【漢文】易経とは何か

私は現代中国語ならかなりのレベルで使いこなす自信はあるのだが、漢文が読めない。詳しい人に相談したところ、現代中国語と漢文は全く違うものなので、別途勉強しなければ永遠に身につかないという厳しい現実を教えてもらい、夏休みを利用して漢文の肝になるところだけでも教えてもらうことにした。

で、一発目に教えてもらったのが易経についてである。いわゆる四書五経の一つに入る。で、この易経というのがなかなか奥が深いのだが、漢の武帝の時代までは六経で、武帝の時にされて五経になったらしい。隷書で書かれているそうだ。で、五経博士という特権的専門家が五経研究というのをしたわけだが、鄭玄という人物がこの五経に注釈をつけている。あまりに見事な注釈であったため、経神と呼ばれるそうだ。

で、易経なのだが、明朝以前は周易と呼ばれていたという。周の時代から存在したからだ。伏義という伝説の男(三皇五帝の三皇の一人で、厳密には三皇は「神」の部類に入るそうな)が八卦という占いを編み出したのだが、八卦は方位天地、神羅万象を表すもので、陰陽五行道の原点でもあり、今の韓国の太極旗のマークと同じものを使って方角を見て吉凶を占うというのをやっていた。で、周の時代に文王が64卦に増やしている。八×八で64だから、それだけ細分化して占いの精度を上げることになったということらしい。更にこれを孔子が究めたのが『十翼』と呼ぶのだが、このように時間をかけて洗練されて作られたのが「易経」なのだそうだ。

従って、極めて制度の高い占いの手引書として今に至るまで信用が高く、日本では当たるも八卦当たらぬも八卦と言われるが、中華圏ではもっと精密なものとして扱われている。また、よほど訓練を積んだものでなければ易経を体系的に使用できないので外すのであり、充分に訓練を積めば、かなりの確率で当たるのだという。易占いは確率論であり、たとえば明日告白してオーケーをもらえる確率は〇〇%みたいな感じで出てくるので、イエスかノーかの結果が出るものではない。しかし、それだけにかえって信憑性が高いのだと言えるかも知れない。今でもスポーツの試合でどちらか勝つかに八卦を用いるという人がいて、とある人がやってみたところ「分からない」という結果になり、その試合は逆転に次ぐ逆転の接戦を繰り返し、占いの結果が「分からない」というのも納得であるとの説明をされた。

私は四書五経は知っていたが、そのうちの一つが易だということを知らなかった。いや、ぼんやりとは知っていたが、それが占いだということに気づいていなかった。漢文の易経の存在は知っていたが、中身については何も知らず、言われてみれば易と言えば占いではないかと、説明されて気づいたのである。それだけでも大発見というか奥深き中国古典の入り口に私はようやく立てたわけだが、果たしてそんなに奥深いものをどこまで追求できるのか…自信はない。よく中国の世界観は孔子の時に完成してしまい、以後、変動しないというような言い方をする人がいるが、納得できる。


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