昭和史56‐ドイツ必敗予言‐次期大戦の経済的研究

とある情報機関の機関紙の昭和14年12月11日付の号で、ポール・アインチヒという人物の『次期対戦の経済学的研究』について言及されている記事がありましたので、ちょっと紹介してみたいと思います。ポール・アインチヒという人物について検索してみたところ、彼はルーマニア出身で後にフィナンシャルタイムスの記者になり、英国に帰化した人物のようです。で、当該の記事に曰く

先づ「英国は戦闘には敗けるかも知れないが、戦争にはきっと勝つであらう」と云ひ又、「ナチス・ドイツの恐るべき戦闘力に、たとひファシスト・イタリーの援助があったにしても、民主主義国が必ず勝つといふことは、戦争の結果が大いに経済的理由によって左右されるものである限り、疑ひに一点の余地もない」と断じまして最後に左の如く結んでおります。
「若しも第二次世界大戦が始まるならば、それは必ずや長期戦になるであらうが、長期戦に於ては経済的理由が勝ち負けを決する極めて重要な要素であるから、英吉利のやうな金準備が豊かであり、之によって豊富な食料品や原料品を得られる国は、独逸のやうな金が少く又、食料品や原料品の乏しい国に対し、必ず最後の勝利を得る事が出来る事は、前大戦の時と同じである」と言うて居るのであります。

と紹介しています。後の歴史の展開を知っている我々から見れば、ポール・アインチヒのドイツ必敗の予言はその理由も含めて完璧に的中したということが分かりますが、当該記事の筆者は、「必ずしもそうとは思はない」としながらも、「近代戦」が経済戦であることは認めています。次いでアドルフ・ヒトラーの著作である『我が闘争』の内容を紹介し、ヒトラーがドイツが第一次世界大戦で敗けたのは、銃後の国民が節約に徹しなかったからだと述べているとして、日本も蒋介石との長期戦に勝つためには、国民が隠忍自重し、我慢を重ねて贅沢をせず、節約して経済戦に勝たなくてはならないとしています。当時の段階は、英米の蒋介石政権への肩入れは明らかで、何せ世界の大国であるアメリカとイギリスが蒋介石に存分に援助を与えているわけですから、経済戦の面でも昭和14年の段階で、緒戦で連勝しながらも実は日本の側が窮していたわけで、当該記事の著者もその事情ははっきりしすぎるくらいによく分かっていたようで、筆致からは焦燥感のようなものを感じ取ることができます。当時の日本はすでに経済戦でも敗けていて、国際世論は日本に味方せず、東南アジア華僑も蒋介石支持でしたから情報戦でも敗けていたと言わざるを得ないように思えます。また「大東亜共栄圏」という理念も、要するに植民地をたくさん持っているイギリスは何かと有利なので、日本もそうしたい、或いはそうしないと世界に追いついていけないという焦燥感と表裏一体、不離不足だったということ、イギリスみたいになるためには、遅れてきた日本のような帝国も経済ブロックを持たなくてはいけないという、切実さのようなものも感じ取れます。

結果としては日本帝国は植民地の維持だけでも大変で、更に満州国や汪兆銘政権への援助で手いっぱいになり、太平洋戦争が始まると占領地が広すぎてどうしていいか分からないというところまで追い込まれていきますから、石橋湛山の言うところの「小日本主義」が正しかったと言えますし、戦後の日本が繁栄したのも、小日本主義に徹したからと言えるようにも思います。いよいよ昭和15年、アメリカとの開戦前夜の息詰まる危機感と焦燥感のある記事がどんどん出てくるはずですから、日本人の私としては歴史に関心があるという意味では、多少わくわくもしますが、同時に日本帝国の滅亡へのまっしぐらを辿るわけですので、何ともやりきれない心境にもなってしまいます。

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昭和史45‐太平洋戦争の前哨戦-コロンス島事件

日中戦争で日本軍は厦門の占領を果たしますが、厦門沖の小さな島であるコロンス島(中国語では鼓浪嶼と言うらしいです)は、列強の租界になっており、日本軍も手を出さずにいました。対日協力者の洪立動という人物が暗殺されたことがきっかけで日本軍が揚陸艇を出して上陸し、英米仏連合軍も上陸を辞さずとする事件が起きます。この事件について多少資料を探したり、検索もしたのですが、ほとんど情報がないので、詳しいことは分かりません。ただ私が追いかけている情報機関の機関紙の昭和14年6月21日付の号では多少のことは書かれているのですが、当該機関紙は日本軍にとって都合の悪いことは書かないので、果たして戦闘があったかどうかも定かではないですが、どうも本格的な衝突になることを回避するために日本軍が撤退するという顛末だったようです。一歩間違えば戦争になっていたわけですから、太平洋戦争の前哨戦だったと位置づけることも可能と思えます。

