2018年末衆議院解散説

現在(2017年)の衆議院議員は2018年末に任期の満了を迎えます。一般的な見方、政治ウオッチャーの常識みたいなことを言えば、通常、2018年になる前に首相は衆議院の解散を模索するはずです。過去の経験則から、任期満了にともなう解散総選挙では首相の求心力を維持することが難しく、スケジュール解散などと揶揄されて与党が数を減らすというのがパターン化されており、解散総選挙の先送りは現職の首相にとっては座して死を待つに等しく、政権を維持したいのであれば最後の一年に入る前に解散を打つに違いないというわけです。過去、もっとも分かりやすい例としては、小泉純一郎さんが優勢解散で大量に議席を獲得した後、後任の首相たちが自分の手で解散して敗北することを恐れて一年ごとに辞任するというなんか変な話になってしまい、ババ抜きゲームの結果みたいに麻生太郎さんがスケジュール的にやむを得ず解散を打ち、惨敗したというのがあります。もちろん、リーマンショック以来経済ががたがたで、そういう点で運が悪かったとも言えるかも知れません。

さて、現在の首相は安倍晋三さんです。55年体制が始まって以来、初めて二度目の首相の座に就いたというだけでもただ者ではないわけですが、近年稀にみる長期政権になっており、過去の長期政権の例で言えば、桂太郎さんが合計で長期やったものの、二度目、三度目の任期はかなりぼろぼろになっていたことを思えば、最盛期に迎えているように見える安倍政権は極めて珍しい、異例な、一般論では語れない状況が生まれているとも思えます。

で、安倍晋三さんには3つの目標があると言われます。1つはアベノミクス。これはまだまだ道半ばとは言うものの、失業率が3%を切るという快挙に至ったこともまた事実であり、ゆっくりゆっくりと効果を上げているとも言えますが、これは今辞められると全部沈んでしまうでしょうから、日本の本格回復までがんばってもらいたいところではあります。で、2つ目が憲法改正。果たして何をどう改正するのかというところから議論されなくてはいけない、意外と漠然とした目標で、お試し改憲みたいな話も出て、そんなことで本当に大丈夫かと私は不安に思いましたが、最近では憲法9条に第三項で自衛隊を明記するということでどうも安倍さんの腹が固まった、多分、公明党もそれならオーケーという話になった、維新も多分乗ってくるということで、ようやくどうするつもりかが見えてきた感があります。自衛隊は過去の大地震でどれほどがんばってくれたかが国民の目にもよくわかっていますので、自衛隊の存在が憲法で確認されること事態には反対しないというコンセンサスなら得られると安倍さんは考えたのかも知れません。最高裁判所は統治行為論で自衛隊が違憲か合憲かについては判断しない、ということは少なくとも違憲だという判断は出していない、悪く言えば逃げており、良く言えば司法は万能ではないから判断の分をわきまえていると考えることもできますが、いずれにせよ、公明党、最高裁等々の諸要因を考慮して、自衛隊について書き込むというところに狙いを定めたと言えるように思えます。

そして3つ目は東京オリンピックの時に自分が首相をやるという目標も持っています。これについては個人的な利得、私利私欲の範疇に入るかも知れませんし、「東京オリンピックの時に誰が首相なのか」は個人的には関心もありませんので、論じないことにします。

で、ここから何を論じるのかというと、以上の3つの目標を達成するための「解」はどこにあるのかということになります。一般論で言えば、上の3つの目標はどれもそれだけで難治であって、これを全部達成するというのはかなりの神業と言わざるを得ません。しかし、そこを狙うため、安倍さんは、どうも任期ぎりぎりまで解散しないのではないかと思えてきます。

今の若手の自民党の議員さんの中には、とても次は当選できないと言われている人が多く、実際にみっともないことが週刊誌に書かれることも多く、次の総選挙で自民党が現有勢力を維持することはまず不可能との見方があります。前回の衆議院選挙でも東北地方では小沢王国が存在感を見せており、小沢王国はさらにがちがちに固めていると考えていいわけですから、次回選挙では過半数は維持できてもそれ以上はちょっと望めないという予想が立ちます。とすれば、憲法改正を本当にやりたいとすれば、現有勢力でやるしかありません。天皇陛下のご攘夷、テロ等準備罪、〇〇学園、北朝鮮ととても選挙をやってる場合ではない課題が目白押しで、それを全部片づけてからいよいよこれから改正論議ということになれば、2018年の任期ぎりぎりまで日程を取る以外にはないのではないかという気もします。そうやって、最後は衆議院選挙と憲法改正の国民投票を同時に行い、最終判断では有権者に任せる(民主国家ですから、最終判断についてはそうせざるを得ません)というシナリオがあるのではなかろうかと思えます。私が改憲してほしいとか、してほしくないとか、そいうことではなくて、首相の胸中を「忖度」すればそういうことになると思えるわけです。

もちろん、自民党が政権党から転げ落ちるという不安要素は残ります。なにしろ任期満了に伴う解散ですし、小選挙区制の選挙制度では、ちょっとした風向きの違いで大きく勝ったり大きく負けたりするわけですから、任期満了解散はリスクです。繰り返しになりますが、小沢一郎さんにそれだけ時間を与えてしまうのもリスクと考えているはずです。もちろん、任期満了に伴う解散が政権党に不利なのは、解散の大義名分に乏しく、有権者に訴えかける材料が少なくなってしまうというものがあるからなのですが、憲法改正もセットでやるとなれば、賛成反対はともかく、大義名分としては充分です。

個人的には、更に消費税の減税を公約に入れてもらえないかと、どさくさでもいいので、消費税増税をねじ込んでもらえないかと思います。金融緩和はそれなりに効果を上げているわけですから、ここで消費税の減税があれば、日本経済は一機に回復。東京オリンピックもシナジー効果になって日本は一機に21世紀バブルも夢ではないと思うのですが。

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