昭和史32‐マレー語ニュース放送

とある情報機関が発行していた昭和13年10月1日付の号では、台北から東南アジアに向けてマレー語のニュース放送を行うことになったとの告知がなされています。以前、広東語ニュース放送の話題に触れましたが、今度はマレー語話者への宣伝活動も行うというわけです。当該の記事では

従来南洋は国民党政府のデマ放送や国民政府の奸策に迷はされ誤れる愛国熱に狂奔してゐる華僑等に依り時局を誤認し、恐日より遂に排日運動に進展し(略)南洋各地在住の馬来語使用者の耳に本格的な馬来語を以て正確なる戦況ニュースは勿論のこと、正義日本の所信を報道し

と、南方に大きく放送戦略展開したいという旨のことが書かれたありました。放送予定表を見たところ、英語、北京語、広東語、マレー語、日本語でのニュース放送を時間別に放送するということになっており、なかなかのラインナップと言えなくもありません。放送内容が分からないところが難点なのですが、愛宕山のNHKの研究所に行けば、もしかすると内容の一部が残っているということもあり得ますが、聴かせてもらえるかどうか…。他にも宣伝映画もいろいろあるので、観れるかどうか分かりませんが、当面、昭和史のプロパガンダを追いかける予定ですので、いずれ今読んでいる資料も読み終えれば、そういう視覚(映画)、聴覚(ラジオ)に関連した素材集めに入っていかざるを得ないかも知れません。大学の仕事もあるのに、果たして私にどこまでできるか…不安も難問も山積ですが、まあ、やれるだけやってみようと思います。

マレー語の放送があったということは、おそらくはマレー人の協力者グループを得たと解することもできますが、その人たちは戦後、利敵行為で罰せられたリしなかったどうかもちょっと心配です。戦争犯罪人の処罰については日本人のそれに関する資料もわりと厚生労働省の奥深いところで眠ったままになっているものが多いと聞いたことがありますので、マレー人協力者グループのその後については、ちょっと追いかけ切れないかも知れません…。

ああ、それから、当該の号ではドイツのズデーデン併合に関する話題も取り扱っていて、日独防共協定を結んだ後の時代のことですから、ドイツに対して大変同情的な記事も掲載されています。日本帝国は自分で沈んでいった面も強いですが、ドイツに心中させられた面もあるように思えますので、こういう記事を読むと本当にがっくしです。

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