当該機関紙では、日本軍は租界に手を出すつもりはなく、真犯人とその背後の組織を摘発することが目的だと説明したのに、英米仏が軍を出動させるとはなにごとか、そもそも工部局(コロンス島の行政・治安を担当していた部署)が仕事をしないからこういうことになるのだと怒りを爆発させています。当該の記事では各国でどのような報道があったかも紹介しており、中国の新聞は「日本軍が英米仏に屈した」と大見出しで盛り上がり、オランダ領インドネシアの新聞では「英米が連合し、アメリカの太平洋艦隊が展開するようになった場合、まさかドイツ・イタリアと同盟して対抗する」などのような愚かなことはしないだろうと論じており(実際には、その後、当該記事の通りになったわけですが)、イギリスではモンロー主義のアメリカも、日本に対抗することについては手を引かないことを示したとの評価をし、英蘇連携も進むだろうとの見方も出しています。アメリカの新聞では「日本が租界を奪取するという前例を作らせなかった」この意義を強調しており、まあ、はっきり言えば、日本は英米仏中と戦争する寸前まで行っていたわけで、世界的に完全に孤立していたことが浮き彫りにならざるを得ません。ドイツとイタリアがいたではないかとの指摘もあるかも知れませんが、ドイツ、イタリアは太平洋、東南アジアにはほとんど影響力がありませんから、事実上の意味は全くないと言っていいとも思えます。

それらの報道について当該記事では「日本側に云はせれば却って極東に於ける日本の勢力を日々不安焦燥の目で眺めていた諸外国が(略)日本をおどさうとしているのではないか、(略)強硬である日本の態度に驚きあわてふためゐてゐる英米仏の強がりも面白いではないか」と結んでいます。日本がどれだけ危ない橋を渡っているのかについての自覚が全くないことに愕然としてます。情報部を収集したり、プロパガンダをすることはできてもインテリジェンスができない、諜報ができない日本帝国の脆弱さを見せつけられてしまった思いで、orzとしか言えません。

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昭和史41‐英米の蒋介石援助

とある情報機関が発行していた機関紙の昭和14年4月21日付の号では、イギリス、アメリカによる蒋介石の援助について解説していますので、紹介してみたいと思います。当該の記事では、蒋介石政権が中国大陸のかなり奥の方まで追い詰められているにもかかわらず、粘り強く抵抗を続けている理由として、蒋介石政権が外貨を大量に持っていることを指摘しており、なぜそんなにお金があるのかと言えば、世界中の華僑資本家の支持があることと、イギリス、アメリカの援助があることを理由として挙げています。日本は緒戦では買ってはいますが、世界的規模で敗けていたと何度もこのブログで書いていますが、やはり、この記事も日本が世界的な視野から見れば孤立していたことを裏書きするようなものだと言っていいのではないかと思います。

当該記事では、フランスの経済新聞が、イギリスの蒋介石への援助は東アジアの権益を守るために援助しているのであって、蒋介石そのものへのシンパシーに基づくものではないという趣旨のことを書いていると紹介していますが、まさしく、英米の権益を日本が脅かすからこそ、やがては日本帝国の滅亡を迎えることになってしまったわけですから、この記事を紹介することで、蒋介石はそんなに英米に愛されているわけではないという解釈を与えるのは大局を見失っていると判断せざるを得ないと思えます。

当該の記事は、いずれ蒋介石は大金だけを持って中国大陸から脱出しなければならないことになるだろうけれど、その場合、それまで蒋介石のために戦ってきた中国人民見捨てられるのだという主旨のことで結ばれていますが、事態は後にこの予言の通りになったとも言え、そういう意味ではここは見抜いていたと言ってもいいですが、それは日本帝国が滅亡した後に起きたわけで、当該情報部は英米が日本帝国をつぶすことをとにかく優先していたという結果的事実を見抜くことができていません。

「情報部」を名乗るくらいですから、情報収集のプロ、情報分析のプロの集団であったはずですけれど、全く分析できていなかった、日本有利と宣伝するだけのプロパガンダ機関にすぎなかったと思うと、頭脳なき戦争を日本は進めていたのだも思われて、やっぱりがっくし…。ですねえ。

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昭和史20‐中国共産党とソビエト連邦と排日運動

昭和13年3月21日付の某情報部発行の機関紙では、国民党軍の台湾に対する空襲があったことを受けて、防空に対する心構えや準備、今後は航空母艦による襲来も想定しなければならないという不気味に的中している予想などが書かれていますが、興味深いのは当該情報部が海外の排日運動に対して大変敏感になっていることです。香港では排日運動をしていた人物が逮捕されて国外退去になるという有様で、マニラでは華僑による排日運動は沈静化に向かっている一方、シンガポールでは排日運動が威力妨害の域に達しているなどと記述しています。台湾に巨大なラジオ施設を作り、南方方面に宣伝戦をしかけようという構想が書かれていたことは前にも述べましたが、情報当局が宣伝戦についてかなり神経をすり減らしていることが手に取るようにわかります。非常に不安だったのではないか、だからこそ機関紙で繰り返し、東南アジアでの排日運動に対して敏感になっていたのではないか、それだからこそ宣伝戦にも力を入れようとしていたのではないかという気がします。

