安倍首相はリーマンショック級の経済危機でも起きない限り、
消費増税は予定通りに行うとの立場を崩してはいません。
問題は、リーマンショック級の経済危機を正しく定義することは
不可能なため、何をもってリーマンショック級の経済危機だと
判断するのかということになります。
今さら私が指摘するまでもないことですが、先日の伊勢志摩サミットでは、
安倍首相は世界経済の現状はリーマンショック直前のそれとよく似ていると
プレゼンしたと報道されています。
これまでにない踏み込んだ発言になったと捉えていいのではないかと
思います。これまで切り札として残しておいた表現をサミットという舞台で
ついに使ったといった感じではないでしょうか。
官邸サイドとしては、増税延期、或いは凍結、場合によっては減税するための環境は
整いつつあると表明しているのと同じですので、消費増税しないことを理由に
衆議院の解散が現実的な選択肢として考慮されていると受け取ることができると
思います。
ということになれば、解散風はますます強まり、週明けには「よしやるぞ!」的な
発言をする与党議員が現れても全く不思議ではないでしょう。
そこまで来れば解散風はもはや台風。
一機にそちらへと流れていき、囁かれている6月1日解散説も現実味を帯びてきます。
官邸ではシナリオは全て出来上がっていて、そのシナリオを発動させるかどうか、
させるとすればどのタイミングかを図っているに違いありません。
選挙は勝てる時にやらなくてはいけません。
「もっと勝てる時にやる」というのはある種の幻想であり、
ある程度勝てると判断できるうちにやってしまわなければ、
この先、何が起きるかわかったものではありません。
多少は減らすであろうとはいえ、ある程度の議席の確保の見通しが立つと
言われている今のうちにやってしまいたいと考えるのが普通なのではないか
という気もします。
ということで、「消費増税しないという理由で解散する」を結論にしたいと思います。