2018年末衆議院解散説

現在(2017年)の衆議院議員は2018年末に任期の満了を迎えます。一般的な見方、政治ウオッチャーの常識みたいなことを言えば、通常、2018年になる前に首相は衆議院の解散を模索するはずです。過去の経験則から、任期満了にともなう解散総選挙では首相の求心力を維持することが難しく、スケジュール解散などと揶揄されて与党が数を減らすというのがパターン化されており、解散総選挙の先送りは現職の首相にとっては座して死を待つに等しく、政権を維持したいのであれば最後の一年に入る前に解散を打つに違いないというわけです。過去、もっとも分かりやすい例としては、小泉純一郎さんが優勢解散で大量に議席を獲得した後、後任の首相たちが自分の手で解散して敗北することを恐れて一年ごとに辞任するというなんか変な話になってしまい、ババ抜きゲームの結果みたいに麻生太郎さんがスケジュール的にやむを得ず解散を打ち、惨敗したというのがあります。もちろん、リーマンショック以来経済ががたがたで、そういう点で運が悪かったとも言えるかも知れません。

さて、現在の首相は安倍晋三さんです。55年体制が始まって以来、初めて二度目の首相の座に就いたというだけでもただ者ではないわけですが、近年稀にみる長期政権になっており、過去の長期政権の例で言えば、桂太郎さんが合計で長期やったものの、二度目、三度目の任期はかなりぼろぼろになっていたことを思えば、最盛期に迎えているように見える安倍政権は極めて珍しい、異例な、一般論では語れない状況が生まれているとも思えます。

で、安倍晋三さんには3つの目標があると言われます。1つはアベノミクス。これはまだまだ道半ばとは言うものの、失業率が3%を切るという快挙に至ったこともまた事実であり、ゆっくりゆっくりと効果を上げているとも言えますが、これは今辞められると全部沈んでしまうでしょうから、日本の本格回復までがんばってもらいたいところではあります。で、2つ目が憲法改正。果たして何をどう改正するのかというところから議論されなくてはいけない、意外と漠然とした目標で、お試し改憲みたいな話も出て、そんなことで本当に大丈夫かと私は不安に思いましたが、最近では憲法9条に第三項で自衛隊を明記するということでどうも安倍さんの腹が固まった、多分、公明党もそれならオーケーという話になった、維新も多分乗ってくるということで、ようやくどうするつもりかが見えてきた感があります。自衛隊は過去の大地震でどれほどがんばってくれたかが国民の目にもよくわかっていますので、自衛隊の存在が憲法で確認されること事態には反対しないというコンセンサスなら得られると安倍さんは考えたのかも知れません。最高裁判所は統治行為論で自衛隊が違憲か合憲かについては判断しない、ということは少なくとも違憲だという判断は出していない、悪く言えば逃げており、良く言えば司法は万能ではないから判断の分をわきまえていると考えることもできますが、いずれにせよ、公明党、最高裁等々の諸要因を考慮して、自衛隊について書き込むというところに狙いを定めたと言えるように思えます。

そして3つ目は東京オリンピックの時に自分が首相をやるという目標も持っています。これについては個人的な利得、私利私欲の範疇に入るかも知れませんし、「東京オリンピックの時に誰が首相なのか」は個人的には関心もありませんので、論じないことにします。

で、ここから何を論じるのかというと、以上の3つの目標を達成するための「解」はどこにあるのかということになります。一般論で言えば、上の3つの目標はどれもそれだけで難治であって、これを全部達成するというのはかなりの神業と言わざるを得ません。しかし、そこを狙うため、安倍さんは、どうも任期ぎりぎりまで解散しないのではないかと思えてきます。

今の若手の自民党の議員さんの中には、とても次は当選できないと言われている人が多く、実際にみっともないことが週刊誌に書かれることも多く、次の総選挙で自民党が現有勢力を維持することはまず不可能との見方があります。前回の衆議院選挙でも東北地方では小沢王国が存在感を見せており、小沢王国はさらにがちがちに固めていると考えていいわけですから、次回選挙では過半数は維持できてもそれ以上はちょっと望めないという予想が立ちます。とすれば、憲法改正を本当にやりたいとすれば、現有勢力でやるしかありません。天皇陛下のご攘夷、テロ等準備罪、〇〇学園、北朝鮮ととても選挙をやってる場合ではない課題が目白押しで、それを全部片づけてからいよいよこれから改正論議ということになれば、2018年の任期ぎりぎりまで日程を取る以外にはないのではないかという気もします。そうやって、最後は衆議院選挙と憲法改正の国民投票を同時に行い、最終判断では有権者に任せる(民主国家ですから、最終判断についてはそうせざるを得ません)というシナリオがあるのではなかろうかと思えます。私が改憲してほしいとか、してほしくないとか、そいうことではなくて、首相の胸中を「忖度」すればそういうことになると思えるわけです。

もちろん、自民党が政権党から転げ落ちるという不安要素は残ります。なにしろ任期満了に伴う解散ですし、小選挙区制の選挙制度では、ちょっとした風向きの違いで大きく勝ったり大きく負けたりするわけですから、任期満了解散はリスクです。繰り返しになりますが、小沢一郎さんにそれだけ時間を与えてしまうのもリスクと考えているはずです。もちろん、任期満了に伴う解散が政権党に不利なのは、解散の大義名分に乏しく、有権者に訴えかける材料が少なくなってしまうというものがあるからなのですが、憲法改正もセットでやるとなれば、賛成反対はともかく、大義名分としては充分です。

個人的には、更に消費税の減税を公約に入れてもらえないかと、どさくさでもいいので、消費税増税をねじ込んでもらえないかと思います。金融緩和はそれなりに効果を上げているわけですから、ここで消費税の減税があれば、日本経済は一機に回復。東京オリンピックもシナジー効果になって日本は一機に21世紀バブルも夢ではないと思うのですが。

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豊洲と築地は共倒れ。海産物の流通は決定的に変化する。

築地市場の豊洲移転がいまだにかまびすしく議論されています。北朝鮮のクライシスがだいたい回避されたという雰囲気に世の中的にもなってきましたから、再び世間の目が豊洲移転にシフトしたという印象があります。

