トランプ大統領の交渉手法はこれだ

ドナルドトランプが大統領に選ばれて一年半、一方で「何をするかわからない」と不気味がられる反面、「めちゃくちゃな公約を公約通りに進めている」とやはり不気味がられている。要するに不気味がられているのだが、彼の全てを知ることはできないものの、彼のアジア関連の外交を見る限り、一定の手法があることが分かる。

中国の習近平国家主席が訪米した際、チョコレートケーキかなんかを食べている時にシリアにトマホークを撃ち込んだという知らせが入ると言う、人の食欲を敢えて萎えさせるような手法で脅しをかけたが、この時の米中間で話し合われた主たる話題は貿易と北朝鮮の核問題だった。トランプは貿易不均衡の是正を要求したわけだが北朝鮮が交渉材料になり、北朝鮮の核放棄を中国主導でできるなら貿易不均衡については目をつぶるというわりと分かりやすい取引が行われた。

で、しばらくそれで様子見に入ったわけで、その間に北朝鮮の金正恩委員長が訪中し、或いは中国主導で北朝鮮の核廃棄もあり得るかという観測も生まれたが、結局のところ北朝鮮サイドが自分たちのバックには中国様がいるということを世界に知らしめるだけの効果があっただけで、中国主導による北朝鮮の核放棄は実現されなかった。その結果を受けてトランプは北朝鮮と直接協議することにしたし、躊躇なく中国製品に大規模な関税をかけることを決心したのである。要するに一旦、チャンスを与えて相手のお手並みを拝見し、話しが違うということになればアメリカファーストの原則で押していくのだ。

この手法は北朝鮮に対しても行われていると私には思える。シンガポールで史上初の米朝首脳会談が行われたが、一方で具体的な中身が何もないという批判があった反面、事実上アメリカの勝利、または事実上北朝鮮の勝利など様々な評価があちこちで行われた。だが、上に述べたようにトランプは一旦相手にチャンスを与えて約束が実行されるかどうかをお手並みを拝見するという手法になるので、現状は北朝鮮が約束を守るかどうかの見極め期間と言うことができる(2018年7月12日)。見極め期間が終わりトランプが相手が約束を守らないと判断した場合、これまでに公言した通りの強硬な手段がとられる可能性は充分にあるわけだが、北朝鮮が核を放棄することは私はあり得ないと思っているので、一切は私の想像だが北朝鮮サイドは如何にしてあたかも約束を守ろうとしているかと信じさせる期間を引き延ばそうと努力するだろう。従っていつまで見極めるかのせめぎ合いということになる。

とはいえ、仮に強硬手段を選ぶ場合、周辺関係諸国との合意や協力は必要になる。日本は敗戦国でアメリカ様の言いなりになるのが宿命ではあるが、安倍晋三首相は押せ押せでトランプ大統領に迫っているはずだが、もう一つの主要なアクターである韓国の文在寅大統領は下げ下げで行くはずである。韓国から在韓米軍を撤退させて台湾にある程度の規模の海兵隊を置くというプランがあるとまことしやかに語られることもあり、にわかに信じることはできないが、絵空事とも思えない。韓国、台湾に関することもトランプ大統領は取引条件を示し、取引が成立するかどうかを見極め、決断するというやり方を繰り返すだろう。ヨーロッパは完全にトランプのアメリカに愛想をつかしているので、欧米連合で国際社会が動くということは当面は考えにくい。日米同盟が世界の一方の軸になり、巨大な中国が一帯一路で場合によってはヨーロッパで仲良くするというカウンターパートという新しい世界の構図が見えてこなくもない。しばらくすればインドも主要なアクターとして浮上してくる。

要するにはっきりしていることは日本がアメリカ様とどこまでも行く以外の選択肢を持っていないということだけで、あとはそれ以外がアメリカにつくか中国につくか現状では何とも言えない。ヨーロッパ、韓国、インド、台湾が果たしてどっちにつくかを見守りたいところではある。繰り返しになるがヨーロッパはトランプを見放しているので中国よりに傾く可能性はある程度あると言える。台湾は政権交代が起きれば大きく政策が変わるので、時期総統選挙の結果を見ないことには何とも言えない。韓国はなんとなく中国につきそうな気がするが、意外と親米勢力も健在なので見通せない。インドは日米同盟につくのではないだろうか。

全て私の想像です。いいですか。私の想像ですからね。念押ししますが、想像ですよ。

2020年中国が台湾に侵攻する説を考える

インターネットで中国、台湾、2020と検索すれば、中国がその年に台湾を侵攻するとする説でもちきりなのが分かる。中国語のブログなども参考にしてざっくりとしたことを述べると、軍拡に熱心な中国は2020年には台湾に侵攻しても他国の干渉を排除できるだけの体制を整えることができると台湾の防衛白書に書いてあるらしいのである。

仮にそのようなことが書かれてあるとしてその真実性について考えてみたい。

中国の台湾に実質的な施政権を及ぼしたいという念願は強く、最優先の国策国是になっていると言ってもいい。そのため、現在の共産党政府が存続する限り、台湾を吸収編入しようとする努力は続けられると考えていい。だとすれば問題は、①中国共産党政権が存続し続けるか ②存続し続けるとして、彼らは台湾編入をなし得るかということになる。まず①から考えたい。