もう一つ興味深かったのは、中国共産党と国民党が手を握ったものの、その後は必ずしも両者の関係は緊密なものにはなっていないという情勢分析があったことです。その理由としては、中国共産党と手を結べばソビエト連邦から多量の援助が得られると期待していたのがそれほどでもなく、中国共産党としてはもらいが少ないのに口は出してくるという不満が溜まっているという話になっています。しかもソビエト連邦と手を結べばドイツ・イタリアを敵に回す上に英米の信頼も失うのでかえって藪蛇になっていると結論づけています。

これは半分は正しいが半分は間違った情報分析と言えます。英米がもっとも警戒していたのがアドルフヒトラーであることは間違いありません。英米とソビエト連邦はアドルフヒトラーを倒すということで利害が共通していたわけで、日本がアドルフヒトラーやムッソリーニに近づくことによって、日本の方こそ英米の信頼を失っていくことになるという最も重要な点にこの分析者は気づいていません。しかしながら、ソビエト連邦を手を結んでも介入してくるわりにもらいが援助が少ないのは多分、事実だったでしょうから、そこは合っているのではないかとも思えます。

いずれにせよ、情報分析担当者のインテリジェンスがこの程度であったこと、アドルフヒトラーが世界で最も警戒されている人物だということを見抜けなかったということは、残念ながら戦争に敗けるのも致し方のないことかも知れません。あるいは情報分析者が中央の動向を「忖度」して中央にも受け入れてもらえるような内容の分析結果を出していたという可能性も否定できませんが、そのような忖度ありきのインテリジェンスは値打ちがありません。やはり、敗けるべくして敗けた…と思わざるを得ませんねえ…。

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昭和史7‐国民精神作興週間

昭和12年の末頃、国民精神作興週間なるある種のイベントが行われました。みんなで家の外に出て日の丸を振ったり、ラジオ体操をやったり、献金を呼び掛けたりしたらしいのですが、そこまですることには鬼気迫るものを感じざるを得ませんし、現代人の目から見てどうしてそこまで蒋介石と戦争を続けたいのか謎にすら思えてきます。もっとも、国際連盟脱退後のことですから、世界の中で孤立してしまったという現実がより一層、日本人に危機感を持たせてしまったのかも知れません。

昭和12年12月11日付のとある情報機関の資料では、日本の財政が金銭的に厳しい状態におかれていたことを示しています。曰く国際収支での均衡を保たなくてはいけないため、「海外旅行した者は土産物を差し控えるように」とのお達しまで出ています。外国へ旅行すればそれだけ国際収支がマイナスに傾くからで、そのような点にまで目を向けなければならないということはかなり切迫した状況だったことが分かります。国債もなるべく低額で予算の少ない人でも買えるようにするべしとも書かれてあり、今でいえば消費税を上げる上げないくらいの感覚でとにかくどこからでもいいから戦費をなんとか調達しなくてはいけないという必死の様相が伺えます。

興味深いのは当時の台湾で台湾在住の中国籍の人たちからの献金があったことも報告されていることです。当該資料では「彼等の自発的で麗しい心情は国境を越えて怨念を離れて、この献金となって現れて居るのである」と述べています。個人的には中国人はやはり頭が良いとうならざるを得ません。日中戦争中、日本もしくは日本の海外領土で居住する中国人は、日本の官憲の好意的な中立を勝ち取る必要があったでしょうから、その好意的中立をお金で買ったとも言えます。身の安全のためなら安いものです。鋭敏な保身の本能はとても日本人にまねできるものではありませんから、これは中国人はさすが一枚も二枚も上手だと認めざるを得ないのではないかと思えます。

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昭和史1-排日運動の歴史

とある公的機関刊行物の昭和12年9月15日付の号では、当時の日中関係に関する当局者の見方が述べられており、当時、日本の当局者がどのように日中関係を理解していたかということを知る上で興味深いものになっています。

当該の文章では、縷々、平和と正義を重んじる日本軍に対し、中国サイドで排外主義が盛り上がり日本だけでなくフランスなど欧米諸国に対しても排外主義を発揮し、その製品を奪ったり、破壊したりしていたことを述べているとともに、日本人殺害事件が幾たびとなく頻発し、さらには日本軍に対する挑発行動も目立つため、やむを得ず関東軍が展開エリアを広げ、満州事変、熱河作戦を行ったのだ、盧溝橋事件もまたしかりである。というような趣旨のことが述べられて、そのような中国に於ける排日運動は40年もの歴史を持つのだとも述べ、はっきり言えばかなり憤っています。昭和12年9月のことですから、既に上海事変は始まっており、南京攻略戦にはまだ至っていない。そういう時期に当たります。