果たして築地と豊洲がどちらがいいのでしょうか?移転派の主張は、築地の建物は古くて地震に対して弱い上に、衛生面での管理も問題があって、しかも土中にはアメリカがビキニ環礁で水爆実験をした際に被ばくしたマグロが埋まっているため、豊洲のように新しい設備のところへ移転するべきだというものです。一方の築地残留派の意見としては、築地という名称にはブランド力があり、豊洲は地下水が汚染されているので、安全性に問題がある。仮に水道水を使うから豊洲の地下水が汚染されていても関係ないとしても、安全と安心は違うという論理で攻めているといったところでしょうか。

記事のタイトルで豊洲と築地は共倒れとしているものの、仮にどちらかに軍配を上げるとすれば、豊洲に軍配を上げていいのではないかと思います。豊洲の最大の懸念は地下水の汚染なわけですが、水道水を使うのであれば、関係ないのであって、安全だったら安心していいではないかと思えますし、新どんなにしい頑丈な建物の方が衛生面でも耐震面でも安心できるのではないかと、わざわざ土木の専門知識を持ち合わせていなくても、一般論として言えるのではないかと思えます。

尤も、「築地は問題が多い!」という人が登場しなければ誰も問題があるとは思わなかったと思いますし、環状二号線と通したいという目的がまずあって、そこで築地に物言いがついたような気がどうしてもしてしまいますので、果たして本当に築地がダメなのかどうかという疑問は残ります。衛生面に問題があるとしても、今まで問題なく築地が機能してきたわけですから、衛生面の問題は無視していい程度のことなのではないかとも思えるのです。

そうはいっても、ここまで「築地市場は汚い」キャンペーンが張られると、なんとなく築地という名前を聴いても以前のような魚河岸ロマンのようなものは既に失われてしまっており、「築地直送」の貼り紙を見ても却って萎えてしまうため、消費意欲を刺激しなくなっていますから、築地ブランドはもはや過去のものになっています。築地ブランドを守るべきという意見も私は理解できるのですが、既に築地ブランドは失われてしまっています。消費者は築地直送と書かれてあったら、なんとなく買いたくないと思うのではないでしょうか。

では、一方で今後、豊洲に移転後に豊洲ブランドが確立されるのかと考えてみても、なかなかそうはいかないかも知れません。豊洲に関しても「汚染がひどい」キャンペーンが張られてしまいましたので、「豊洲直送」は消費者のマインドを刺激しません。

ということは一連の騒動の結果、豊洲、築地の共倒れという結果を招くのではないかと思えます。豊洲にマンションを買った人は一喜一憂でしょうから、大変お気の毒ですが、できれば私も豊洲のマンションに住めるといいなあと思うタイプですので、豊洲にマンションを持っている人のことは、築地から豊洲への移転があろうとなかろうと、うらやましいなあと思います。

それはさておき、消費者のニーズがあれば、物言いがつこうとつくまいと成立はしていくはずですが、もはや豊洲にも築地にもニーズはなくなっていくのではないかと思えます。北海道なり高知県なり静岡県なりからの産地直送が普通になり、スーパーも扱う魚は産地直送。お寿司屋さんも産地直送。一般消費者もクール宅急便で産地直送になるのではないか、情報インフラが発達した今、敢えて築地か豊洲に一旦集積して再配送するというモデルはもう必要なくなるのではないかという気がします。築地も豊洲も通さない新しい流通モデルが発達し、近い将来、そちらに軸足が移るのではないか、それが主流になるのではないか思えるのです。

とすれば、東京都政は現在、足の引っ張り合いに終始したまま大事なことを決めることもできず、何かを前に進めることもできず、東京オリンピックのための準備も遅々としたままで、ずるずる沈んでいく過程にあるのではないかという悪い想像が働いてしまいます。

東京は日本の玄関であり、象徴であり、顔であり、中心なわけですから、東京には発展し続けてもらわないと困ります。しかし、築地・豊洲の議論一つとってもこのありさまですので、ため息をつくしかありません。

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CIAは「やりたい」、トランプ氏は「やれない」、安倍氏は多分「やってほしい」だった

ただいま、2017年5月1日、午後6時です。米韓合同軍事演習はスケジュール的には終了しているはずです。軍備をどの程度解いたかなどは分かりませんが、もっとも緊張している期間は終わったと言っていいと思います。戦争にならなかったことは慶事であり、平和を愛する日本人の一人として、戦争にならなくてよかったとは思いますが、今後、いつ終わるとも知れない重圧を受けることにもなり、そのあたりは複雑な思いにならざるを得ません。

2か月にわたった今回のから騒ぎは結果としては、本当にただのから騒ぎだったと思いますが、果たして本質はどのあたりにあったのかをちょっと考えてみたいと思います。

CIAの長官が4月29日に韓国を訪問したという報道があります。ストレートニュースの類ですから、その事実に疑いを持つ必要はないと思いますが、多くの人が、CIAが本気を出しているのではないかと考えるに相違なく、私もそう思いますが、どうもCIAの方が空回りしているのではないかという気がします。まず第一に、トランプ大統領とCIAの関係は改善しておらず、両者が共同歩調をとっているように見えません。今頃になってCIAの長官が動いたということは、トランプさんがやりそうでやらない姿を見て、業を煮やしたというか、なんとか事態を「発展」させたくて後押しをしているのではないかと私には思えます。

不思議なのは、米韓合同軍事演習がいよいよ終わるというころになって、日本側が俄然、やる気になっていたというか、腹を固めた、覚悟を決めたというように見えることです。過去にミサイルの発射は何度もありましたが、直近のミサイル発射(失敗)では、Jアラートも出すし、電車も新幹線も止めるしと、臨戦態勢に入っていることを国民に告げています。安倍さんも強気の発言が目立ちます。在韓の日本人留学生には最近になって注意が呼びかけられたそうですが、明らかにタイミングを失しており、なんで今更…との感があります。

想像になりますが、当初半信半疑だった日本政府が、CIAの筋から「今回は本気だ」と告げられて、日本側も本気モードに入ったのではないかと私には思えます。即ち、CIAの長官が韓国を訪問したことと、最近になって日本側の本気モードにドライブが入ったことにはそれなりに関係しているのではないかと思えます。