中国経済の衰退の兆候は様々に見られる。しかし、現在までに破綻や衰亡のような危機的状況に至っているかといえば、そうとは言いがたい。中国経済の指標には嘘やデタラメ、インチキが多いという指摘は多いし、もしかするとそれは当たっているかも知れない。たとえばソビエト連邦が崩壊した後、彼らが相当にデタラメな数字を使って実際には火の車の経済を糊塗していたことが分かってきたため、中国共産党政府も同じ運命をたどるのではないかと言う指摘があることも確かである。しかし現状、共産党政府が崩壊する外形的な兆しはない。経済的な衰退と言っても前ほど伸びなくなったというだけであり、日本に比べれば羨ましいほどの成長力は今も備わっていると見るべきだ。あるいは帳簿が二重だったり、数字がごまかされていたり、約束の不履行が次々と明るみになるということはあり得るが、我々が生きている間に、それらの綻びが共産党政府を破綻させるに至るほどのものになるかどうかは分からないし、当面はなさそうに見える。中国共産党政府は当面存続するだろうし、台湾編入の努力は引き続き熱心に行われることだろう。

では、彼らは果たして本当にそれをなし得るかということが議論されなくてはならない。台湾が中国に吸収される日は本当に来るのだろうか?2020年に外国の干渉をゆるさないほどに強力な軍事力を整えるということは、一言で言えばアメリカよりも強くなるということだ。アメリカは今も世界の覇権国だが、近い将来中国がアメリカに取って代わるかどうかは今のところは何とも言えない。取って代わるかも知れないと思えるほどに中国は巨大である。ただ、アメリカが衰退しているわけでもない。アメリカの世界経済に対するプレゼンスが下がっているのは確かだが、アメリカ経済そのものは堅調であり、他の地域、特に中国が急速に発展したためにアメリカのプレゼンスが相対的に下がったということでしかない。そのため、アメリカが中国よりも更に強い軍事的なパワーを維持したいと考えているとすれば当面の間、それは可能だし、台湾を西側の砦として守り抜くというアメリカの姿勢が崩されることは、これも当面の間はなさそうである。

とすれば、将来的に中国かアメリカのどちらかが台湾を諦めるまでこの紛糾は続くということになり、また、どちらが諦めるかを見届けることは最終的にどちらかが勝ったかを見届けることにもなると言えそうだ。

それはある程度遠い将来のことかも知れないが、意外と近い将来にそれを占うことができそうな外交日程がある。米朝首脳会談は実現の可能性が相当に高まってきているし、本当に実現すれば米朝平和条約も雲をつかむような話ではなくなってくる。その場合は中身が問題になってくるわけだが、先日行われた南北首脳会談では朝鮮半島の非核化を目指すことが声明されており、北朝鮮が核放棄をする見返りに在韓米軍は撤退することを目指したものだと言って良い。北朝鮮のリーダーは必ずしも世間で言われているほど愚かな人間ではないことは最近になってはっきりしてきた。中国にも二度に渡って訪問しており、背後には強力な味方がついていることをアピールしたからだ。アメリカに対しては北朝鮮は甘くないというメッセージになっただろうし、中国に対しては北朝鮮は従順であるというメッセージになった。

即ち、米朝首脳会談は実際には米中の駆け引きとせめぎ合いであり、どちらが外交達者かを見極められる舞台になるはずだ。トランプ大統領が適当に折り合いをつけ、例えば限定的な核査察しか行われないのにそれを認めたり、在韓米軍も撤退とまではいかなくとも縮小することに同意したりすれば、中国は台湾に関しても同じように駆け引きができると考えるだろう。そうなれば俄然、台湾の中国への編入は現実味を帯びてくることになる。反対にトランプ大統領がかなりの強硬姿勢で完全な核査察の実現にこだわり、在韓米軍も撤退しないということで話がつくのであれば、中国は台湾に関することでもアメリカがどういう態度で臨んでくるかを予想することができるため、台湾を強引に編入することには躊躇することになるはずだ。

尤も、中国が台湾を武力的に襲撃して占領するということは考えにくい。そのような目立つやり方をすれば世界から警戒され非難されるということは議論するまでもないことだ。そのため、台湾人の自発的な統一への意思に沿うという体裁で統一を進めて行くはずである。私が当局者であれば、台湾で国民党政権が返り咲くのを待つし、国民党政権復活のために協力できることをやろうとするだろう。そして国民党政権下で躊躇なく統一の手続きを進めようと考えるはずだ。国民党の中にも統一を良しとしないグループは存在するため、そのことにも手を打たなくてはならないが、説得するか粛清するか利益誘導するかして何とかするということになるはずだ。

昨今の2020年に中国が台湾に侵攻する説は、台湾の独立を志向するグループから広められたのではないかと私には思える。蔡英文総統の二期目があるかどうかは意外と不透明で、独立派はまずは蔡英文氏の二期目の当選を確かなものにしたいからだ。2020年というリアルな時間軸は、危機感を煽ることで蔡英文氏が選挙戦で有利になることを狙っているのではないかと考えることができる。私の想像、推測、憶測である。

