イギリスのEU離脱による市場の混乱は早晩調整されるが、長期的にはじわっと響いてくる

イギリスのEU離脱により、月曜日は市場の混乱が見られ、あちこちでパニック売りに近い現象が見られましたが、東京が若干持ち直しており、今後は人々も冷静になって徐々に混乱は調整されていくと思います。

ではそれで安心かというと、そういうわけではなくて、数年かけてじわっと影響してくるはずです。ドイツはイギリスのEU離脱に対して冷たい視線を送っていますが、イギリスでは「まさか本当に離脱するとは思わなかった」「これからどうなるのか不安だ」「国民投票をやり直してほしい」という声が出ており、なんかちょっとよく分からないドタバタ的な綱引きが行われています。EU離脱を決めたら2年で離脱するということになっていたのが、イギリス側からは手続きには「6年かかる、いや7年だ」という声が出ており、おそらくは引き伸ばしたいという心理が働いているように思います。「2年後」とは正式表明から2年後で、今は国民投票の結果が出ただけですから、正式表明もなるべく引き伸ばして、時間稼ぎがしたいように見えます。首相が交代すれば国民投票の結果に縛られないということらしいので、本当にそうするかどうかはともかく、新首相が国民投票の結果はどこ吹く風とそ知らぬふりしてEUに留まり続けるという選択肢もないわけではありません。ただ、民主主義の根幹に関わってくる別の問題になってしまいます。

いずれにせよ、すぐに離脱するわけではなく、いわば黒田日銀総裁のマイナス金利導入と同じで、実はよく考えると短期的には何も変わらないということが分かってくるので、パニック売りされた分は徐々に調整され、落ち着きを取り戻すと思います。とはいえ、新規のイギリスへの投資は減り、流出は増えるため、工場やオフィスの移転などでじわっと影響してきます。大陸側も無傷ではなく、EUよりもイギリス市場を優先する企業もそれなりにいるはずですので、イギリスの存在によるスケールメリットは相当に損なわれます。

シティとフランクフルトの証券取引所の合併話は消えたわけではなく、今後は諸般の展開次第でこっちの話もはっきりしてくるとは思います。ニューヨークがいっちょかみしたいらしいという話もありますが、EUから抜けたイギリス、イギリスのいないEUに無理してまでいっちょかみしなくていいかということもあり得ます。そうすると現状は変わらないものの、起爆剤材料が少しずつそがれていき、やはりじわじわと沈んでいくイメージになりそうです。EUとイギリスだけの関係を見れば、どちらもじわじわ傷を受けるということですが、その他の要因が加わると、更に複雑になってきます。アメリカでは金利上げようかなどうしようかなという状態が続いてますが、今金利を上げればポンドユーロの値崩れ必至で、不安でやれないかもしれません。もしやったら更なる不安材料になります。数年のスパンということで言えば、安倍首相の次の首相の経済政策の見通しが立ちません(もちろん、今の段階で立つわけがないのですが…)。

中国の行方も絡んできます。中国の李克強首相はダボス会議で「ヨーロッパは今後も中国にとって重要なパートナー」だとスピーチしましたが、イギリスをステップにしてEU市場を狙うという戦略を考え直すことになると思います。ロイターによると中国のワイン市場が低迷段階に入っており、以前ならビンテージものが先を争うように買われていたのが最近は財布が固くなっているらしいとのことです。消費者が賢くなろうとしているのか、それともただの沈下なのかもう少し様子を見ないといけません。中国はこれからいろいろ剣が峰かも知れません。中国のヨーロッパへの投資がどういう展開になるのかは時々チェックしておきたいです。

やっぱり今年は凄い年です。大相場です。

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