当該の文章では、それらの諸事件が起きた背景にはコミンテルンの動きがあると指摘しており、当該文章の結びでは

満州事変以降の数々の排日抗日事件は、総て蒋介石が自己の政権を維持し支那(ママ)の統一を促進せんが為めに支那国民に排日抗日思想を徹底せしめた結果現はれたものであって、それにロシア共産党の指令に基く支那共産党の魔の手も加はって抗日運動は益々熾烈無軌道となったのである

と述べ、問題は中国ではなく、むしろその背後にあるコミンテルンだと指摘しています。その続きではコミンテルンは一旦は蒋介石に中国支配をさせておいて、内側から赤化運動を行い、中国全体を共産主義にすることが狙いになっているので、注意せよ。というむすびになっているわけです。

この刊行物に書いてあることがどこまで信用できるのか、そもそもが書き手のバイアスがかかってはいないのか、それとも反共の著者が強引にコミンテルンを結び付けているだけなのか、私には判断のしようがありません。ただ、当局者がどういう認識を持っていたかということを知るという点で興味深いことのように思えます。

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CIAは「やりたい」、トランプ氏は「やれない」、安倍氏は多分「やってほしい」だった

ただいま、2017年5月1日、午後6時です。米韓合同軍事演習はスケジュール的には終了しているはずです。軍備をどの程度解いたかなどは分かりませんが、もっとも緊張している期間は終わったと言っていいと思います。戦争にならなかったことは慶事であり、平和を愛する日本人の一人として、戦争にならなくてよかったとは思いますが、今後、いつ終わるとも知れない重圧を受けることにもなり、そのあたりは複雑な思いにならざるを得ません。

2か月にわたった今回のから騒ぎは結果としては、本当にただのから騒ぎだったと思いますが、果たして本質はどのあたりにあったのかをちょっと考えてみたいと思います。

CIAの長官が4月29日に韓国を訪問したという報道があります。ストレートニュースの類ですから、その事実に疑いを持つ必要はないと思いますが、多くの人が、CIAが本気を出しているのではないかと考えるに相違なく、私もそう思いますが、どうもCIAの方が空回りしているのではないかという気がします。まず第一に、トランプ大統領とCIAの関係は改善しておらず、両者が共同歩調をとっているように見えません。今頃になってCIAの長官が動いたということは、トランプさんがやりそうでやらない姿を見て、業を煮やしたというか、なんとか事態を「発展」させたくて後押しをしているのではないかと私には思えます。

不思議なのは、米韓合同軍事演習がいよいよ終わるというころになって、日本側が俄然、やる気になっていたというか、腹を固めた、覚悟を決めたというように見えることです。過去にミサイルの発射は何度もありましたが、直近のミサイル発射(失敗)では、Jアラートも出すし、電車も新幹線も止めるしと、臨戦態勢に入っていることを国民に告げています。安倍さんも強気の発言が目立ちます。在韓の日本人留学生には最近になって注意が呼びかけられたそうですが、明らかにタイミングを失しており、なんで今更…との感があります。

想像になりますが、当初半信半疑だった日本政府が、CIAの筋から「今回は本気だ」と告げられて、日本側も本気モードに入ったのではないかと私には思えます。即ち、CIAの長官が韓国を訪問したことと、最近になって日本側の本気モードにドライブが入ったことにはそれなりに関係しているのではないかと思えます。

しかしながら、私はトランプさんが当初から北朝鮮と戦争することは本気では考えていなかったし、今も本気では考えていないと思います。現在、北朝鮮は核実験も抑制し、ちょっと派手目に軍事演習をやったりしてお茶を濁しているわけですが、現状では中国の説得が功を奏しているように見えるとも言えるため、アメリカとしては敢えて先制攻撃をする口実がありません。韓国に10万人いると言われるアメリカ市民は現在も普通に生活しています。要するにアメリカはまだ本気モードには入っていなかったというわけです。北朝鮮がミサイルの発射でこのところ失敗が続いているのは、アメリカのサイバー攻撃によるものではないかとも囁かれますが、北朝鮮がミサイルを撃てば、かっこうの口実にもできますから、アメリカがサイバー攻撃を仕掛けているということは、本音ではやりたくないということの証左のように思えます。

最近、安倍さんが強気なのは、アメリカに対して「日本は準備ができている。覚悟は固めた」というメッセージなのではないかとも思えるのですが、トランプさんは「オバマとは違うのだ」とアピールするためにいろいろ強気なことを言ってはみたものの、本気ではなかった、あるいはそもそもやれなかったと考えれば、この数週間の動きは説明がつきます。大山鳴動して鼠一匹。豊洲もまたしかり…。トランプさんは就任当初こそ大統領令を出しまくったものの、最近はことごとく政策が実現しない状態に入っており、wall street journalからは「トランプは十分に共和党的ではない。良かった」と、なんじゃそりゃとコメントされる始末です。とりあえずはciaとトランプさんが手打ちをしない限り、アメリカは騒げども何も変わらないという日々が続くのではないでしょうか。