しばらくは米朝首脳会談の結果を待つしかなさそうだ。会談が実現するかどうかもまだ分からないのだ。直前のキャンセルもあり得るのだから。

アメリカは北朝鮮と戦争しない【予測】

今日は2017年9月1日です。昨日、voice of Americaの中国語版を見ていたのですが、北朝鮮のミサイルが日本の北海道を飛び越えて太平洋に落ちたこと、日本の反応、更には今後の日本の軍事力の強化の可能性などについて議論していました。

voice of Americaがアメリカのプロパガンダメディアであることは言うまでもないことですが、このメディアでこういった話題を取り上げて議論する背景には何があるのでしょうか。当該の番組では日本の軍事費が増加傾向にあること、しかし日本には憲法上の制約があること、更に靖国神社の話まで話題が及んでいました。現行憲法と過去の戦争に対する反省が日本にとって呪縛なのか歯止めなのかはともかく、軍事に関して日本にできることには限界があるということには異論のある人はあまりいないと思います。

voice of Americaを時々見る限り、わりといけいけというか、俺たち、ちょー西側、自由と民主主義を守る感満載なわけで、こういった場合はどちらかと言えばタカ派的な意見を前面に出すことが多いため、通常の感覚なら北朝鮮のミサイル発射に対して米軍はどうでるかというところに焦点を当てそうなところですが、日本の軍事力に焦点を当てているということは、アメリカ軍が本気で北朝鮮と事を構えるつもりはないということを意味しているように思えます。で、日本には上に述べたような制約があるということを確認しつつも、東アジアの自由と民主主義の価値観を守るためには日本に仕事をさせたい、日本に分担してほしいというのが当該のメッセージではなかったかと私には思えます。

北朝鮮がアメリカに直接撃ち込むという自殺行為をするとは考えられませんから、アメリカ軍が手を出さない以上、戦争にはならないと見るのが妥当ではないでしょうか。朝鮮戦争以来、アメリカでは日本の再武装を望む声は決して小さくなく、日本人は真面目ですから使い勝手のいいアメリカ軍東アジア支部として日本の軍事力を使いたいはずです。その一方で繰り返しになりますが上に述べたような制約があるわけですから、二律背反な状況が過去数十年続いていたと言ってもいいかも知れません。これから日本は北朝鮮のミサイルの重圧を受けながら生きて行くのかと思うとかなり気が重いですが、かといって戦争になれば下手をすれば数百万人のマスマーダーになってしまう恐れもあるわけで、簡単に「やっちまえ」と言う勇気も私にはありません。

いずれにせよ、短期で解決する問題ではなさそうなので、じっくりと構えて成り行きを見守るしかないようです。

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CIAは「やりたい」、トランプ氏は「やれない」、安倍氏は多分「やってほしい」だった

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ただいま、2017年5月1日、午後6時です。米韓合同軍事演習はスケジュール的には終了しているはずです。軍備をどの程度解いたかなどは分かりませんが、もっとも緊張している期間は終わったと言っていいと思います。戦争にならなかったことは慶事であり、平和を愛する日本人の一人として、戦争にならなくてよかったとは思いますが、今後、いつ終わるとも知れない重圧を受けることにもなり、そのあたりは複雑な思いにならざるを得ません。

2か月にわたった今回のから騒ぎは結果としては、本当にただのから騒ぎだったと思いますが、果たして本質はどのあたりにあったのかをちょっと考えてみたいと思います。

CIAの長官が4月29日に韓国を訪問したという報道があります。ストレートニュースの類ですから、その事実に疑いを持つ必要はないと思いますが、多くの人が、CIAが本気を出しているのではないかと考えるに相違なく、私もそう思いますが、どうもCIAの方が空回りしているのではないかという気がします。まず第一に、トランプ大統領とCIAの関係は改善しておらず、両者が共同歩調をとっているように見えません。今頃になってCIAの長官が動いたということは、トランプさんがやりそうでやらない姿を見て、業を煮やしたというか、なんとか事態を「発展」させたくて後押しをしているのではないかと私には思えます。

不思議なのは、米韓合同軍事演習がいよいよ終わるというころになって、日本側が俄然、やる気になっていたというか、腹を固めた、覚悟を決めたというように見えることです。過去にミサイルの発射は何度もありましたが、直近のミサイル発射(失敗)では、Jアラートも出すし、電車も新幹線も止めるしと、臨戦態勢に入っていることを国民に告げています。安倍さんも強気の発言が目立ちます。在韓の日本人留学生には最近になって注意が呼びかけられたそうですが、明らかにタイミングを失しており、なんで今更…との感があります。

想像になりますが、当初半信半疑だった日本政府が、CIAの筋から「今回は本気だ」と告げられて、日本側も本気モードに入ったのではないかと私には思えます。即ち、CIAの長官が韓国を訪問したことと、最近になって日本側の本気モードにドライブが入ったことにはそれなりに関係しているのではないかと思えます。

