スキルが身につかない仕事は存在しない

よく言われていることですが、「非正規雇用でスキルが身につかない仕事に就いている人」が大手メディアでは社会問題のように語られています。私にはどうしてもそれが理解できないので、ここで反論を書いてみたいと思います。

それは、果たして雇用形態が如何にあれスキルが身につかないということがあり得るのかということです。私はアルバイトであれ、派遣であれ、必ずなにがしかのスキルが身につくと考えています。たとえばコンビニの例を考えてみましょう。最近のコンビニの店員さんはどこへ行っても親切ですから、接客のための教育が内部でかなり行われているに違いないと私は想像しています。ですので、CAとかホテルとかの仕事に就いていないとしても、コンビニで接客を学ぶことは可能です。更に、コンビニに行くとキャンペーン的なことが行われていますし、言うまでもないことですが消費者がより沢山の品物を手にするよう、関連商品を並べて置くなどの工夫がなされています。利用者である私ですら気づいているわけですから、アルバイトで働いている店員さんが気づかないはずがありません。たとえ言われた通りにやっているだけだとしても、自然と気づいてくるはずです。セブンイレブンやファミリーマートなどの大手コンビニ業者が知恵を尽くして考え抜いたマーケティング戦略の現場の最前線がアルバイトの人たちです。初めのうちは分からなくても、だんだんマーケティングに関する現場の知識が増えていきます。コンビニがどのようにして運営されているのか、仕入れ、配置など学べることが山のようにあるはずなのです。ですから、コンビニの店員さんをしている人にスキルが身につかないということは原理的にあり得ないのではないかと私には思えます。

さらに言えば、コンビニの店員さんを続けている人は社会的な信用という点で劣っていると言えるのでしょうか?もちろん一部上場企業で働いている人の方が銀行からの融資は受けやすいでしょう。しかし、コンビニの店員さんを10年続けている人がもしいるとすれば、その人はコンビニ運営の隅々まで知り抜いている人のはずですから、将来何らかの実業を始めたいという時にコンビニで店員さんをした経験が生きないはずがありません。仕事力としては当然信用があると思いますし、少なくとも「スキルが身につくとはっきり言える仕事以外はしたくない」と思ってひきこもっている人よりははるかに社会的な信用もあると考えるべきです。仮にそう考えない人がいるとすれば、それはそう考える人がコンビニの店員さんを見下しているのです。

コンビニの店員さんだけではありません。肉体労働をする人、工場で派遣労働をする人など、全ての人にそれは当てはまると思います。必ず何か学ぶことがありますし、実際に業務を経験しているということは何物にも勝る武器であると私には思えます。もちろん、今後はAIが多くの仕事を奪っていくとも言われていますから、それについてはベーシックインカムで対応すべきだと個人的には考えていますが、たとえそうであったとしてもAIに指令を出すのは人間なのです。そして今、まだAIはそこまで進化していません。今後、5年、10年先の本格的なAI時代を迎えるに当たり、AIに適切な指令を出すことができる人は、それまで何かしらの仕事をしていた人に違いありません。ここに異論のある人がいるとは私には思えません(異論があってもいいですよ♪)。

私がなぜ、このようなことをここで述べているのかというと、「非正規雇用のまま40代になってしまったロストジェネレーション」を憐れむ声がばかりが世の中に広まっており、もはや手遅れ、ごめんなさいあなたの人生はあきらめてね。的な内容のものがあまりに多いからです。

ロスジェネであろうと新卒であろうとシニアであろうと、私はあらゆる人に可能性があると信じています。もっと幅の広い、よりよい人生を得る可能性は誰にでも、充分にあるのだということを示したくて、ここで述べてみました。特にひきこもってしまった人、非正規で長くやっていて「どうせ自分は…」と思っている人に、人生は様々な可能性に満ちているということを伝えたいです。ひきこもっている人は、いきなりアルバイトはきついでしょうから、ボランティアから始めてみるのも手だと思います。半年一年続けていれば、ボランティア関係者から信頼を得られます。まじめにボランティアに長期かかわってくれる人はそう多くないので、運営サイドにとってはありがたい存在なのです。その人たちのネットワークから、やがて自分にちょうどいいアルバイトを紹介されるかもしれません。そして、ボランティア経験が評価されて簡単なアルバイトに採用され、やればやるほどスキルが身に付き、10年後、20年後にはビジネスオーナーになるというのは合理的です。不合理的でも絵に描いた餅でも空想でも妄想でもありません。

一つだけ注意しなければいけない点は人生には波があるということです。いい時と悪い時は交互にやってきます。悪い時期に入ったとき、「どうせ自分は…」と投げ出さないことです。一時撤退、戦線後退、なにがしかの潮時みたいなものはあるでしょうけれど、嫌になってしまうようなことが起きたときに退場してはいけないということだけは注意しないといけません。退場してしまえば、またゼロからのやり直しです。リングの上に上り続けること、たとえそれがどんなに小さなリングでも、どんなに安いリングでもリングの上に居続けることによって人生には次のステップが用意されていきます。私も時々嫌になって今の仕事を辞めたくなります。しかし、上に述べたような考え方を持っていますので、投げ出さずにリングにしがみつき、試合を継続しています。

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