しかしながら、私はトランプさんが当初から北朝鮮と戦争することは本気では考えていなかったし、今も本気では考えていないと思います。現在、北朝鮮は核実験も抑制し、ちょっと派手目に軍事演習をやったりしてお茶を濁しているわけですが、現状では中国の説得が功を奏しているように見えるとも言えるため、アメリカとしては敢えて先制攻撃をする口実がありません。韓国に10万人いると言われるアメリカ市民は現在も普通に生活しています。要するにアメリカはまだ本気モードには入っていなかったというわけです。北朝鮮がミサイルの発射でこのところ失敗が続いているのは、アメリカのサイバー攻撃によるものではないかとも囁かれますが、北朝鮮がミサイルを撃てば、かっこうの口実にもできますから、アメリカがサイバー攻撃を仕掛けているということは、本音ではやりたくないということの証左のように思えます。

最近、安倍さんが強気なのは、アメリカに対して「日本は準備ができている。覚悟は固めた」というメッセージなのではないかとも思えるのですが、トランプさんは「オバマとは違うのだ」とアピールするためにいろいろ強気なことを言ってはみたものの、本気ではなかった、あるいはそもそもやれなかったと考えれば、この数週間の動きは説明がつきます。大山鳴動して鼠一匹。豊洲もまたしかり…。トランプさんは就任当初こそ大統領令を出しまくったものの、最近はことごとく政策が実現しない状態に入っており、wall street journalからは「トランプは十分に共和党的ではない。良かった」と、なんじゃそりゃとコメントされる始末です。とりあえずはciaとトランプさんが手打ちをしない限り、アメリカは騒げども何も変わらないという日々が続くのではないでしょうか。

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英語メディアが最近になって北朝鮮のことについて騒ぎ始めている件

2017年4月15日、北朝鮮が核実験をやるならこの日と言われたのが何事もなく過ぎ、個人的には「まあ、もう戦争にはならないだろう」と考えているのですが、ちょっと事態に変化が生じているようです。英語メディアが騒ぎ出しています。英語メディアと言ってもなんでもかんでもチェックするわけにはいかないので、cnn,fox,financialtimes,bbcあたりを拾うようにチェックするくらいしかできないのですが、ある程度チェックしておけば、欧米でどういうことが注目されているかは大づかみに理解することはできます。特にcnnが反トランプ、foxが親トランプですから、この両方を横目でもいいのでざっくり見ておけば、中間的な視座も得やすいと考えています。

では、4月15日ごろ、彼らがどういう報道をしていたのかというと、主としてシリアに関心に向いていました。トランプさんは外交では中東関係が第一ですから、シリア、イランが懸案になっている最中、本当に北朝鮮にまで手を出すのだろうかと私は疑問に感じてはいたのですが、シリアに向けてトマホークが使用されたことに欧米メディアが食いついており、この背景にはアメリカの政府筋が意図的に出す情報量がシリア関連に偏っており、記者たちはどうしても出された情報について追いかけざるを得ない宿命がありますので、アメリカ政府としてもメディアにそっちへ関心を持ってほしいという希望もあったものと推察できます。

アメリカは戦争になったら好戦的な方向で一挙にまとまる国ですし、cnnもトランプさんに対する批判が柔らかいものになったような印象はありましたが、若干、cnnがどうしていいか迷っているフシもあるように感じました。そういう意味では大ブッシュと小ブッシュの時代に中東で戦争した時に国民がこぞって支持していたのとはちょっと違う感じかなあとも思えました。トランプ政権としては、アサド政権に対してトマホークを使ったことは、必ずしも過去のような国民的支持を得るという手段にはならなかったという教訓を得たのではないか、cnnはそんなことくらいでは反トランプをやめないのだということを学んだのではないかとも思えます。

さて、ところが本当にここ数日、2,3日のことですが、突然に英語メディアで北朝鮮関連の話題が増えてきました。やはり政府筋がそれに関する情報をよく出すようになり、現場の記者が食いつきを見せているとも思えます。今ごろになって「緊張が高まっている」などと言い始めています。まず間違いなく政府筋が「緊張が高まっている」との情報を流しているからだとは思いますが、気になるのはその先に描いている絵がよく読めないということです。私はアメリカが本気で北朝鮮と戦争することを考えているとは思えません。本気で戦争をする準備を整えているのであれば、北朝鮮へ向かったはずのカールビンソンがしばらく消息不明になってインド洋に出現するというような理解に苦しむ航行をすることはちょっと考えにくいですし(意図的にそうしたのだ、戦略だ、という人もいるでしょうけれど、本気の勝負をかけるのであれば、少しでも早く現場に行きスタンバイするというのがいかなる職業でも基本になるはずです)、かくもあからさまに中国への期待を表明するのも、できれば中国の力でいろいろ収めてもらいたいという本音があり、過去にアメリカがどうしても戦争したい時にはトンキン湾事件のような小細工をしてまで戦争を始めたことを考えると、わざわざ中国に下駄を預けて開戦のハードルを上げるというのは、本音では戦争をしたくないということがよく現れているように思えます。

気になるのは、ここを超えたら戦争になるぞというレッドラインが若干、曖昧な点です。アメリカに届くicbmが完成し、そこに核弾頭が積まれる事態になったならば、アメリカはゆるさないだろうという話はよく聞きます。しかし、それでは北朝鮮が核実験を強行した場合、それがレッドラインを超えたかどうかを厳密に判断することはできません。もし北朝鮮が核実験とicbmの実験を別個に別時期に行えば、それはレッドラインを超えたことになるのでしょうか。或いはどちらか片方だけ成功させればレッドラインを超えたことになるのか、それとも一度に両方やらなくては、超えた判断しないのか、微妙なところが曖昧なままです。もし、アメリカが本気であれば、開戦のハードルを下げるでしょうから、このような曖昧さは関係諸方面にとっても耐え難いストレスになるに違いなく、ここにもアメリカが本気ではない、あるいは迷っている、もしくは本音ではやりたくないというのが出ているのではないだろうかと思えます。

さて、ciaの本音を知るにはvoice of americaの中国語版が私が手に入れられるソースの中では最も適切だと考えているのですが、当該メディアのyoutube配信を確認したところ、やはり中国の動きを注視しており、中国がわりと本気で北朝鮮を締め上げる動きに乗り出しているということが中心のトーンで進行されていました。トランプさんとciaの関係は悪いと個人的には見ていますが、実際に戦争をするとなれば、ciaと連携しないというわけにもいかないでしょうから、当該メディアをチェックすることは今後のアメリカの出方を予測するうえで、有効な手がかりになることは間違いないと思います。そして、当該メディアが中国に期待する主旨のメッセージを発しているということは、やはり、本音ではやりたくないということのように思えます。これは中東のごたごたが改善したわけでも大きく展開したわけでもない以上、北朝鮮に本腰を入れるとは考えにくいという大枠にも沿っていることになりますから、大体、この方向で見ていいのではないかと思います。

