シン・ゴジラとナウシカ

夏休みの話題をさらったシンゴジラでしたが、おもしろかったです。ゴジラシリーズのことはよく知りません。白黒時代のものは、はっきり言うとリアルタイムでみた人以外にとっては多分しょぼいと感じるでしょうし、最近のものもわざわざみたいと思うことはありませんでした。テレビで放送されたのを何度かみたことがあるくらいです。

ただ、今回は評判があまりにいいので、観てきました。官邸内の会議の様子とか、部外者は絶対に見ることができませんから「ふーん、こんな感じなのかぁ」というのも収穫としては大きいです。自衛隊の動きのかっこよさときたら、ああ、庵野先生、実写でエヴァンゲリオンをやるってことですね。と思いましたが、見応えがあります。

現代の国内政治と国際政治をなるべくリアルに描こうとしているのは、むしろそういうのが観たいんだという人にとっては、ニーズに応えてくれていると思います。ドイツはいい国で、フランスは打算的、アメリカは諸刃の剣というスタンスで、「なるほど。なるほど。そういう見方になっているのか」という感想です。

ゴジラは伝統的に放射線の影響による突然変異体として登場します。今回もそうだたと言っていいと思います。子どものころ「ゴジラは放射線と一緒に襲いかかってくるアメリカを象徴しているんだよ」と聞かされたことがあり、どういうことなのか今一つよく理解できませんでしたが、今回のゴジラは原子力発電所を象徴してることは理解できました。

登場人物たちのチームワークと知恵によって、見事に問題がクリアされるのですが、問題解決までの経緯によって訴えられているのは日本人の核に対する本能的とも言えそうなほどの嫌悪感です。やっぱり日本は敢えて再び原子力エネルギーの開発なんかしなくてもいいのではないかなあと、そう思っている人はいいのではないかなあという感想を得ました。原子力を否定するメッセージを観て納得してしまう自分がいましたので、私も深い部分から原子力はよした方がいいと思っているのかも知れません。

原子力について警告を鳴らし、アメリカは諸刃の剣だと表現している部分はナウシカと共通しています。ナウシカの風の谷もトルメキアの集団安全保障の枠組みに入らなければ独立は保てませんが、その枠組みに入るとトルメキアの戦争を一緒にしなくてはいけません。瘴気が放射線を表しているのは言うまでもありません。

シンゴジラでは、アメリカの集団安全保障の枠組みから独立するというメッセージが強いです。日本のことは日本人が自分で決める。したがって、日本で生じた問題は日本人が解決する、という価値観が鮮明に出ています。難しい議論のあることなので、ここではこれ以上深追いしません。英語が下手で物怖じするという感じも出しません。『ブラックレイン』でガッツ石松が「英語がわかんねえんだよ」というような面白いことは起きません。堂々と渡り合う、という印象を観客に与えます。

東京の風景の再現がすばらしいです。『巨神兵東京に現る』を思い出します。『巨神兵東京に現る』がとても好きなので、2時間それをみせてもらえたような気分になれたのもとてもよかったです。

最後のスタッフロールのところでは、取材協力に小池百合子さんの名前があることを確認し、映画館を出ました。小池百合子さんの名前の隣には、枝野幸男さんの名前も出ていたと思います。小池さんには防衛大臣の仕事について取材し、枝野さんには震災対策の時のことを取材したのだろうなあと思います。

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