンに乗せられてえらいことになってしまった」と思っている人が多いため、党首になっても選挙に勝てない、かえって批判票が出やすいという判断が働いたように私には思えます。政治家は上を目指すのが基本です。首相になれる可能性があるのなら、目指したいはずです。しかしご本人の弁によると周囲と相談して決めたとのこですので、周囲から「やめたほうがいい。あなたでは選挙に勝てない」というような声があがり、ご本人もあまり傷が深くならないようにしたという感じがします。

国民投票そのものは法的拘束力がないそうです(なんじゃそりゃ!)。キャメロン首相は国民投票をやることが公約でしたので、その結果を尊重しないわけにもいきませんが、次の首相は知らぬ顔で通すことも法律的には可能です(民主主義の精神を無視することになりますので、誰が次の首相になっても、それをやる度胸のある人はいないでしょうけれど)。また、表面的にはEU離脱ということにし、EUと関税協定を結びなおすとかの方法で事実上何も変わらないと言う裏技も現状では模索されているものと考えることができます(EU側は「世の中そんなに甘くないですぜ」という対応をするでしょうけれど)。その際、ボリスジョンソン氏では裏技は使いにくいです。それまで煽って来ただけに、きっぱりと別れるという方向に事を運ばざるを得ません。そういう意味ではイギリスの国益的にも「ボリスジョンソン氏ではちょっと…」ということも言えそうです。

もしトランプ氏が大統領になって、ボリスジョンソン氏が首相になったら両者の首脳会談は見ものでしたが、そういうことにはならないようです。イギリス人が決めることですので、私がどうしたほうがいいとか言うことではないですが「おもしろい」首脳会談が見れなくなったのはちょっと惜しい気もします。

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