昭和史41‐英米の蒋介石援助

とある情報機関が発行していた機関紙の昭和14年4月21日付の号では、イギリス、アメリカによる蒋介石の援助について解説していますので、紹介してみたいと思います。当該の記事では、蒋介石政権が中国大陸のかなり奥の方まで追い詰められているにもかかわらず、粘り強く抵抗を続けている理由として、蒋介石政権が外貨を大量に持っていることを指摘しており、なぜそんなにお金があるのかと言えば、世界中の華僑資本家の支持があることと、イギリス、アメリカの援助があることを理由として挙げています。日本は緒戦では買ってはいますが、世界的規模で敗けていたと何度もこのブログで書いていますが、やはり、この記事も日本が世界的な視野から見れば孤立していたことを裏書きするようなものだと言っていいのではないかと思います。

当該記事では、フランスの経済新聞が、イギリスの蒋介石への援助は東アジアの権益を守るために援助しているのであって、蒋介石そのものへのシンパシーに基づくものではないという趣旨のことを書いていると紹介していますが、まさしく、英米の権益を日本が脅かすからこそ、やがては日本帝国の滅亡を迎えることになってしまったわけですから、この記事を紹介することで、蒋介石はそんなに英米に愛されているわけではないという解釈を与えるのは大局を見失っていると判断せざるを得ないと思えます。

当該の記事は、いずれ蒋介石は大金だけを持って中国大陸から脱出しなければならないことになるだろうけれど、その場合、それまで蒋介石のために戦ってきた中国人民見捨てられるのだという主旨のことで結ばれていますが、事態は後にこの予言の通りになったとも言え、そういう意味ではここは見抜いていたと言ってもいいですが、それは日本帝国が滅亡した後に起きたわけで、当該情報部は英米が日本帝国をつぶすことをとにかく優先していたという結果的事実を見抜くことができていません。

「情報部」を名乗るくらいですから、情報収集のプロ、情報分析のプロの集団であったはずですけれど、全く分析できていなかった、日本有利と宣伝するだけのプロパガンダ機関にすぎなかったと思うと、頭脳なき戦争を日本は進めていたのだも思われて、やっぱりがっくし…。ですねえ。


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