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英語メディアが最近になって北朝鮮のことについて騒ぎ始めている件

2017年4月15日、北朝鮮が核実験をやるならこの日と言われたのが何事もなく過ぎ、個人的には「まあ、もう戦争にはならないだろう」と考えているのですが、ちょっと事態に変化が生じているようです。英語メディアが騒ぎ出しています。英語メディアと言ってもなんでもかんでもチェックするわけにはいかないので、cnn,fox,financialtimes,bbcあたりを拾うようにチェックするくらいしかできないのですが、ある程度チェックしておけば、欧米でどういうことが注目されているかは大づかみに理解することはできます。特にcnnが反トランプ、foxが親トランプですから、この両方を横目でもいいのでざっくり見ておけば、中間的な視座も得やすいと考えています。

では、4月15日ごろ、彼らがどういう報道をしていたのかというと、主としてシリアに関心に向いていました。トランプさんは外交では中東関係が第一ですから、シリア、イランが懸案になっている最中、本当に北朝鮮にまで手を出すのだろうかと私は疑問に感じてはいたのですが、シリアに向けてトマホークが使用されたことに欧米メディアが食いついており、この背景にはアメリカの政府筋が意図的に出す情報量がシリア関連に偏っており、記者たちはどうしても出された情報について追いかけざるを得ない宿命がありますので、アメリカ政府としてもメディアにそっちへ関心を持ってほしいという希望もあったものと推察できます。

アメリカは戦争になったら好戦的な方向で一挙にまとまる国ですし、cnnもトランプさんに対する批判が柔らかいものになったような印象はありましたが、若干、cnnがどうしていいか迷っているフシもあるように感じました。そういう意味では大ブッシュと小ブッシュの時代に中東で戦争した時に国民がこぞって支持していたのとはちょっと違う感じかなあとも思えました。トランプ政権としては、アサド政権に対してトマホークを使ったことは、必ずしも過去のような国民的支持を得るという手段にはならなかったという教訓を得たのではないか、cnnはそんなことくらいでは反トランプをやめないのだということを学んだのではないかとも思えます。

さて、ところが本当にここ数日、2,3日のことですが、突然に英語メディアで北朝鮮関連の話題が増えてきました。やはり政府筋がそれに関する情報をよく出すようになり、現場の記者が食いつきを見せているとも思えます。今ごろになって「緊張が高まっている」などと言い始めています。まず間違いなく政府筋が「緊張が高まっている」との情報を流しているからだとは思いますが、気になるのはその先に描いている絵がよく読めないということです。私はアメリカが本気で北朝鮮と戦争することを考えているとは思えません。本気で戦争をする準備を整えているのであれば、北朝鮮へ向かったはずのカールビンソンがしばらく消息不明になってインド洋に出現するというような理解に苦しむ航行をすることはちょっと考えにくいですし(意図的にそうしたのだ、戦略だ、という人もいるでしょうけれど、本気の勝負をかけるのであれば、少しでも早く現場に行きスタンバイするというのがいかなる職業でも基本になるはずです)、かくもあからさまに中国への期待を表明するのも、できれば中国の力でいろいろ収めてもらいたいという本音があり、過去にアメリカがどうしても戦争したい時にはトンキン湾事件のような小細工をしてまで戦争を始めたことを考えると、わざわざ中国に下駄を預けて開戦のハードルを上げるというのは、本音では戦争をしたくないということがよく現れているように思えます。

気になるのは、ここを超えたら戦争になるぞというレッドラインが若干、曖昧な点です。アメリカに届くicbmが完成し、そこに核弾頭が積まれる事態になったならば、アメリカはゆるさないだろうという話はよく聞きます。しかし、それでは北朝鮮が核実験を強行した場合、それがレッドラインを超えたかどうかを厳密に判断することはできません。もし北朝鮮が核実験とicbmの実験を別個に別時期に行えば、それはレッドラインを超えたことになるのでしょうか。或いはどちらか片方だけ成功させればレッドラインを超えたことになるのか、それとも一度に両方やらなくては、超えた判断しないのか、微妙なところが曖昧なままです。もし、アメリカが本気であれば、開戦のハードルを下げるでしょうから、このような曖昧さは関係諸方面にとっても耐え難いストレスになるに違いなく、ここにもアメリカが本気ではない、あるいは迷っている、もしくは本音ではやりたくないというのが出ているのではないだろうかと思えます。