とはいえ、この時期になって、そろそろ米韓合同軍事演習も終わろうという時期に、英語メディアが朝鮮半島に目を向け始めた、即ちアメリカ政府筋がそういう情報を流し始めたということの意図や背景が以上のようなことだけでは説明がつきません。トランプ政権としても、メキシコの壁の予算は諦めざるを得ない見通しになっており、オバマケアも廃止には至らず、いろいろ失策が目立っていますので、そういうことからメディアの注意を逸らせたいと考えているのではないかと私は勘ぐっているところです。まだしばらくは目が離せませんが、戦争になる可能性はそんなには高くないという見方でいいのではないかと考えています。

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安倍首相は現段階で解散を打ちたくても打てないように見える件

政治的なイベント、または外交的なイベントがあれば、すぐに解散説が出てきます。たとえば、森友学園問題では、証人喚問の終わり、出るべき話はだいたい出尽くした感があり、これを境に解散か?というような観測もなかったわけではありません。内閣支持率は概ね好調で、森友学園問題で騒ぎになってからは少しは下がりましたが、現状では回復が見られます。尤も、森友以前までほどには回復していませんから、同じやるなら今の時期は外してもう少し様子が見たいというところはあるはずです。

外交で得点して解散への流れを作りたいと安倍首相が考えていたことはまず間違いないと思いますが、プーチン訪日は実際的には空振りみたいなもので、北方領土で一機にという感じではなくなってきました。また、北朝鮮で開戦前夜(?)の空気が漂う現在、邦人保護の観点からみても米韓合同軍事演習が終わるまではとても解散している場合ではありません。外交的にはこつこつと小さく積み重ねてきた点は正当に評価されるべきと思いますから、概ね高い支持率はそのことも反映しているかも知れないですが、前回のように大きく勝てるという見込みが立つほどの感じでもなし…。というところではないかと思えます。

経済に関しては、金融緩和がそれなりに効果を上げていると思える一方で、日銀頼みの感が強く、もう一歩、抜け切れていない様子であり、失業率が史上最低レベルにまで下がったという事実は正当に評価されるべきと思いますが、21世紀バブル、21世紀元禄という感じにはほど遠く、長い目で見ると悲観したくなる材料が山積みですので、選挙で大勝利の確信を立てられるところまで来ているとも言い難いところがあります。個人消費は伸びておらず、明らかに消費税の増税の影響を引きずっていると思えますから、長い目で見るとずるずると衰退していきそうにも思えてしまい、なんとかしてくれ…。とついつい思ってしまいます。せめて東芝が救済されれば、ちょっとは明るいニュースになるようにも思うのですが、外資に買われる可能性の方が高いように思え、どうしてもぱっとした感じにはなりません。リフレ派の論客の片岡剛士さんが日銀の審査委員に就任する見込みですので、黒田総裁就任以降のリフレ政策は維持される、或いは更に深堀りしていくことが予想できますが、日銀頼みになってしまっているところが軛のようになっているとも思えますから、もう少し明るい材料がほしいところです。

しかし、安倍さんが憂慮する最大の要因は自民党の若手の議員の人たちが枕を並べて討ち死にする可能性が高いというところにあるそうです。確かに育児休暇をとると言っておきながら、不倫をしていた国会議員、重婚疑惑の国会議員など、たるんだ感じのスキャンダルが多く、20世紀型の大金を集めていたとかの話に比べれば小粒なスキャンダルとも言えますが、小粒なのに品がないという関係者であれば絶望したくなるような話題が目立っており、党の執行部であれば「このメンバーでは戦えない。外交で得点して何とか、粗を隠せないか…」という心境になるのではないかと想像できます。

2017年秋の解散説がありましたが、最近では2018年解散説まで出ています。勝てる目算が立つまではぎりぎりまで待つというわけです。追い込まれ解散になる可能性もあるけれど、それまでにいいニュースを発信できるかどうかということに賭るということらしいです。

自民党の支持率は4割近くあり、小選挙区中心の日本の選挙制度から考えれば上々と言えますし、民進党の支持率は全く上がらないというか、下がり気味であり、通常であれば自民党は楽勝とも言えますが、最近は当日になって誰に投票するかを決める人も多く、そのあたりの有権者の気まぐれの恐ろしさをよく知っているからこそ、メンバーのたるみを危惧していると言えそうです。小池百合子さんが手駒をどれくらい揃えてくるかによって今後の流れは変わってきますから、そういう意味では東京都議会選挙には注目せざるを得ません。ただし、小池さんは最終的には自民党と組む形で、細川護熙さんの時のように、少数与党ながら首班指名を勝ち取るというあたりを狙っていると思われるものの、自民党は正解遊泳型の政治家を絶対に認めないという空気も持っていますので、そのようなある種の伝統を小池さんが打ち破るかどうかは見届けたいところです。豊洲移転問題のもたつき、東京オリンピックの準備のもたつきが指摘される中、小池さんの演説力で乗り越えるのかどうかは日本の政治の将来を占う重要な材料になるように思えます。

最後に、安倍さんにとって恐るべしは小沢一郎さんかも知れません。前回の衆議院選挙でも、東北地方では自民圧勝という結果を得ることができず、小沢一郎王国が奥州藤原氏の如き強靭さを持っていることをうかがい知ることができましたが、解散時期が遅くなればなるほど、小沢さんに合従連衡の時間を与えることになります。小沢さんは党名を自由党というかつての政党名に戻しており、そこに心境の変化、心構えを見ることができます。

安倍さんとしては憲法改正可能な議席を維持したいという思いがあるでしょうけれど、上に述べたような各種不安要素を並べてみると、次も前回と同じだけの議席を確保できる見通しは必ずしも高いわけではなく、仮に現状に大きな変化が生まれないまま解散総選挙ということになれば、憲法改正はあきらめざるを得ないという結論にも至りかねません。私個人は無理をして憲法改正をする必要はないと思っていますから、3分の2以上の議席をとれるかどうかにはあまり関心はないのですが、憲法よりもまずは経済で、消費税の据え置き、できれば減税、可能なら撤廃(日本は一挙にバブル期なみの好況に恵まれることになると思います)で選挙をやってもらえないものだろうかと願う次第です。