しかしながら、私はトランプさんが当初から北朝鮮と戦争することは本気では考えていなかったし、今も本気では考えていないと思います。現在、北朝鮮は核実験も抑制し、ちょっと派手目に軍事演習をやったりしてお茶を濁しているわけですが、現状では中国の説得が功を奏しているように見えるとも言えるため、アメリカとしては敢えて先制攻撃をする口実がありません。韓国に10万人いると言われるアメリカ市民は現在も普通に生活しています。要するにアメリカはまだ本気モードには入っていなかったというわけです。北朝鮮がミサイルの発射でこのところ失敗が続いているのは、アメリカのサイバー攻撃によるものではないかとも囁かれますが、北朝鮮がミサイルを撃てば、かっこうの口実にもできますから、アメリカがサイバー攻撃を仕掛けているということは、本音ではやりたくないということの証左のように思えます。

最近、安倍さんが強気なのは、アメリカに対して「日本は準備ができている。覚悟は固めた」というメッセージなのではないかとも思えるのですが、トランプさんは「オバマとは違うのだ」とアピールするためにいろいろ強気なことを言ってはみたものの、本気ではなかった、あるいはそもそもやれなかったと考えれば、この数週間の動きは説明がつきます。大山鳴動して鼠一匹。豊洲もまたしかり…。トランプさんは就任当初こそ大統領令を出しまくったものの、最近はことごとく政策が実現しない状態に入っており、wall street journalからは「トランプは十分に共和党的ではない。良かった」と、なんじゃそりゃとコメントされる始末です。とりあえずはciaとトランプさんが手打ちをしない限り、アメリカは騒げども何も変わらないという日々が続くのではないでしょうか。

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英語メディアが最近になって北朝鮮のことについて騒ぎ始めている件

2017年4月15日、北朝鮮が核実験をやるならこの日と言われたのが何事もなく過ぎ、個人的には「まあ、もう戦争にはならないだろう」と考えているのですが、ちょっと事態に変化が生じているようです。英語メディアが騒ぎ出しています。英語メディアと言ってもなんでもかんでもチェックするわけにはいかないので、cnn,fox,financialtimes,bbcあたりを拾うようにチェックするくらいしかできないのですが、ある程度チェックしておけば、欧米でどういうことが注目されているかは大づかみに理解することはできます。特にcnnが反トランプ、foxが親トランプですから、この両方を横目でもいいのでざっくり見ておけば、中間的な視座も得やすいと考えています。

では、4月15日ごろ、彼らがどういう報道をしていたのかというと、主としてシリアに関心に向いていました。トランプさんは外交では中東関係が第一ですから、シリア、イランが懸案になっている最中、本当に北朝鮮にまで手を出すのだろうかと私は疑問に感じてはいたのですが、シリアに向けてトマホークが使用されたことに欧米メディアが食いついており、この背景にはアメリカの政府筋が意図的に出す情報量がシリア関連に偏っており、記者たちはどうしても出された情報について追いかけざるを得ない宿命がありますので、アメリカ政府としてもメディアにそっちへ関心を持ってほしいという希望もあったものと推察できます。

アメリカは戦争になったら好戦的な方向で一挙にまとまる国ですし、cnnもトランプさんに対する批判が柔らかいものになったような印象はありましたが、若干、cnnがどうしていいか迷っているフシもあるように感じました。そういう意味では大ブッシュと小ブッシュの時代に中東で戦争した時に国民がこぞって支持していたのとはちょっと違う感じかなあとも思えました。トランプ政権としては、アサド政権に対してトマホークを使ったことは、必ずしも過去のような国民的支持を得るという手段にはならなかったという教訓を得たのではないか、cnnはそんなことくらいでは反トランプをやめないのだということを学んだのではないかとも思えます。

さて、ところが本当にここ数日、2,3日のことですが、突然に英語メディアで北朝鮮関連の話題が増えてきました。やはり政府筋がそれに関する情報をよく出すようになり、現場の記者が食いつきを見せているとも思えます。今ごろになって「緊張が高まっている」などと言い始めています。まず間違いなく政府筋が「緊張が高まっている」との情報を流しているからだとは思いますが、気になるのはその先に描いている絵がよく読めないということです。私はアメリカが本気で北朝鮮と戦争することを考えているとは思えません。本気で戦争をする準備を整えているのであれば、北朝鮮へ向かったはずのカールビンソンがしばらく消息不明になってインド洋に出現するというような理解に苦しむ航行をすることはちょっと考えにくいですし(意図的にそうしたのだ、戦略だ、という人もいるでしょうけれど、本気の勝負をかけるのであれば、少しでも早く現場に行きスタンバイするというのがいかなる職業でも基本になるはずです)、かくもあからさまに中国への期待を表明するのも、できれば中国の力でいろいろ収めてもらいたいという本音があり、過去にアメリカがどうしても戦争したい時にはトンキン湾事件のような小細工をしてまで戦争を始めたことを考えると、わざわざ中国に下駄を預けて開戦のハードルを上げるというのは、本音では戦争をしたくないということがよく現れているように思えます。