さて、ciaの本音を知るにはvoice of americaの中国語版が私が手に入れられるソースの中では最も適切だと考えているのですが、当該メディアのyoutube配信を確認したところ、やはり中国の動きを注視しており、中国がわりと本気で北朝鮮を締め上げる動きに乗り出しているということが中心のトーンで進行されていました。トランプさんとciaの関係は悪いと個人的には見ていますが、実際に戦争をするとなれば、ciaと連携しないというわけにもいかないでしょうから、当該メディアをチェックすることは今後のアメリカの出方を予測するうえで、有効な手がかりになることは間違いないと思います。そして、当該メディアが中国に期待する主旨のメッセージを発しているということは、やはり、本音ではやりたくないということのように思えます。これは中東のごたごたが改善したわけでも大きく展開したわけでもない以上、北朝鮮に本腰を入れるとは考えにくいという大枠にも沿っていることになりますから、大体、この方向で見ていいのではないかと思います。

とはいえ、この時期になって、そろそろ米韓合同軍事演習も終わろうという時期に、英語メディアが朝鮮半島に目を向け始めた、即ちアメリカ政府筋がそういう情報を流し始めたということの意図や背景が以上のようなことだけでは説明がつきません。トランプ政権としても、メキシコの壁の予算は諦めざるを得ない見通しになっており、オバマケアも廃止には至らず、いろいろ失策が目立っていますので、そういうことからメディアの注意を逸らせたいと考えているのではないかと私は勘ぐっているところです。まだしばらくは目が離せませんが、戦争になる可能性はそんなには高くないという見方でいいのではないかと考えています。

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北朝鮮は戦争ではなく外交を選んだ。勝ったのは中国だった。

現在、2017年4月15日の午後2時ごろです。政権に近い人たちからはXデーとささやかれ、あわや第二次朝鮮戦争、または第二のキューバ危機かとすら思えた緊迫感のある日々が続きましたが、もっともやばいと言われた15日の午前が何事もなく穏やかに過ぎましたので、戦争になるリスクは大きく減少したと思えます。安全資産である日本円に買いが集まっていましたが、週明けからは円高に揺り戻していくのではないかと思えます。数日前、私なりに戦争にはならないと思うという主旨のことをなるべく穏やかに書いたのですが、やっぱり戦争にはならなかったと言うことになります。北朝鮮にとっては核実験という派手なことはやれなかったものの、「SLBM持ってるぞ。ついでに言うとICBMも持ってるぞ。なめんなよ」と世界に見せることができたわけですから、それなりに満足できる内容だったかのも知れません。

一時、軍需産業関連の関連の株価が上がっていると話題になりましたが、数日前から下げ始めており、株式市場でも戦争は回避されるという見方が強まりつつあったとも思えます。週明けからは反動もあってもっと下げるのではないかという気もします。

振り返ってみれば、アメリカがどこまで本気で戦争するつもりだったのかは微妙と思えます。まず第一にシンガポールからオーストラリアへ向かうはずだった空母カールビンソンが思いつきのように日本海行きを命じられ、一週間くらいかけて(要するにわりとゆっくり)北上したという辺り、「カールビンソンが行きますよ」という威嚇以外の意味はなかったとも思えます。

もし戦争になった場合、懸念されるのはソウルに大量の砲弾が撃ち込まれることと、日本に何が飛んでくるか分からないというところでしたが、38度線の砲台は固定されたものなわけですから、トマホークで計算して打ち込めばよく、カールビンソンの戦闘機が出ていく理由はありません。ミサイルを打つための可動式の発射台については、トマホークで狙うことには限界がありますから、戦闘機を使うことは理解できますが、仮に数時間で全て叩く(一つでも残っていれば日本に何かが飛んでくる)ということであれば、横須賀のロナルドレーガンも日本海に行っているべきで、わざわざ狙ってくださいと言わんばかりに横須賀で整備しているのは悠長な話です。ということは、最初から必ずしもアメリカは本気を出していなかったのかも知れません。やろうと思えば勝てるだけの戦力は集めた上で、場合によっては韓国と日本が焦土と化しても、ま、いっか。という感じで考えていたのかも知れません。少数精鋭の暗殺部隊を送るという話もありましたが、山の中の個人宅を狙うのではなく、警護の固い宮殿の中に複数の影武者たちと警備兵を充実させている国家元首をこっそり空挺部隊のようなもので送り込み、目的を達成するというのは土台からしてやっぱり無理な話だったと言えなくもありません。

それでも、戦争になったら日本と韓国に向けて存分に大暴れして滅びゆく覚悟を北朝鮮がしたならば、そうなったかも知れません。しかし、今この段階で核実験をしていないということは北朝鮮の側は矛を収め、アメリカも矛を収めるのをじっと待つという戦略を採用したものと見受けられます。何にもやらなければ滅亡必至の戦争を回避できるのですから、何にもやらないというのは理にかなった判断と思えます。太平洋戦争が始まる前に昭和天皇が「戦争準備を主とするのではなく、外交を主とせよ」と意思表示したことは全くまともな判断であり、それでも戦争をした当時の日本の指導者の愚かさということまでが私の脳裏を去来します。