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北朝鮮は戦争ではなく外交を選んだ。勝ったのは中国だった。

現在、2017年4月15日の午後2時ごろです。政権に近い人たちからはXデーとささやかれ、あわや第二次朝鮮戦争、または第二のキューバ危機かとすら思えた緊迫感のある日々が続きましたが、もっともやばいと言われた15日の午前が何事もなく穏やかに過ぎましたので、戦争になるリスクは大きく減少したと思えます。安全資産である日本円に買いが集まっていましたが、週明けからは円高に揺り戻していくのではないかと思えます。数日前、私なりに戦争にはならないと思うという主旨のことをなるべく穏やかに書いたのですが、やっぱり戦争にはならなかったと言うことになります。北朝鮮にとっては核実験という派手なことはやれなかったものの、「SLBM持ってるぞ。ついでに言うとICBMも持ってるぞ。なめんなよ」と世界に見せることができたわけですから、それなりに満足できる内容だったかのも知れません。

一時、軍需産業関連の関連の株価が上がっていると話題になりましたが、数日前から下げ始めており、株式市場でも戦争は回避されるという見方が強まりつつあったとも思えます。週明けからは反動もあってもっと下げるのではないかという気もします。

振り返ってみれば、アメリカがどこまで本気で戦争するつもりだったのかは微妙と思えます。まず第一にシンガポールからオーストラリアへ向かうはずだった空母カールビンソンが思いつきのように日本海行きを命じられ、一週間くらいかけて(要するにわりとゆっくり)北上したという辺り、「カールビンソンが行きますよ」という威嚇以外の意味はなかったとも思えます。

もし戦争になった場合、懸念されるのはソウルに大量の砲弾が撃ち込まれることと、日本に何が飛んでくるか分からないというところでしたが、38度線の砲台は固定されたものなわけですから、トマホークで計算して打ち込めばよく、カールビンソンの戦闘機が出ていく理由はありません。ミサイルを打つための可動式の発射台については、トマホークで狙うことには限界がありますから、戦闘機を使うことは理解できますが、仮に数時間で全て叩く(一つでも残っていれば日本に何かが飛んでくる)ということであれば、横須賀のロナルドレーガンも日本海に行っているべきで、わざわざ狙ってくださいと言わんばかりに横須賀で整備しているのは悠長な話です。ということは、最初から必ずしもアメリカは本気を出していなかったのかも知れません。やろうと思えば勝てるだけの戦力は集めた上で、場合によっては韓国と日本が焦土と化しても、ま、いっか。という感じで考えていたのかも知れません。少数精鋭の暗殺部隊を送るという話もありましたが、山の中の個人宅を狙うのではなく、警護の固い宮殿の中に複数の影武者たちと警備兵を充実させている国家元首をこっそり空挺部隊のようなもので送り込み、目的を達成するというのは土台からしてやっぱり無理な話だったと言えなくもありません。

それでも、戦争になったら日本と韓国に向けて存分に大暴れして滅びゆく覚悟を北朝鮮がしたならば、そうなったかも知れません。しかし、今この段階で核実験をしていないということは北朝鮮の側は矛を収め、アメリカも矛を収めるのをじっと待つという戦略を採用したものと見受けられます。何にもやらなければ滅亡必至の戦争を回避できるのですから、何にもやらないというのは理にかなった判断と思えます。太平洋戦争が始まる前に昭和天皇が「戦争準備を主とするのではなく、外交を主とせよ」と意思表示したことは全くまともな判断であり、それでも戦争をした当時の日本の指導者の愚かさということまでが私の脳裏を去来します。

一連のできごとで最も印象に残ったのは中国の立場が大きく好転したことです。中国は北朝鮮を説得するとアメリカに約束し、実際に北朝鮮を思いとどまらせることができたわけですから、堂々とその成果を主張することができます。一部では今の北朝鮮を中国がコントロールすることはできないとも言われていましたが、滅亡必至の行為を思いとどまらせるのはそんなに難しいことではなかったかも知れません。やったら死ぬよと言われれば、大抵の人はやらないのが合理的というものです。その結果として得るものは大きいもので、トランプさんは中国を為替操作国とは認定しないと発言し、今後の貿易不均衡についてもあんまり厳しいことは言わないともツイッターでつぶやいています。先日の米中首脳会談では、「100日以内になんとかしろよ」と約束させられた習近平さんですが、この約束はチャラにしたところで誰に文句を言われるわけでもなく、大手を振れるというものです。今回のことで一番お得な思いをしたのは中国だったかも知れません。北朝鮮に対しても、アメリカに「体制の変更は求めない」とも言わせたわけですから、これからは命の恩人です。

今後は米中蜜月も視野に入る可能性もあります。トランプさんが大統領に就任する前、台湾の蔡英文総統と電話で会談したことを自らツイッターで明かしたことで大いに話題になり、CIAはトランプさんの就任前にアメリカに立ち寄った蔡英文さんと直接会談させることも狙っていたフシがありますが、これは実現しませんでした。CIAとトランプさんの関係は現在に至るまでも微妙というかかなり隙間風が入り込む状態と見てまず間違いないと私は見ていますが、これは世界最大の予算を持つインテリジェンス機関をトランプさんが活用できていないということも意味しています。政府人事は現在に至るまで不安定で、人事の目玉であったとも言えるバノンさんも冷遇されつつあるわけですから、トランプ政権は足元がまだまだ弱いということは間違いないと言えそうです。当初、明らかに中国に対して冷たい態度をとっていたトランプさんは、就任後少しずつ態度が穏健になり、おそらくは中国ロビーの涙ぐましい努力があったものと想像できます。娘さんと娘婿だけを頼りに政治をしているトランプさんは裸の王様状態になっており、中国ロビーにとってはそれが幸いして、入り込みやすかったのかも知れません。トランプさんは今後も情報源が乏しい中でのかじ取りをせざるを得なくなるため、中国ロビーの努力次第では米中蜜月大いにあり得ると思えます。北朝鮮が核実験を見合わせたことで、米中蜜月のお膳立ては整ったとも言えますから、今後はアメリカのAIIB参加なども含んだ方向転換も考えられます。その場合、戦争になったら有事モードで返り血も覚悟していたフシが見受けられる安倍首相は踊らされた感が残ってしまい、うまく形容することのできない、わけのわからない感じになってしまうということにもなりかねません。国際社会は一寸先は闇でござんす。安倍首相はオバマさんに対しては平身低頭で何とか乗り切り、トランプさんに交代してからはもうちょっと伸び伸びやれるかもと期待していたはずですが、ところがどっこい…相手にされなくなる…。ということもないとは言えません。こういうことを書いたからといって、私がそれを望んでいるというわけではないですよ。念のため。

