イギリスはEU離脱しない

今、6月21日のお昼ごろです。23日にイギリスでEU離脱を問う国民投票が実施されることで、世界中でどっちの結果が出るのかに注目が集まっています。最近までは世論調査で離脱派が優勢でしたが、今は離脱派と残留派が拮抗しており、全く読めません。また、日本人の私がとやかく言うことでもないかもしれません。あくまでも試みの思考として、どちらになるかを予想してみたいと思います。

結論としては、EU離脱はない。と私は考えるようになりました。以下にその理由を述べます。

離脱派が主として論じているのはEUへの財政負担と難民が流入してくることによる社会不安リスクです。残留派が主として論じているのは、EU離脱後の経済的なリスク、金融不安、EU残留を希望するスコットランド独立派が勢いづくことへの懸念が挙げられます。

では、どちらの方がよりリスクが高いのかと言えば、もはや論じるまでもないことですが、EUを離脱した後の経済的な打撃はイギリスが負担させられるEU財政への拠出金を遥かに上回るもので、シティよりもフランクフルトの方がより大きな打撃を受けるとは思いますが、シティも無傷というわけにはいきません。難民流入リスクがあるとは言え、シェンゲン協定に入っていないイギリスはその気になれば自国の主権で難民を入れないという選択肢を放棄しているわけではありません。更に言えば、ギリシャの財政危機などはユーロに入っているために独自の通貨政策を打てないことにも原因がありますが、イギリスはポンドを維持しているためにその心配もありません。

そのように考えてみると、財政負担以上の経済的メリットがあり、難民流入による社会不安は自国でコントロール可能なわけですから、残留した方が断然お得です。離脱派の「ヨーロッパ大陸人を食わせるために税金なんか使えるか、難民が入ってきたら社会不安になる」はある程度、幻影を煽っているようなものと思えなくもありません。

しかし、イギリス人はヨーロッパ大陸人と感性や価値観などの点で隔たりがあり、日本人と同じく島国根性もあるので、EUに入っているとどっかの国が財政破綻するとかどうとか、難民が入ってきてどうとかという面倒なことに巻き込まれるのは嫌だという発想が根強いために、感情面でのEU離脱傾向に拍車がかかっていたと見ることが妥当のように思えます。

残留派の女性の政治家が離脱派によって殺害された事件は、日本人のわれわれが聞いても大変辛いニュースです。離脱派がイギリス人の感情面に訴えかけるものであったが故に、事件による感情的な離反を直接に受けることにならざるを得ません。離脱支持率が大きく下落したのは、離脱根拠が感情に依拠していたことをよく物語っているように思います。また、難民による社会不安が論じられていましたが、このような事件が起きたことで、実際に社会不安を引き起こしているのは誰なのか?という疑念も沸いてきます。社会不安を高めているのが実は離脱派なのではないか、ということになれば、離脱派の主張は論理的に矛盾していることになります。

おそらくイギリス人は相当に迷っていると思いますが、事件によって離脱派の幻影は水をかけられた形になり、多くの人の迷いを吹っ切るという方向へと流れていくように思います。以上の理由から、投票行動としては残留派が多数を占めるという結論に達しました。予想が外れても記事を削除するとかそういうことはせず、生き恥の証にしようと思います。

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