気になるのは、ここを超えたら戦争になるぞというレッドラインが若干、曖昧な点です。アメリカに届くicbmが完成し、そこに核弾頭が積まれる事態になったならば、アメリカはゆるさないだろうという話はよく聞きます。しかし、それでは北朝鮮が核実験を強行した場合、それがレッドラインを超えたかどうかを厳密に判断することはできません。もし北朝鮮が核実験とicbmの実験を別個に別時期に行えば、それはレッドラインを超えたことになるのでしょうか。或いはどちらか片方だけ成功させればレッドラインを超えたことになるのか、それとも一度に両方やらなくては、超えた判断しないのか、微妙なところが曖昧なままです。もし、アメリカが本気であれば、開戦のハードルを下げるでしょうから、このような曖昧さは関係諸方面にとっても耐え難いストレスになるに違いなく、ここにもアメリカが本気ではない、あるいは迷っている、もしくは本音ではやりたくないというのが出ているのではないだろうかと思えます。

さて、ciaの本音を知るにはvoice of americaの中国語版が私が手に入れられるソースの中では最も適切だと考えているのですが、当該メディアのyoutube配信を確認したところ、やはり中国の動きを注視しており、中国がわりと本気で北朝鮮を締め上げる動きに乗り出しているということが中心のトーンで進行されていました。トランプさんとciaの関係は悪いと個人的には見ていますが、実際に戦争をするとなれば、ciaと連携しないというわけにもいかないでしょうから、当該メディアをチェックすることは今後のアメリカの出方を予測するうえで、有効な手がかりになることは間違いないと思います。そして、当該メディアが中国に期待する主旨のメッセージを発しているということは、やはり、本音ではやりたくないということのように思えます。これは中東のごたごたが改善したわけでも大きく展開したわけでもない以上、北朝鮮に本腰を入れるとは考えにくいという大枠にも沿っていることになりますから、大体、この方向で見ていいのではないかと思います。

とはいえ、この時期になって、そろそろ米韓合同軍事演習も終わろうという時期に、英語メディアが朝鮮半島に目を向け始めた、即ちアメリカ政府筋がそういう情報を流し始めたということの意図や背景が以上のようなことだけでは説明がつきません。トランプ政権としても、メキシコの壁の予算は諦めざるを得ない見通しになっており、オバマケアも廃止には至らず、いろいろ失策が目立っていますので、そういうことからメディアの注意を逸らせたいと考えているのではないかと私は勘ぐっているところです。まだしばらくは目が離せませんが、戦争になる可能性はそんなには高くないという見方でいいのではないかと考えています。

安倍首相は現段階で解散を打ちたくても打てないように見える件

政治的なイベント、または外交的なイベントがあれば、すぐに解散説が出てきます。たとえば、森友学園問題では、証人喚問の終わり、出るべき話はだいたい出尽くした感があり、これを境に解散か?というような観測もなかったわけではありません。内閣支持率は概ね好調で、森友学園問題で騒ぎになってからは少しは下がりましたが、現状では回復が見られます。尤も、森友以前までほどには回復していませんから、同じやるなら今の時期は外してもう少し様子が見たいというところはあるはずです。

外交で得点して解散への流れを作りたいと安倍首相が考えていたことはまず間違いないと思いますが、プーチン訪日は実際的には空振りみたいなもので、北方領土で一機にという感じではなくなってきました。また、北朝鮮で開戦前夜(?)の空気が漂う現在、邦人保護の観点からみても米韓合同軍事演習が終わるまではとても解散している場合ではありません。外交的にはこつこつと小さく積み重ねてきた点は正当に評価されるべきと思いますから、概ね高い支持率はそのことも反映しているかも知れないですが、前回のように大きく勝てるという見込みが立つほどの感じでもなし…。というところではないかと思えます。

経済に関しては、金融緩和がそれなりに効果を上げていると思える一方で、日銀頼みの感が強く、もう一歩、抜け切れていない様子であり、失業率が史上最低レベルにまで下がったという事実は正当に評価されるべきと思いますが、21世紀バブル、21世紀元禄という感じにはほど遠く、長い目で見ると悲観したくなる材料が山積みですので、選挙で大勝利の確信を立てられるところまで来ているとも言い難いところがあります。個人消費は伸びておらず、明らかに消費税の増税の影響を引きずっていると思えますから、長い目で見るとずるずると衰退していきそうにも思えてしまい、なんとかしてくれ…。とついつい思ってしまいます。せめて東芝が救済されれば、ちょっとは明るいニュースになるようにも思うのですが、外資に買われる可能性の方が高いように思え、どうしてもぱっとした感じにはなりません。リフレ派の論客の片岡剛士さんが日銀の審査委員に就任する見込みですので、黒田総裁就任以降のリフレ政策は維持される、或いは更に深堀りしていくことが予想できますが、日銀頼みになってしまっているところが軛のようになっているとも思えますから、もう少し明るい材料がほしいところです。

しかし、安倍さんが憂慮する最大の要因は自民党の若手の議員の人たちが枕を並べて討ち死にする可能性が高いというところにあるそうです。確かに育児休暇をとると言っておきながら、不倫をしていた国会議員、重婚疑惑の国会議員など、たるんだ感じのスキャンダルが多く、20世紀型の大金を集めていたとかの話に比べれば小粒なスキャンダルとも言えますが、小粒なのに品がないという関係者であれば絶望したくなるような話題が目立っており、党の執行部であれば「このメンバーでは戦えない。外交で得点して何とか、粗を隠せないか…」という心境になるのではないかと想像できます。