一連のできごとで最も印象に残ったのは中国の立場が大きく好転したことです。中国は北朝鮮を説得するとアメリカに約束し、実際に北朝鮮を思いとどまらせることができたわけですから、堂々とその成果を主張することができます。一部では今の北朝鮮を中国がコントロールすることはできないとも言われていましたが、滅亡必至の行為を思いとどまらせるのはそんなに難しいことではなかったかも知れません。やったら死ぬよと言われれば、大抵の人はやらないのが合理的というものです。その結果として得るものは大きいもので、トランプさんは中国を為替操作国とは認定しないと発言し、今後の貿易不均衡についてもあんまり厳しいことは言わないともツイッターでつぶやいています。先日の米中首脳会談では、「100日以内になんとかしろよ」と約束させられた習近平さんですが、この約束はチャラにしたところで誰に文句を言われるわけでもなく、大手を振れるというものです。今回のことで一番お得な思いをしたのは中国だったかも知れません。北朝鮮に対しても、アメリカに「体制の変更は求めない」とも言わせたわけですから、これからは命の恩人です。

今後は米中蜜月も視野に入る可能性もあります。トランプさんが大統領に就任する前、台湾の蔡英文総統と電話で会談したことを自らツイッターで明かしたことで大いに話題になり、CIAはトランプさんの就任前にアメリカに立ち寄った蔡英文さんと直接会談させることも狙っていたフシがありますが、これは実現しませんでした。CIAとトランプさんの関係は現在に至るまでも微妙というかかなり隙間風が入り込む状態と見てまず間違いないと私は見ていますが、これは世界最大の予算を持つインテリジェンス機関をトランプさんが活用できていないということも意味しています。政府人事は現在に至るまで不安定で、人事の目玉であったとも言えるバノンさんも冷遇されつつあるわけですから、トランプ政権は足元がまだまだ弱いということは間違いないと言えそうです。当初、明らかに中国に対して冷たい態度をとっていたトランプさんは、就任後少しずつ態度が穏健になり、おそらくは中国ロビーの涙ぐましい努力があったものと想像できます。娘さんと娘婿だけを頼りに政治をしているトランプさんは裸の王様状態になっており、中国ロビーにとってはそれが幸いして、入り込みやすかったのかも知れません。トランプさんは今後も情報源が乏しい中でのかじ取りをせざるを得なくなるため、中国ロビーの努力次第では米中蜜月大いにあり得ると思えます。北朝鮮が核実験を見合わせたことで、米中蜜月のお膳立ては整ったとも言えますから、今後はアメリカのAIIB参加なども含んだ方向転換も考えられます。その場合、戦争になったら有事モードで返り血も覚悟していたフシが見受けられる安倍首相は踊らされた感が残ってしまい、うまく形容することのできない、わけのわからない感じになってしまうということにもなりかねません。国際社会は一寸先は闇でござんす。安倍首相はオバマさんに対しては平身低頭で何とか乗り切り、トランプさんに交代してからはもうちょっと伸び伸びやれるかもと期待していたはずですが、ところがどっこい…相手にされなくなる…。ということもないとは言えません。こういうことを書いたからといって、私がそれを望んでいるというわけではないですよ。念のため。

とはいえ、戦争になっていたら、数百万人の死者が出ることも不思議ではなく、コロニー落としなみのマスマーダーになった可能性もあるわけですから、戦争にならなかったということは、祝すべきとも思います。

金正恩さんは、このたびのことで「強いことは正義だ」と学んだのではないかと思います。シリアのアサドさんやリビアのカダフィさんのような半端なことをしていればトマホークも撃ち込まれるし、場合によっては殺される。しかし、自分は強いのだ。強いからアメリカも手を出すのをためらったのだと認識したはずです。そう認識するのが普通です。もし、金正恩さんが賢明な人であれば「力は使うものではなく、見せるものだ」とも学んだかも知れません。日本はそれを見せられる側であり続けることになります。日本は外交で負けたと判断してもさほど間違っていないのではないかという気がします。

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アメリカと北朝鮮

米韓軍事合同演習が今まさに続けられている最中であり、keyresolve作戦なる穏やかではない名称の作戦の訓練も行われているということで、しかもトランプ大統領ですから、もしかすると戦争もあるかも知れないという話が俄かに高まっています。

本当に戦争になるのか、それともならないのか、戦争になったらどうなるのか、可能な限り穏当な表現と中立的な姿勢を保ち、感情的にならず、考えてみたいと思います。

昨日から行われた米中首脳会談では、「北朝鮮の非核化で協力する」という合意が得られたとされています。大変に微妙な表現で、「非核化」のために何をするのかはさっぱり分からない、逆に言うと何をやっても合意の範囲内という曖昧なものですから、穿った見方をするとすれば、アメリカは中国の黙認をとりつけたと解釈することも不可能ではありません。