とはいえ、戦争になっていたら、数百万人の死者が出ることも不思議ではなく、コロニー落としなみのマスマーダーになった可能性もあるわけですから、戦争にならなかったということは、祝すべきとも思います。

金正恩さんは、このたびのことで「強いことは正義だ」と学んだのではないかと思います。シリアのアサドさんやリビアのカダフィさんのような半端なことをしていればトマホークも撃ち込まれるし、場合によっては殺される。しかし、自分は強いのだ。強いからアメリカも手を出すのをためらったのだと認識したはずです。そう認識するのが普通です。もし、金正恩さんが賢明な人であれば「力は使うものではなく、見せるものだ」とも学んだかも知れません。日本はそれを見せられる側であり続けることになります。日本は外交で負けたと判断してもさほど間違っていないのではないかという気がします。

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アベノミクスをここでちょっと振り返ってみる

日本のGDPは540兆円弱になるようなのですが、そのうち20兆は過去に計算に入れていなかった研究開発費などを加えて下駄をはかせた数字であるため、過去と比較するとすれば、520兆円弱くらいあたり見てよいのではないかと思います。一番ひどい時に490兆円くらいまで落ち込んでいましたから、安倍政権に入って30兆増えたことになり、下駄をはかせた分も、そっちの方が国際標準らしいので、それを額面通りに受け入れるとすれば、50兆円くらい伸びてますので、まあ、まあ、まずまずだと評価してもいいのではないかと思います。

これくらいまで伸びた背景は一重に黒田バズーカによる金融緩和がおおいに仕事をしてくれたと言ってよいとも思えます。とはいえ、これは金融緩和が来たぞ!ということで外国人投資家による日本株の買いによる日経平均の上昇と、結果として含み益を得た日本人投資家の利益の面が大きく、実体経済、即ち誰かが商売を始めて、それで雇われる人も増えるし、みんなもほしいものが買えてみんながハッピーという状態まで行けたかと言えば、残念ながら疑問を感じざるを得ないところです。

日本経済は60パーセントが個人消費に支えられているにもかかわらず、個人消費はほとんど伸びておらず、消費税の増税によってどちらかと言えば冷える傾向にあると言えます。敢えて言えば、消費税を3パーセントも上げたのに冷え込みがこの程度で済んでいる、なんとか現状を維持できているということの方が不思議なくらいで、一部の指摘にあるように高齢者層がお金を使うことで、どうにか持ちこたえているというあたりが実際的なところなのかもしれません。

失業率は堅調に下がっており、それをしてアベノミクス効果と称揚する人もいますし、確かにまずはなんといっても失業対策が肝心で、個人的には所得よりもまず雇用と思いますから、これについてはめでたいわけですが、これはアベノミクス効果ではなく、少子化で新卒の人の人数が少ないために、結果としてみんな内定がもらえるようになったからだとする指摘もあり、とすれば、アベノミクスとは関係ないと見ることもできるかもしれません。政治家が結果責任だとすれば、結果として失業率は下がっているわけですから、そこは評価されてもいいのかもしれません。今後、賃金が上がるかどうかというところに世論は移っていくのをとりあえずは見守りたいと思います。

ゆゆしきことと思えるのは、今後も消費増税を控えており、おそらく財務担当省庁の思惑としてはヨーロッパ型の高負担税制国家にしたいというところが見えますので、消費税はこれからも粘り強くじわじわと上げられていく可能性が捨てきれないということです。過去の流れを見ても、どうにか日本経済が復活しそうになったところで橋本龍太郎さんの時代に消費税増税が行われたことで景気の腰折れがあり、今回の安倍政権になってからも、消費増税によってかなりの分が吹っ飛んでしまっています。残念至極と言わざるを得ないのですが、今後も担当省庁が上げ続けることを狙っているとすれば、日本の個人消費はお先真っ暗で、希望が見えません。日本では司法が財政均衡主義に立った判断を下した判例がいくつかあるので、公務員の人たちとしては財政均衡主義的な方向についつい進んでしまうのかもしれません。

また、財政出動もやってるのかやってないのか…であり、産業育成も日本人としてはAI開発におおいに取り組んでもらって個人的にはベーシックインカム社会来るべしと思っていますが、なんとなくアメリカや中国に水をあけられつつあるような…ところではあります。

アベノミクスに点数をつけるのであれば、日銀の金融緩和が90点(短期的には効果はあるけど、あんまり長くやると銀行の体力が尽きてばたばた倒れる…)、財政出動は50点(高すぎるかも)、産業育成も一時TPPで農協改革というちょっと的外れな方向に進んだので30点。総合すると、90+50+30=170点で、それを3で割ると56点(小数点以下切り捨て)といったところでしょうか。

うーむ…黒田さんに頼り切ってしまい、黒田さん効果もあんまり上がらなくなった今、財政出動も研究開発もばしっとやってほしいところです。アメリカと北朝鮮が戦争になるかならないかで世間が騒いでいるところですが、ちょっと落ち着いてみたくて、アベノミクスについて考えてみました。

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アメリカと北朝鮮

米韓軍事合同演習が今まさに続けられている最中であり、keyresolve作戦なる穏やかではない名称の作戦の訓練も行われているということで、しかもトランプ大統領ですから、もしかすると戦争もあるかも知れないという話が俄かに高まっています。

本当に戦争になるのか、それともならないのか、戦争になったらどうなるのか、可能な限り穏当な表現と中立的な姿勢を保ち、感情的にならず、考えてみたいと思います。

昨日から行われた米中首脳会談では、「北朝鮮の非核化で協力する」という合意が得られたとされています。大変に微妙な表現で、「非核化」のために何をするのかはさっぱり分からない、逆に言うと何をやっても合意の範囲内という曖昧なものですから、穿った見方をするとすれば、アメリカは中国の黙認をとりつけたと解釈することも不可能ではありません。