2017年秋の解散説がありましたが、最近では2018年解散説まで出ています。勝てる目算が立つまではぎりぎりまで待つというわけです。追い込まれ解散になる可能性もあるけれど、それまでにいいニュースを発信できるかどうかということに賭るということらしいです。

自民党の支持率は4割近くあり、小選挙区中心の日本の選挙制度から考えれば上々と言えますし、民進党の支持率は全く上がらないというか、下がり気味であり、通常であれば自民党は楽勝とも言えますが、最近は当日になって誰に投票するかを決める人も多く、そのあたりの有権者の気まぐれの恐ろしさをよく知っているからこそ、メンバーのたるみを危惧していると言えそうです。小池百合子さんが手駒をどれくらい揃えてくるかによって今後の流れは変わってきますから、そういう意味では東京都議会選挙には注目せざるを得ません。ただし、小池さんは最終的には自民党と組む形で、細川護熙さんの時のように、少数与党ながら首班指名を勝ち取るというあたりを狙っていると思われるものの、自民党は正解遊泳型の政治家を絶対に認めないという空気も持っていますので、そのようなある種の伝統を小池さんが打ち破るかどうかは見届けたいところです。豊洲移転問題のもたつき、東京オリンピックの準備のもたつきが指摘される中、小池さんの演説力で乗り越えるのかどうかは日本の政治の将来を占う重要な材料になるように思えます。

最後に、安倍さんにとって恐るべしは小沢一郎さんかも知れません。前回の衆議院選挙でも、東北地方では自民圧勝という結果を得ることができず、小沢一郎王国が奥州藤原氏の如き強靭さを持っていることをうかがい知ることができましたが、解散時期が遅くなればなるほど、小沢さんに合従連衡の時間を与えることになります。小沢さんは党名を自由党というかつての政党名に戻しており、そこに心境の変化、心構えを見ることができます。

安倍さんとしては憲法改正可能な議席を維持したいという思いがあるでしょうけれど、上に述べたような各種不安要素を並べてみると、次も前回と同じだけの議席を確保できる見通しは必ずしも高いわけではなく、仮に現状に大きな変化が生まれないまま解散総選挙ということになれば、憲法改正はあきらめざるを得ないという結論にも至りかねません。私個人は無理をして憲法改正をする必要はないと思っていますから、3分の2以上の議席をとれるかどうかにはあまり関心はないのですが、憲法よりもまずは経済で、消費税の据え置き、できれば減税、可能なら撤廃(日本は一挙にバブル期なみの好況に恵まれることになると思います)で選挙をやってもらえないものだろうかと願う次第です。

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北朝鮮は戦争ではなく外交を選んだ。勝ったのは中国だった。

現在、2017年4月15日の午後2時ごろです。政権に近い人たちからはXデーとささやかれ、あわや第二次朝鮮戦争、または第二のキューバ危機かとすら思えた緊迫感のある日々が続きましたが、もっともやばいと言われた15日の午前が何事もなく穏やかに過ぎましたので、戦争になるリスクは大きく減少したと思えます。安全資産である日本円に買いが集まっていましたが、週明けからは円高に揺り戻していくのではないかと思えます。数日前、私なりに戦争にはならないと思うという主旨のことをなるべく穏やかに書いたのですが、やっぱり戦争にはならなかったと言うことになります。北朝鮮にとっては核実験という派手なことはやれなかったものの、「SLBM持ってるぞ。ついでに言うとICBMも持ってるぞ。なめんなよ」と世界に見せることができたわけですから、それなりに満足できる内容だったかのも知れません。

一時、軍需産業関連の関連の株価が上がっていると話題になりましたが、数日前から下げ始めており、株式市場でも戦争は回避されるという見方が強まりつつあったとも思えます。週明けからは反動もあってもっと下げるのではないかという気もします。

振り返ってみれば、アメリカがどこまで本気で戦争するつもりだったのかは微妙と思えます。まず第一にシンガポールからオーストラリアへ向かうはずだった空母カールビンソンが思いつきのように日本海行きを命じられ、一週間くらいかけて(要するにわりとゆっくり)北上したという辺り、「カールビンソンが行きますよ」という威嚇以外の意味はなかったとも思えます。

もし戦争になった場合、懸念されるのはソウルに大量の砲弾が撃ち込まれることと、日本に何が飛んでくるか分からないというところでしたが、38度線の砲台は固定されたものなわけですから、トマホークで計算して打ち込めばよく、カールビンソンの戦闘機が出ていく理由はありません。ミサイルを打つための可動式の発射台については、トマホークで狙うことには限界がありますから、戦闘機を使うことは理解できますが、仮に数時間で全て叩く(一つでも残っていれば日本に何かが飛んでくる)ということであれば、横須賀のロナルドレーガンも日本海に行っているべきで、わざわざ狙ってくださいと言わんばかりに横須賀で整備しているのは悠長な話です。ということは、最初から必ずしもアメリカは本気を出していなかったのかも知れません。やろうと思えば勝てるだけの戦力は集めた上で、場合によっては韓国と日本が焦土と化しても、ま、いっか。という感じで考えていたのかも知れません。少数精鋭の暗殺部隊を送るという話もありましたが、山の中の個人宅を狙うのではなく、警護の固い宮殿の中に複数の影武者たちと警備兵を充実させている国家元首をこっそり空挺部隊のようなもので送り込み、目的を達成するというのは土台からしてやっぱり無理な話だったと言えなくもありません。