トランプさんと習さんの会談の最中にトマホークでシリアのアサド政権の施設を攻撃したという一報が飛び込んでくるというのは、アメリカ側の皮肉をきかせた演出と言えますし、このような演出をする背景には、アメリカには他の地域でもそうする意思と能力を持っているということを示したとうけとることも可能と思えます。

しかし一方で、広い世界を全体的にカバーしなくてはいけないアメリカの事情としては、二正面作戦は避けたいという本音があるはずですから、「シリアと北朝鮮の双方で一挙に」というのは現実的な問題としてはハードルが高く、トランプ政権の最優先課題は中東情勢をコントロールすることにあることは明白ですので、シリアに本格的に手を出すということは、北朝鮮には本気にはならない。或いは、現実的にそうはできないという見方も可能とも思えます。

習近平さんにアメリカの意思と能力を示したものの、シリアと北朝鮮に同時に手を出すことはできないという二律背反でアメリカ側も未だにためらっているのが現状ではないかと私には思えます。

大変に悩ましいのは、戦争になった場合、日本、韓国への被害は甚大になる恐れがありますから、水面下でどのように話し合われているかは分からないものの、日本、韓国側から事前の快諾を得るというのは決して簡単なことではないようにも思えます。特に北朝鮮の指導者は「死なばもろとも」と考えている可能性が高いと思えますから、いよいよとなればミサイルのボタンを押すことに躊躇はないでしょうし、或いはボタンを握りしめて「押してもいいのか」的な瀬戸際作戦も充分に考えられます。

ビンラディン氏を襲撃した際には、彼がそういう決定的なボタンを持っていなかったので、少人数精鋭部隊で襲撃するという、まるで映画のような行動が可能でしたが、北朝鮮の場合、まず、指導者がどこにいるかははっきりとは分からないという面があり、指導者も一朝ことが起きればいつでもボタンに手が届くように準備している可能性がある以上、芹沢鴨暗殺のように寝込みを襲い、坂本龍馬暗殺のような素早さでけりをつけるというのはハードルが高いように思えてなりません。

アメリカとしては、北朝鮮がアメリカに届くミサイルを持つようになる前に、という本音もあるでしょうけれど、今となっては日本と韓国が焦土と化してもいいという覚悟を決めなくては動くに動けないはずですので、これは世間で騒がれているほど、戦争になる可能性は低いのではないかと思えなくもありません。平壌の破壊力の大きい爆弾を落とすという選択肢もあるかも知れませんが、その場合は横田めぐみさんの安全が危ぶまれます。

現状はキューバ危機以来とも思える緊張感のある状態になってはいるのですが、危機が進み過ぎて手が出せなくなっている。と私には思えます。イランコントラ事件でも分かるように、CIAは精緻な作戦にさほど優れているとも言い難いがところもありますので、敢えてそこまでのリスクを取れるかと言えば、取れないのではないかと思えます。

トランプ政権はまだ人事で揺れている部分が残されており、安定しているわけでもありませんから、そういう面からも今の段階で危険な賭けに出るのは厳しいのではないか、とも思えます。

以上のようなことを整理すると、1シリアと北朝鮮の二正面作戦は厳しい 2トランプ政権にとっては中東が優先事項 3トランプ政権はまだ弱く、危険な賭けには出られない 4北朝鮮は既に核保有国なのでその強みがあり、既にうっかり手が出せないほど強力になっている

ということになり、結論としては、おそらく、戦争にはならないのではないかと思えます。米韓合同軍事演習が終わるまではもちろん何とも言えない部分は残りますが、韓国の大統領不在の今、韓国が事態に対応できないという面もあって、やはりアメリカは戦争するわけにはいかない、できない。という結論に辿り着きます。それは今後も緊張が続くということも意味しますが、今戦争になれば、絶対にマスマーダーになるというリスクを負えないと思う方が普通の感覚かも知れません。今のタイミングで韓国の大統領が不在のことの方が意味深いようにすら思えてきます。また「核ミサイルを持っている」というだけで、一国を滅亡に追いやるだけの大義名分になるのか、というところも意見の分かれるところではないかとも思えます。

アメリカにとってもリスクは高いことは間違いないはずですが、北朝鮮サイドにとってのリスクはより大きなものですから、事態の打開をより強く願っているのは北朝鮮サイドに違いありません。国内での核開発アピールをやり続ける以外に政権を維持できないのだとすれば…意外と最高指導者が亡命する、みたいなところで手を打つということもあり得なくはないように思えます。

『博士の異常な愛情』をリアルで見ているような、重苦しい日々が続きます…。

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