トランプさんと習さんの会談の最中にトマホークでシリアのアサド政権の施設を攻撃したという一報が飛び込んでくるというのは、アメリカ側の皮肉をきかせた演出と言えますし、このような演出をする背景には、アメリカには他の地域でもそうする意思と能力を持っているということを示したとうけとることも可能と思えます。

しかし一方で、広い世界を全体的にカバーしなくてはいけないアメリカの事情としては、二正面作戦は避けたいという本音があるはずですから、「シリアと北朝鮮の双方で一挙に」というのは現実的な問題としてはハードルが高く、トランプ政権の最優先課題は中東情勢をコントロールすることにあることは明白ですので、シリアに本格的に手を出すということは、北朝鮮には本気にはならない。或いは、現実的にそうはできないという見方も可能とも思えます。

習近平さんにアメリカの意思と能力を示したものの、シリアと北朝鮮に同時に手を出すことはできないという二律背反でアメリカ側も未だにためらっているのが現状ではないかと私には思えます。

大変に悩ましいのは、戦争になった場合、日本、韓国への被害は甚大になる恐れがありますから、水面下でどのように話し合われているかは分からないものの、日本、韓国側から事前の快諾を得るというのは決して簡単なことではないようにも思えます。特に北朝鮮の指導者は「死なばもろとも」と考えている可能性が高いと思えますから、いよいよとなればミサイルのボタンを押すことに躊躇はないでしょうし、或いはボタンを握りしめて「押してもいいのか」的な瀬戸際作戦も充分に考えられます。

ビンラディン氏を襲撃した際には、彼がそういう決定的なボタンを持っていなかったので、少人数精鋭部隊で襲撃するという、まるで映画のような行動が可能でしたが、北朝鮮の場合、まず、指導者がどこにいるかははっきりとは分からないという面があり、指導者も一朝ことが起きればいつでもボタンに手が届くように準備している可能性がある以上、芹沢鴨暗殺のように寝込みを襲い、坂本龍馬暗殺のような素早さでけりをつけるというのはハードルが高いように思えてなりません。

アメリカとしては、北朝鮮がアメリカに届くミサイルを持つようになる前に、という本音もあるでしょうけれど、今となっては日本と韓国が焦土と化してもいいという覚悟を決めなくては動くに動けないはずですので、これは世間で騒がれているほど、戦争になる可能性は低いのではないかと思えなくもありません。平壌の破壊力の大きい爆弾を落とすという選択肢もあるかも知れませんが、その場合は横田めぐみさんの安全が危ぶまれます。

現状はキューバ危機以来とも思える緊張感のある状態になってはいるのですが、危機が進み過ぎて手が出せなくなっている。と私には思えます。イランコントラ事件でも分かるように、CIAは精緻な作戦にさほど優れているとも言い難いがところもありますので、敢えてそこまでのリスクを取れるかと言えば、取れないのではないかと思えます。

トランプ政権はまだ人事で揺れている部分が残されており、安定しているわけでもありませんから、そういう面からも今の段階で危険な賭けに出るのは厳しいのではないか、とも思えます。

以上のようなことを整理すると、1シリアと北朝鮮の二正面作戦は厳しい 2トランプ政権にとっては中東が優先事項 3トランプ政権はまだ弱く、危険な賭けには出られない 4北朝鮮は既に核保有国なのでその強みがあり、既にうっかり手が出せないほど強力になっている

ということになり、結論としては、おそらく、戦争にはならないのではないかと思えます。米韓合同軍事演習が終わるまではもちろん何とも言えない部分は残りますが、韓国の大統領不在の今、韓国が事態に対応できないという面もあって、やはりアメリカは戦争するわけにはいかない、できない。という結論に辿り着きます。それは今後も緊張が続くということも意味しますが、今戦争になれば、絶対にマスマーダーになるというリスクを負えないと思う方が普通の感覚かも知れません。今のタイミングで韓国の大統領が不在のことの方が意味深いようにすら思えてきます。また「核ミサイルを持っている」というだけで、一国を滅亡に追いやるだけの大義名分になるのか、というところも意見の分かれるところではないかとも思えます。

アメリカにとってもリスクは高いことは間違いないはずですが、北朝鮮サイドにとってのリスクはより大きなものですから、事態の打開をより強く願っているのは北朝鮮サイドに違いありません。国内での核開発アピールをやり続ける以外に政権を維持できないのだとすれば…意外と最高指導者が亡命する、みたいなところで手を打つということもあり得なくはないように思えます。

『博士の異常な愛情』をリアルで見ているような、重苦しい日々が続きます…。

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フランス啓蒙思想-神の支配と王の支配と法の支配

ヨーロッパでは王権神授説を振りかざす絶対王政が威力を持つ時代が続きましたが、18世紀に入るあたりから、そういった絶対王政を否定し、民主主義、三権分立、カトリックの伝説や教義を絶対的に信じるわけではない実証主義が登場します。啓蒙思想と呼ばれるものです。

特に有名な人物がモンテスキューではないかと思います。『法の精神』を著し、三権分立を説いたモンテスキューは、王の気分次第でなんでもできる、王が命令した法律はなんでも通用するとする価値観を否定し、法律には条文を云々する前に自然法があって、イギリス風に言えばそれはコモンセンスに基づくものであって、もうちょっと言うと法治主義ではなく法の支配があるべきと考えたのだと言えるとも思えます。
法治主義であれば、法律に書いてあることはどんなに理不尽なことでもまかり通るため、ソクラテスのように「悪法も法なり」ということになるのですが、法の支配であれば、たとえ法律に書いてあったとしてもそれが明らかに理不尽な内容であった場合には条文よりもその精神に基づいて判断されなくてはいけないということになります。今日まで続く普遍性を持った思想と言えるのではないかと思えます。