それでも、戦争になったら日本と韓国に向けて存分に大暴れして滅びゆく覚悟を北朝鮮がしたならば、そうなったかも知れません。しかし、今この段階で核実験をしていないということは北朝鮮の側は矛を収め、アメリカも矛を収めるのをじっと待つという戦略を採用したものと見受けられます。何にもやらなければ滅亡必至の戦争を回避できるのですから、何にもやらないというのは理にかなった判断と思えます。太平洋戦争が始まる前に昭和天皇が「戦争準備を主とするのではなく、外交を主とせよ」と意思表示したことは全くまともな判断であり、それでも戦争をした当時の日本の指導者の愚かさということまでが私の脳裏を去来します。

一連のできごとで最も印象に残ったのは中国の立場が大きく好転したことです。中国は北朝鮮を説得するとアメリカに約束し、実際に北朝鮮を思いとどまらせることができたわけですから、堂々とその成果を主張することができます。一部では今の北朝鮮を中国がコントロールすることはできないとも言われていましたが、滅亡必至の行為を思いとどまらせるのはそんなに難しいことではなかったかも知れません。やったら死ぬよと言われれば、大抵の人はやらないのが合理的というものです。その結果として得るものは大きいもので、トランプさんは中国を為替操作国とは認定しないと発言し、今後の貿易不均衡についてもあんまり厳しいことは言わないともツイッターでつぶやいています。先日の米中首脳会談では、「100日以内になんとかしろよ」と約束させられた習近平さんですが、この約束はチャラにしたところで誰に文句を言われるわけでもなく、大手を振れるというものです。今回のことで一番お得な思いをしたのは中国だったかも知れません。北朝鮮に対しても、アメリカに「体制の変更は求めない」とも言わせたわけですから、これからは命の恩人です。

今後は米中蜜月も視野に入る可能性もあります。トランプさんが大統領に就任する前、台湾の蔡英文総統と電話で会談したことを自らツイッターで明かしたことで大いに話題になり、CIAはトランプさんの就任前にアメリカに立ち寄った蔡英文さんと直接会談させることも狙っていたフシがありますが、これは実現しませんでした。CIAとトランプさんの関係は現在に至るまでも微妙というかかなり隙間風が入り込む状態と見てまず間違いないと私は見ていますが、これは世界最大の予算を持つインテリジェンス機関をトランプさんが活用できていないということも意味しています。政府人事は現在に至るまで不安定で、人事の目玉であったとも言えるバノンさんも冷遇されつつあるわけですから、トランプ政権は足元がまだまだ弱いということは間違いないと言えそうです。当初、明らかに中国に対して冷たい態度をとっていたトランプさんは、就任後少しずつ態度が穏健になり、おそらくは中国ロビーの涙ぐましい努力があったものと想像できます。娘さんと娘婿だけを頼りに政治をしているトランプさんは裸の王様状態になっており、中国ロビーにとってはそれが幸いして、入り込みやすかったのかも知れません。トランプさんは今後も情報源が乏しい中でのかじ取りをせざるを得なくなるため、中国ロビーの努力次第では米中蜜月大いにあり得ると思えます。北朝鮮が核実験を見合わせたことで、米中蜜月のお膳立ては整ったとも言えますから、今後はアメリカのAIIB参加なども含んだ方向転換も考えられます。その場合、戦争になったら有事モードで返り血も覚悟していたフシが見受けられる安倍首相は踊らされた感が残ってしまい、うまく形容することのできない、わけのわからない感じになってしまうということにもなりかねません。国際社会は一寸先は闇でござんす。安倍首相はオバマさんに対しては平身低頭で何とか乗り切り、トランプさんに交代してからはもうちょっと伸び伸びやれるかもと期待していたはずですが、ところがどっこい…相手にされなくなる…。ということもないとは言えません。こういうことを書いたからといって、私がそれを望んでいるというわけではないですよ。念のため。

とはいえ、戦争になっていたら、数百万人の死者が出ることも不思議ではなく、コロニー落としなみのマスマーダーになった可能性もあるわけですから、戦争にならなかったということは、祝すべきとも思います。

金正恩さんは、このたびのことで「強いことは正義だ」と学んだのではないかと思います。シリアのアサドさんやリビアのカダフィさんのような半端なことをしていればトマホークも撃ち込まれるし、場合によっては殺される。しかし、自分は強いのだ。強いからアメリカも手を出すのをためらったのだと認識したはずです。そう認識するのが普通です。もし、金正恩さんが賢明な人であれば「力は使うものではなく、見せるものだ」とも学んだかも知れません。日本はそれを見せられる側であり続けることになります。日本は外交で負けたと判断してもさほど間違っていないのではないかという気がします。

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アメリカと北朝鮮

米韓軍事合同演習が今まさに続けられている最中であり、keyresolve作戦なる穏やかではない名称の作戦の訓練も行われているということで、しかもトランプ大統領ですから、もしかすると戦争もあるかも知れないという話が俄かに高まっています。

