「解散風は一度吹くと止まらない」
という言葉があります。
衆議院が解散されるのではないかという風聞が流れるようになり、
関係者一同その気になってしまうと、たとえ首相といえども
その流れに逆らえずに解散してしまうということらしいのです。
独占的に解散権を持つ首相でさえその流れに逆らえなくなるのかと言うと、
選挙の準備にお金がかかり、関係者スタッフ一同、心理的にも気合が入ります。
そのため、解散ムードが高まっているところで解散しないということになれば、
首相を支えようという雰囲気そのものが損なわれてしまい、政権維持が難しく
なるため、いったん解散の流れができるとそのまま進むしかなくなるようです。
首相は解散権をいつでも行使できることになっていますので、
「解散しない」と言っていて解散するのはオーケーなのですが、
「解散する」と言って解散しないのは通用しないようです。
そのため、安倍首相が解散は考えていないと強調するのは、
フリーハンドを保つために当然と言えば当然のこととも言えます。
一度でも「解散する」と言う、あるいはそれをにおわせると、
解散以外の選択肢はありません。
では、現在、解散風は吹ているでしょうか?
漏れ聞こえてくるのは、どうも解散を見越して準備を始めている人が
いるらしいといったところでしょうか。即ち、解散風は吹き始めている、
と言ってもよいでしょう。但し、本格的に吹いているかといえばそこまでは
まだ行っていないかも知れません。
私は今国会会期末の解散はありそうだ、あるかないかで言えば、
イエスではないかなあと思っています。
解散の可能性を探るために、この稿では解散風をキーワードにしていますが、
今年の場合、消費増税とサミットが更に深く読み解くカギになりますので、
そのあたりについては次の投稿で考えてみたいと思います。
(写真素材ぱくたそ)