ヴォルテールの場合、神と教会を問題にしました。私個人はカトリックを批判したりする目的でこのブログを書いているわけではないのですが、少なくともヴォルテールはカトリックを批判しました。福音書イエスキリストの人生を読めば、感動するところはたくさんあり、人を愛するとはどういうことかということについて、考えさせられたり、啓発されたりする部分があることは事実ですが、処女の女性が子どもを産んだり、人間が水の上を歩いたり、死んだ後に三日してから生き返ったりするというのは合理性という面では納得できるとは言いかねます。カトリックではそれを奇跡と呼び、奇跡が神性の証なので納得しないほうがいけないということになるわけですが、問題はそのドグマ自体よりも、カトリックに異端指定されると袋叩きにされる、追放される、殺されるという個別の人間に具体的な危険が迫ることにあったとも言え、宗教戦争で人が殺されまくるという歴史もヨーロッパは経験していますから、ヴォルテールは宗教的寛容が必要であると考えました。また、自然秩序そのものが神であるとする理神論の立場を採るに至りますが、これは遠藤周作さんの『深い河』にも共通する形而上の立場とも言え、多分に仏教の法とも通じ合うのものがあるのではないかと思えます。

啓蒙思想の思想家たちは百科全書派とも重なりますが、具体的で観察可能な知識を積み重ね、タランベールのようにそれらの知識を利用して実証的な議論をするという発想がその根本にあったと言えると思います。百科全書派の中にはディドロという人物もいて、彼も具体的かつ観察可能な事実から諸事について検証・思索することを重視したため、唯物論へとつながっていきます。神が実在するかどうかはの中の問題であって、物理的には観察不可能ですから、観察可能な事象を積み重ねようとすれば唯物論へとつながっていくことは理解できないわけでもありません。

最近は量子研究が盛んになり、どんなにミクロな世界、さらにはナノの世界、もうちょっと言えばパラレルな世界へと入り込んで行ったとしても整然とした秩序があり、そこに神という設計者がいたのではないかと思いたくなる面もありますし、人間の心が観察対象に影響を与えうるとする世界があると言われるようになって、即ち、心と物理はつながっているということになってきているため、唯物論を完全に受け入れるべきかどうか、個人的には判断に迷うところではありますし、唯物論は飽くまでもカトリックとの対立軸として理解されるべきものではないかとも思いますので、カトリックに関する議論を忘れて唯物論だけを取り出して、絶対的な真理として議論することも難しいのではないかなあ、馴染まないのではないかなあとも思えます。難しいことなので断言することはできないところではありますが。

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ルソーと格差社会とピケティ



フランス革命のわずか前の時代まで生きたルソーはなかなかに壮絶な人生を送った人です。幼少期に孤児になり、少年期には労働に従事させられます。現代の人権感覚から言えば児童労働はゆるされない重大な人権に対する挑戦ですので、その点からも同情すべき点の多い人生を送った人と言えます。多少の時期的なずれはありますが、ヴィクトルユーゴ―の『レ・ミゼラブル』を連想させられます。

16歳で労働現場を脱走し、上級社会の夫人に拾われ、学問や音楽の教育を受けることができるようになります。松本清張の『砂の器』を想起させるドラスティックな人生の変化です。しかし、40代を過ぎるまでは社会的に認められることはなく、不遇な時期が長かったとも言えるかも知れません。

彼はそのような人生を送ったからか、人間社会にはびこる不平等を強く批判し、それを『人間不平等起源論』と書物にまとめ、文明が発達する前の自然な状態に帰れば、搾取も階級もない自己保存と惻隠の情だけの人間社会が営まれるようになるため、人々はそこを目指すべきだ、自然に帰れと言う議論を展開します。当時のフランスがまだまだキリスト教の影響の強い時代であったことを考えれば、アダムとイブが知恵の実を食べてエデンの東に追放される前の状態へ帰るというようなイメージがあったのかも知れません。ホッブスが自然状態が「万人の万人に対する闘争」とした点に於いて、自然状態に対する考え方が決定的に違いますが、これは両者の王制に対する考え方の違いなのかも知れません。ロックはより人間に対する信頼が厚かったため、ルソーに近いと言えますが、ロックが人間は理性を働かせることができるから秩序を維持できるのだと考えたのに対し、ルソーは素朴な感情面に於いて人には愛情関係を結ぶ力があるから秩序を維持できるのだとした点では違いがあると言えます。また、ロックが権力の集中を防止するために三権分立を考えていたのに対し、ルソーは人民への権力の集中を考えていましたから、その点での違いもあると言えます。人民への権力の集中というような言い方をすると、社会主義革命を連想してしまいますが、ルソー自身は一定程度の個人財産の所有は容認していますので、共産主義とは若干の違いがあります。あ、ということは、やっぱり社会主義、あるいは社会民主主義といった感じでしょうか。サンダースさんみたいな感じのことを考えていたのかも知れません。

彼の考えによれば、富める者はますます富み、搾取される側は永遠に搾取されるということですので、ピケティが証明したことを既に200年以上も前にルソーが論証していたと考えてもいいのかも知れません。

ピケティは格差社会の解消のためには富裕層に対する資産税を世界で同時に実施するしかない(要するにそれは実現不可能である)としていますが、ルソーの場合は格差のない社会にするためには全ての人々が直接民主制という形で意思決定に参加することによって格差の適正化を目指すべきだと考えました。彼はそのような手法によって確立された意思を一般意思と呼び、ひとたび決められた一般意思に対して人々は必ず従わなければならない、そのように契約するべきだとして社会契約説を唱えるに至ります。

40代で社会的成功に手が届いたルソーですが、当時のフランスのアンシャンレジームを否定する思想であったために危険思想の持ち主として犯罪者扱いをされ、指名手配されるはめになり、放浪生活に入り、不遇のうちに人生を閉じます。なんと気の毒な人物なのかと同情を禁じ得ません。ルソーは社会主義の源流であると同時にブルジョア革命の源流にもなったとも言えますので、大変に重要な人物として位置付けられていますが、メルヴィルの『白鯨』が彼の死後評価されたり、ゴッホの作品がやはり死後に評価されたりということはありますので、真実の天才は或いは死後に評価されるものなのかも知れません。人間の精神が死後も存在するかどうかは古代ギリシャ時代から議論のあるところではありますが、もし唯物論的に死後のなんかないということであれば、自分が評価されたことが全く分からないわけですから、本当に浮かばれません。とはいえ唯物論であれば死後に浮かばれるも浮かばれないもないわけではありますが。エピクロスが「死んだら何にも分からなくなるから死ぬのは怖いと思わなくていい」というのが真実なのかも知れません。個人的には死後の世界はあると思いたいところですが、こればっかりは死んでみないと分かりません。ちょっと脱線し過ぎですのでこの辺で。