本当に戦争になるのか、それともならないのか、戦争になったらどうなるのか、可能な限り穏当な表現と中立的な姿勢を保ち、感情的にならず、考えてみたいと思います。

昨日から行われた米中首脳会談では、「北朝鮮の非核化で協力する」という合意が得られたとされています。大変に微妙な表現で、「非核化」のために何をするのかはさっぱり分からない、逆に言うと何をやっても合意の範囲内という曖昧なものですから、穿った見方をするとすれば、アメリカは中国の黙認をとりつけたと解釈することも不可能ではありません。

トランプさんと習さんの会談の最中にトマホークでシリアのアサド政権の施設を攻撃したという一報が飛び込んでくるというのは、アメリカ側の皮肉をきかせた演出と言えますし、このような演出をする背景には、アメリカには他の地域でもそうする意思と能力を持っているということを示したとうけとることも可能と思えます。

しかし一方で、広い世界を全体的にカバーしなくてはいけないアメリカの事情としては、二正面作戦は避けたいという本音があるはずですから、「シリアと北朝鮮の双方で一挙に」というのは現実的な問題としてはハードルが高く、トランプ政権の最優先課題は中東情勢をコントロールすることにあることは明白ですので、シリアに本格的に手を出すということは、北朝鮮には本気にはならない。或いは、現実的にそうはできないという見方も可能とも思えます。

習近平さんにアメリカの意思と能力を示したものの、シリアと北朝鮮に同時に手を出すことはできないという二律背反でアメリカ側も未だにためらっているのが現状ではないかと私には思えます。

大変に悩ましいのは、戦争になった場合、日本、韓国への被害は甚大になる恐れがありますから、水面下でどのように話し合われているかは分からないものの、日本、韓国側から事前の快諾を得るというのは決して簡単なことではないようにも思えます。特に北朝鮮の指導者は「死なばもろとも」と考えている可能性が高いと思えますから、いよいよとなればミサイルのボタンを押すことに躊躇はないでしょうし、或いはボタンを握りしめて「押してもいいのか」的な瀬戸際作戦も充分に考えられます。

ビンラディン氏を襲撃した際には、彼がそういう決定的なボタンを持っていなかったので、少人数精鋭部隊で襲撃するという、まるで映画のような行動が可能でしたが、北朝鮮の場合、まず、指導者がどこにいるかははっきりとは分からないという面があり、指導者も一朝ことが起きればいつでもボタンに手が届くように準備している可能性がある以上、芹沢鴨暗殺のように寝込みを襲い、坂本龍馬暗殺のような素早さでけりをつけるというのはハードルが高いように思えてなりません。

アメリカとしては、北朝鮮がアメリカに届くミサイルを持つようになる前に、という本音もあるでしょうけれど、今となっては日本と韓国が焦土と化してもいいという覚悟を決めなくては動くに動けないはずですので、これは世間で騒がれているほど、戦争になる可能性は低いのではないかと思えなくもありません。平壌の破壊力の大きい爆弾を落とすという選択肢もあるかも知れませんが、その場合は横田めぐみさんの安全が危ぶまれます。

現状はキューバ危機以来とも思える緊張感のある状態になってはいるのですが、危機が進み過ぎて手が出せなくなっている。と私には思えます。イランコントラ事件でも分かるように、CIAは精緻な作戦にさほど優れているとも言い難いがところもありますので、敢えてそこまでのリスクを取れるかと言えば、取れないのではないかと思えます。

トランプ政権はまだ人事で揺れている部分が残されており、安定しているわけでもありませんから、そういう面からも今の段階で危険な賭けに出るのは厳しいのではないか、とも思えます。

以上のようなことを整理すると、1シリアと北朝鮮の二正面作戦は厳しい 2トランプ政権にとっては中東が優先事項 3トランプ政権はまだ弱く、危険な賭けには出られない 4北朝鮮は既に核保有国なのでその強みがあり、既にうっかり手が出せないほど強力になっている

ということになり、結論としては、おそらく、戦争にはならないのではないかと思えます。米韓合同軍事演習が終わるまではもちろん何とも言えない部分は残りますが、韓国の大統領不在の今、韓国が事態に対応できないという面もあって、やはりアメリカは戦争するわけにはいかない、できない。という結論に辿り着きます。それは今後も緊張が続くということも意味しますが、今戦争になれば、絶対にマスマーダーになるというリスクを負えないと思う方が普通の感覚かも知れません。今のタイミングで韓国の大統領が不在のことの方が意味深いようにすら思えてきます。また「核ミサイルを持っている」というだけで、一国を滅亡に追いやるだけの大義名分になるのか、というところも意見の分かれるところではないかとも思えます。

アメリカにとってもリスクは高いことは間違いないはずですが、北朝鮮サイドにとってのリスクはより大きなものですから、事態の打開をより強く願っているのは北朝鮮サイドに違いありません。国内での核開発アピールをやり続ける以外に政権を維持できないのだとすれば…意外と最高指導者が亡命する、みたいなところで手を打つということもあり得なくはないように思えます。

『博士の異常な愛情』をリアルで見ているような、重苦しい日々が続きます…。

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